5 誘拐犯と藤凰院理子5
理子とのクイズに気を取られている隙に、藤凰院家の特殊部隊に捕獲された工藤鳩男。
しかし、真犯人は薬剤師の村山佐智子(36歳)でした。高畑先生に借金をした彼女は、交際を執拗に迫られ、勤め先の大学病院から青酸カリを盗み出して先生を殺害。そんな彼女と娘(14歳)のアパートは、工藤の住む河原の近くでした。
今回の事件を学園は超法的に処理。村上は口外しない事を条件に放免。
高畑先生の遺族には、真実は何も知らせず学園内の事故で亡くなったとして、多額の死亡退職金を支給。もっとも先生の遺族は、10年来顔を合わせていない仲の悪い妹だけだったようです。
そして、工藤ことクックパッドは学園内の絶海の孤島、
脱出不可能な不落の刑務所アルカドーナツに収監されました。
「工藤はどうして村上さんを、庇ったのでしょうね。」 咲久羅
「さあ、彼のようなクレイジーな男の考えなど、誰にも分かりませんわ。
それに興味もございません。」 理子
それから数日後。校門を破ろうと進軍する不良学生の群れ。
その前にはショートカットに冷たい瞳の少女と、
サマワ、アフガンに外人部隊として参戦して来ましたと言わんばかりの風貌の、百瀬似の執事のただ2人が立ち塞がるのみでした。
この少女こそ、中2にして4000年の伝統を持つ中国殺人拳法、
北東神拳の唯一の伝承者。
学園は、また新たな波乱の予感に震えます。
「にょろん。」 冷たい瞳の少女