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藤凰院理子と奇妙な学園  作者: 石表
30/39

30 悪魔の契約と織田姫子3

 古い洋館、その一番奥の部屋。丸い黒檀の机に置かれた紙に、一人の少女がガチョウの羽根のペンで何かを書いていました。


「他の子たちはお金持ちだけど、うちは普通の家だから、


 学資と生活費以外の諸々の費用は自分で何とかしなきゃ…です。」 明日葉


 そこは学園のクラブハウスエリアの隅、次々と最新式のクラブハウスが建造される中、築100年を経過してどこのクラブも利用しなくなった洋館。霊峰山明日葉は、その奥の一室を無償で借りてお店を開いたのでした。

 店の準備が整った頃、一人の客が現れました。彼が洋館の扉を開けると、玄関ホールの隅に黒い服を着て、皺を寄せた眉間に人差し指を当てる男がいたのでした。


「古畑任○郎!?」 客


「う……ん、違いますね~。


 私は霊峰山明日葉さまの執事、新畑心三郎あらはた しんざぶろうです。


 お嬢様がお待ちです。中へどうぞ。」 新畑



 奥へと案内される客。


「子供の頃から霊が見えて寄って来られる、それが悩みなのですね。


 見えなくすることはできますが……、対価が必要です。」 明日葉


「まさか魂…」 客


「5000万円です。35年分割払いも可…ですよ。」 明日葉


「即物的!? しかも頑張れば払えそうな額!


 分かりました、霊を見ずに済むのなら…」 客


「では、契約書にサインを。」 明日葉



客がサインをすると、香の煙をふーっと客に吹きかけるアスハさま。


「…れ、霊が見えなくなった…!?


 けど、ぎゃ~~~っ、俺が死んでる!? 死んでる俺が見える!


 しかも、どうして死んだのかは分からない! ど~なってるんだ!」 客


「貴方が富士山を見ていると思いなさい。


 そこでぐっと顔を横に向ける。


 すると富士山は見えなくなる。


 でも別の物が見える。そういうこと…です。」 明日葉



「ふざけるな~、こんな契約無効だ~!


 絶対日本の法律では通用しないぞ~!


 こんな紙、破いてやる~!や、破れないぞ~!?」 客


「日本の法律で通用しなくても、それは霊的に有効な契約…。


 …絶対に変えられません。」 明日葉


「くそ~、だったらお前を殺して~!


 な、なぜだ~!?手が動かないぞ~!?」 客


「私を殺せば、貴方は私にお金を払えない。


 だから、お金を払い終えるまでは貴方に私は殺せない。


 ちなみに分割の場合は、年5%の金利が付きます。」 明日葉


「そんなの見てないぞ~!


 あっ、契約書の裏の隅に、水色の文字でちっちゃく書いてある~!」 客



 客は洋館を出るとフラつきながら、街へと足を向けるのでした。しかし、なぜか大通りで刃物を持って暴れる男が。


「ここは秋○原か!?しまった、目が合った。こっちへ突進してくる~!」 客


男のアーミーナイフが客の胸に突き刺さる寸前、客はこんなことを考えたのでした。


(そうだ。今、胸ポケットには契約書が!


 この契約書がなければ死んでるところだったぜ!という展開か!?)


しかし、胸ポケットの中でナイフを華麗にひらりとよける契約書。



 洋館の中。明日葉が黒電話を回していました。


「一つだけ契約を逃れる方法がある…です。


 それは契約者が死ぬこと。つまり団信保険付きなのです。


 もしもし、保険会社さん?


 ええ、契約者様にご不幸がありまして。


 20%減? 仕方がないですね。


 では4000万円、口座に入金お願いします。(がちゃん。)


 ふうっ、世界征服の軍資金集めは大変…です。」 明日葉



 そのころ、関東一円で畑や道路、地下鉄の壁に直径20cm大の穴が空く事件が相次ぎました。


「あみぐるみ達が、徳川埋蔵金を見つけるのとどっちが早いでしょうね。」 明日葉


おしまい

お読み頂きありがとうございます。

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