1.プロローグ ツギの日には毒されて
「はぁ…虚しいな」
俺の名前は紫葉隼斗。17歳の学生だ。退屈な日常に憂鬱になってる。別にやりたいことが何もないというわけではない。
やりたいことを一通り試してみたがどれも上手くいかなかった。自分には才能がなかった…。
だから世界に刺激がほしい。虚しさを感じる余裕がなくなるほどの。 そう考えながら学校へ自転車を走らせる。
(なんか霧が濃いな)
いつも渡ってる橋に視界を遮るほどの霧が立ちこめている。
ボチャン
「ん?」
橋の下から川を覗く。
(今、水が跳ねた音がしたような。魚か?でも今の音、相当大きいぞ)
特に何もな…
キュラアァァアアァァァ
霧の奥から巨大なウミヘビのような怪物が吠えている。
「おい見ろ。なんだ…あれ…?」
誰かに声かけようと周囲を見回すが、気づいたら自分以外の人が全く見えない。それどころか、車も一台も走ってない。
「なんで誰もいないんだ?」
こうしている間にもウミヘビの怪獣がこちらへと近づいてくる。
俺は反射的にペダルを踏んだ。ペダルを漕ぎ続け、必死になって橋を渡った。
ドンッ
俺は自転車から投げ出された。
「うぐっ…いってえ。なんだよって…うわあああああ」
俺はカバンと自転車を忘れて駆けだした。