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19.枝分かれした本

「角の生えた怪物に化ける能力か…。オーガとの相性がいい。」戦いを見物しているサイセは言う。

グレムリンは今にも止まりそうなロボを無理に動かそうとする。

オーガは地面を蹴って走り始める。ロボはゆっくり盾を上げる。オーガは加速する。

オーガは盾に突進する。盾にヒビが入る。するとオーガは角を伸ばす。盾を貫通し、ロボに刺さる。

今度はロボの大事な心臓部を貫いたようで、ロボは完全に動かなくなる。

オーガは角を縮めてまた距離を取る。

なぜ枝分かれした角を縮めるとき、引っかからなかったのか不思議だが今の状況でそれを考える余地などない。

「もう駄目だ。降りろ。」工場長も勝てないことを悟り、脱出の命令をする。だが

「くそ、何回押しても駄目だ。」グレムリンが脱出ボタンを押してもそれが作動しないのだ。

気付くとオーガは助走をつけて突進してきた。ロボは倒れる。オーガはロボに乗り、コックピットの上に前足を乗せる。するとオーガは前足でコックピットを蹴る。何度も何度も蹄でコックピットを踏みつける。グレムリンはパニックする。やがてコックピットのガラスにヒビが入る。そしてコックピットは割れてしまった。オーガは先程の騎士の姿になるとグレムリンを掴む。

「頼む。助けてくれ。俺がわるかった。」グレムリンは涙を流して命乞いをする。

オーガのもう片方の手に大鉈が握られてる。

「死ね。」オーガはグレムリンに大鉈を振る。

ギイィン

大鉈は受け止められていた。サイセが「ブレードモード」にして大鉈を受け止めていた。

「お前の出る幕は終わった。ここからはおれがやっていいか?」サイセが尋ねる。

グレムリンは何度も首を縦に振る。キュウキが爪でオーガの手を傷つけるとオーガは手を放す。

「ありがとう。ありがとう。」泣きながら言うとグレムリンは急いで工場長と逃げる。

サイセは剣から力を抜いて流すとオーガはバランスを崩す。崩した瞬間に腹を斬る。先程の戦いで背中は硬いとわかってた。腹ならダメージが通るようだ。

サイセとオーガはたがいに構える。先にオーガから斬りかかってくる。サイセは剣で受け止めて受け流す。サイセが斬りかかってきたらオーガは盾で防御する。オーガはそれを繰り返すつもりであろうが、俺は戦い方を変える。斬り合いが続くと大鉈とオーガに力負けしてしまう。だから、戦闘スタイルを斬から突に変える。突なら余計に体力を使うことなく、手数でもこちらが上回る。急に戦い方を変えたサイセにオーガは追いつけない。やがてオーガは盾で体を守る。全身を守れば攻撃を受けないと踏んだ。だが、背中はガラ空き。後ろからキュウキに攻撃される。効かなくても相手を吹っ飛ばすには十分な威力だろう。

オーガは吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる。頭に血が上ったのか、武器の大鉈と盾を投げ捨て、両手を地面につける。オーガが騎士の姿から獣に姿を変えた。オーガはキュウキに突進する。だが、キュウキは突進が当たるギリギリでつむじ風を纏い、空を飛ぶ。オーガは空を飛び交うキュウキに角を伸ばして攻撃するが、空中でキュウキはよける。オーガは角を縮めてまた伸ばすが当たらない。それどころかキュウキは角をよけながら煽るように急降下や減速したりする。オーガは角の伸縮を繰り返すが、当たりそうで当たらないことにイラついてくる。 キュウキがオーガの注意を完全にひきつけてるとき、サイセは銃口を動かないロボにつけてた。ロボから青い光の粒のようなものが銃口に吸い寄せられてく。

そして銃口を離すと、結晶を入れる場所になぜか別の透明な結晶がすでに入ってた。サイセは透明な結晶を抜き、橙色の結晶をセットする。そして銃を剣にすると橙色の光の剣が出る。







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