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藤凰院理子と奇妙な学園  作者: 石表
18/39

18 天才策士と藤凰院理子

その男は、理子の背後から銃を突き付け、やや高いスカした声で言いました。


「残念だよ。キミとのゲームがこんなにもあっけなく終わってしまうなんて。


 キミは一か月前、私がキミと一緒に殺されそうになった時に、


 私が敵かもしれないという可能性を計算から外してしまったのだろう。



 だが、あれもキミを信用させるための私の策だとしたら?


 そして、キミはあの三流ハッカーにこの街の監視カメラをハッキングさせて、


 この街の情報を掌握したつもりだったかもしれないが、


 キミ達の見ていた映像が私の用意したものだったとしたら?



 この野外劇場を含む公園の警備員は私が買収し、


 今頃は出入り口を封鎖して誰も入れないようになっている。


 キミが助かる可能性は0だ。」 背後の男



「くす。あなたの敗因は醤油を忘れていたことよ。」 理子


「何のことだ。」 背後の男


「例えば、あの道をカメラを持った観光客が歩いて来るとしたら?」 理子


理子の指した方から、カメラを持った観光客が歩いて来る。


「あるいは、あの通りを懐中電灯を持った警備員が通り過ぎるとしたら?」 理子


懐中電灯を持った警備員が通り過ぎる。


「どういうことだ。何をやっている。」 背後の男



「もしくは、あっちを赤いメイド服の少女が、


 縄跳びで二重跳びをしながら走り去るとしたら?」 理子


赤いメイド服の少女が、縄跳びで二重跳びをしながら走り去る。


「ど、どう考えてもおかしい。何が起きているんだ。」 背後の男


「あなたがさっき言ったことは、


 全部すべてまるっとスリっとゴリッとエブリシング間違っているわ。」 理子



「彼は三流のハッカーではなく、一流の俳優よ。


 そして私がハッキングしたのは、この街の監視カメラなんかじゃないわ。


 私がハッキングしたのはこの街の全て。


 この街に住む69万の市民は全て私のシナリオ通りに演じる役者よ。」理子


野外劇場を取り囲む69万の市民。崩れ落ちる背後の男。



「バカな!そんな事があるハズがない。そんな、そんな・・・。」 地面に転がる背後の男


「だからどんな些細な事でも、私のシナリオに無いことをすれば、


 私の知るところとなるわ。私の前で、買収なんてナンセンスね。


 私の力を忘れたの?」 理子


「・・・大富豪(ビリオネアー)。」 背後の男


「最小の労力で最大の成果を上げる戦術?


 あなた、子供じみたヒーローものの見過ぎじゃない?


 効率なんてどうでもいいのよ、物量で押し潰せば。


 戦術が戦略を覆す事はないわ。


 そして戦略とは・・・金よ!」 理子



「で、では、これまでの事は全て演技だったと・・・。」 背後の男


「女は女優・・・。刺身には・・・・・・?」 理子


「しょ、しょうゆ・・・・・・!?


 はっ、あああっ!?


 あ、有り得ない!


 この私がそんなくだらないダジャレに引っ掛かるなど・・・。」 背後の男


「そのスカした声を聞いた時からあなたの事なんか、


 全然全く信用したりはしていなかったわ。


 つまらないわね。相手の弱いゲームはあっけなく終わってしまって。」 理子

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