14 大天使と天御堂咲久羅2
「・・・八瑠佳ちゃんとは、そんな頃からの縁だったんですねぇ~。」 理子
「咲久羅は何か、面白いネタは持ってないのか?」 榛名
「わたしはですねぇ~、
前に核ミサイルを撃ち込まれた事があるんですよぉ~。」 咲久羅
数か月前の事。
私は金田雅子。ああっ、片瀬怜治さま。
あのステキな笑顔、優しい瞳、お医者様としての明晰な頭脳。
あなたは私の執事になるべきだったのです。
それを、あの咲久羅め~~~!!
「雅子お嬢様、ターゲットがポイントに到着しました。」 雅子の部下
「あなたはこの世から消えてなくなるべきなのよ!!!
人を呪えども穴一つ。地獄に落ちるのはあなただけ。ポチっとな。」 雅子
「雅子さ~ん、どこ~。
誰にも内緒の話だから執事も連れてこないでって、
こんな周囲100kmも人気のない荒野に呼び出して、
いったい何のお話でしょう?
あら、あれは?」 咲久羅
きら~ん。
ひゅ~~~ん。
ちゅど~~~~~~~ん。
「お嬢様、ターゲット消滅しました。」 雅子の部下
「おーほっほっほっ。悪は滅びたわ!」 雅子
ぷーっ、ぷーっ、ぷーっ。
「あら、何の音?」 雅子
「大変です。2号機が誤作動!
コントロール間に合いません!爆発します!
非常脱出口へ!
なに~~~ぃ、非常脱出口が開かない~~~ぃ!?」 雅子の部下
ちゅど~~~~~~~ん。
1泊400万円のラスベガス一高いお部屋。
「びっくりしましたよぉ~~~。
何でも誤発射だったらしいのですが、
ミサイルが飛んでくると思ったら足元が崩れて。
地盤が緩んでいたようで、突然地下水脈に墜ちちゃったんですよ。
でも、そのおかげで無事だったんですけど。
何でもそこは昔、鉛の大量不法投棄があったとかで、
それがたまたま放射能も防いでくれたんで、被爆もなしです。
地下にはヒカリゴケか何かが生えていて、 暗くはなかったんです。
ぐるぐる回されながら幻想的な風景のところを流されて、
なんだか遊園地のアトラクションみたいでした。
そのときはよく分からなかったんですが、流れが速かったみたいで、
あっという間にそこから300km離れた山脈1つ向こうの街に辿りついたんです。
しかも、ちょうど私が滞在していたホテルがあって、
そこのお池に流れ着いたんですよ。
ホテルの人や使用人達は、私が池に落ちたって大騒ぎでした。
そういえば、そのとき会う事になっていたお友達。
別のところ事故で亡くなっていたとか。とても残念です。
ひょっとすると私が助かったのは、
その子が守ってくれたのかもしれませんね。」 咲久羅(←超幸運体質☆)
そのころ、日本では。
「またこのボロアパートに戻って来たッス。
明日からまた日当3000円の土方ッス。」 信悟
「お帰りなさい。」 八瑠佳(←押し掛け居候1)
「はーーーっ、何でいるッス!?」 信悟
「だって、他に行くとこ無いんだもの。
ムリに追い出そうとすると、叫びますよ!?」 八瑠佳
「ちゅ、中学生のくせに悪魔ッス。
絶対、地球外生命体が取り憑いてるッス。」 信悟
「失礼な。それより、お友達と言う方がいらっしゃったので、
上げておきましたよ。」 八瑠佳
「ぶわはははははは、ぶわは、ぶわは、
ほとぼりが冷めるまで、ちょ~~~とかくまってもらうぜ、
よ~~~そ~~~ろ~~~。」 クックパッド(←押し掛け居候2)
「うわ~~~っ、いつからいたッス~~~。」 信悟(←ちょっぴり不幸体質)
「いつからも何も、これだけ狭い部屋で、
入ってきた時に分かったでしょうに。
そんなに私がいたのが、ショッキングでしたか?」 八瑠佳