8.ッギの日には毒されて
「知ってるか。リザードマンは脱皮をして成長する。だが、成体となれば脱皮をしなくなる。この皮は新しい。三体のリザードマンの中で成体になってないのはお前だけだ。」
「弟。お前がコボルトを…。」 兄ですらその事実を受け入れられないような反応をしている。
「...そうだよ...俺がコボルトをやったのさ。」
「なんで...」
「許せないからに決まってるからじゃないか。」追い詰められて逆上する。
「真面目に働いてる?俺達と違って環境に適応できる?下らない理屈なんかつけて、全く縁のない下等種族を次の店長に選ぶなんてぜってえ許さねえ。お前なんか消してやる。」
すると、リザードマンの体が巨大化する。
「まずい。店員達と店長を逃がせ。」サイセは言う。
リザードマンの姿の変化が続く。鱗で覆われた体が、殻で覆われる。横腹から脚が生え、手は指がくっついてハサミへと変化する。尻尾の先端も注射器のように鋭く尖り、一匹の巨大サソリが現れた。
「うわあああああ」
「撃て!」 ズドドドドドド
警備員達が銃を連射する。
だが、硬いサソリの甲羅ではびくともしない。
サソリはハサミで警備員達を薙ぎ払う。
「やぁ!」キュウキは手袋から爪が出してし斬りつける。あまり手ごたえがない。
サイセも銃を取り出し、青い光弾を撃つ。
だが、サソリは暴れるのをやめない。 鋭い針を構え、一人の警備員に刺す。
「ウ...グゥ。」
警備員は刺された所から毒を流し込まれる。警備員の体はみるみる変色し、朽ち果てた。
「!?」これに驚いたのはサイセだった。
サソリは警備員から針を抜くと、こちらへ構える。
サイセは頭を整理し、冷静になる。そしてキュウキに目くばせする。
キュウキはすぐに察した。