24.猛襲 シーモンスター
『どうやら上手くいってるみたいですよ。ご主人様。』キュウキは空から双眼鏡で隼斗を見守っている。
「そうか。…よかった。」サイセは風でキュウキの報告を受けてる。
『まあ、隼斗さんな… ドゴォン!』
「キュウキ!?どこだ!?」
『西、左、右、南。』
「あらサイセさん、お出かけで?」
玄関でアリカの母が聞く。
「ああ、すぐ終わらせる。」
家を出るとキュウキの言った方角を塀や屋根を利用して最短距離で現場に向かう。
様々な人が行き交う交差点。そこで一人のゴブリンが佇んでいた。信号が変わる。それと同時にゴブリンが巨大化する。いや、巨大化したのは両腕だけだ。ゴブリンはその腕を振るって暴れる。
自動車を叩き潰し、建物を壊す。
蜘蛛の子を散らすように人々が逃げる。
その様子を見てゴブリンは笑う。
一人の少女が転んでしまう。足をケガして動けない。その少女にゴブリンは自動車を投げつける。
少女は自動車に潰される。だが、来たのは衝撃と圧力ではなく爆発音だった。
「間に合ったか。」
「無理に逃げる必要はない。絶対お前に手出しさせないからな。」
ゴブリンはサイセにパンチを繰り出す。サイセは避けて光弾を撃つ。青い光弾はゴブリンの腕に命中するも手応えが感じられない。サイセは銃に結晶をセットしようとする。そうしてると、次の手が来てサイセを掴む。
「ウオッ…グッ…」手の中から銃を持ってる左腕を出してるが、その握力はすさまじい。
ゴブリンは俺を握りながら、顔へ近づける。
サイセは口でカセットをセットする。 キャメラァ
電子音が鳴りトリガーを引くと銃口が強く光る。
「ウ…グッ…ゥ…」
強力なストロボがゴブリンの目をくらます。
ゴブリンの手から力が抜ける。その隙に手からすり抜け、橙色の結晶に入れ替えてゴブリンに岩弾を撃つ。やはり腕よりも本体の方が攻撃が効く。というかなんで腕だけでかいという不釣り合いな体で自由に動けるのか。
考えても無駄だ。ゴブリンは怯みから立ち直ると電柱を引き抜き、こちらに振り下ろす。振り下ろされた電柱の先を見てゴブリンは笑みを浮かべる。




