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藤凰院理子と奇妙な学園  作者: 石表
27/39

27 黒魔術と霊峰山明日葉3

「またやってしまった……です。」


 少女はベッドから起き上がると、部屋に散らばったパンツを含む男物の衣類を黒いビニール袋に入れ、お気に入りのトラさんのぬいぐるみを頭に乗せると、他の寮生に見つからないうちにゴミ捨て場まで持って行くのでした。



 霊峰山(れいほうさん) 明日葉(あすは)


 父親はスーパー・レイホーの社長。日本ではレイホーは地方のみに展開するローカル・スーパーと思われがちですが、実は米国、および中国南部に100余りの店舗を展開し、今年ブラジルにも5店舗を出店。営業利益の70%を海外で稼ぐグローバル企業なのです。また、古物商としても世界的なネットワークを持ち、そちらの利益はレイホーの収益を上回ります。

 そんな彼女の父ですが、子供が自分の家が金持ちであると知るのは教育上望ましくないという理由で、夫婦そろって娘の前では普通の家庭を偽装。他の生徒のように学園まで自家用ジェットで通学するほどのお金が無いからと、彼女は学園の寮に入れられたのでした。(もちろん、娘と一緒に住んで庶民を偽装するのがしんどいという理由もあります。)



そんな彼女の日常とは…。


「学園の清掃をしているハズの湖大君と、


 連絡が取れなくなってもう1週間経つのよね。


 他の仕事も頼みたいんだけど、どうしようかしら。」 理子


「私の友達に人探しが得意な子がいるから……、


 頼んでみてもいいですよ。」 明日葉



 部屋に帰った完全インドア派の明日葉。趣味は読書、楽曲作成、DVD観賞、あみぐるみ。昨日、あみぐるみでグレーの月の輪うさぎを作ったばかりです。月の輪うさぎは、短く太い後ろ脚と細く小さい前足の立ち上がった姿で、胸に白い三日月のマークのあります。また、最近父親の知り合いの古書店で、黒魔術の書を見つけ、ちょっぴり習得。


「…大気に漂う雑霊よ。月の輪うさぎに宿りて、我が僕となれ……です。」


 月の輪うさぎのボタンの目が仄かに赤く光ります。


たたたたたたたた。


 明日葉に湖大探しを命じられたあみぐるみは、短い脚を動かす歩幅とは明らかに違う速度で爆進。女子寮を出てジャングルへと突入しました。ジャングルを爆走する月の輪うさぎ、枝に引っかかり毛糸1本を残して首が落ちそうになってもそのまま進みます。ジャングルの人食いうさぎが飛びかかると、突然頭が半分に割れる勢いで口が開き、毛糸で出来ているハズですのに、何か生物的な白い牙と赤い咥内がのぞきます。


ちゃっく、ちゃっく、ちゃっく。(何をしているかの描写は自主規制。)


 砂漠に突入し、雪だるまに会うもそのまま雪だるまを貫通。


「あれ?誰か珍しい子がいたみたいだけど・・・。」

↑体に大きな穴が空いても気付かない雪だるまC。


 雪だるま村で氷漬けになった湖大を見つけ、引きずりながら元来た道を戻るあみぐるみ。人里に戻るころには氷は下半分が削れて無くなっていますが、あまり深くは考えないで下さいませ☆

 ミッション・コンプリート。



 さて、冒頭の前日深夜。学園の女子寮に窃盗犯が忍び込みました。たまたま明日葉の寝室に入りこんだ窃盗犯。それに気付かずお休みの明日葉。そのとき寝室の百体近いあみぐるみ達の目が、仄かに赤く光るのでした。

 おしまい。

お読み頂きありがとうございます。

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