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夢で逢えたら

作者: ことみ

私、坂井 夕菜。好きなひとがいる、現在16歳の女子高生。お相手は、同じクラスの 巽 晴翔(たつみ はると)君。同じクラスなのに、声をかける勇気がない。友達の 未夏(みか)は、


「晴翔くん、今ならフリーだよ!告白チャンスなんだよっ、今を逃したら、他の子にとられちゃうよ!」


とエールを送ってくれる。それができたら、とうの昔に告白してる!背が高く、端正な顔立ちで勉強ができ、性格もよくみんなから愛される彼。そんな彼を見つめているのが幸せだった。そんなある日のこと夢を見た。


「坂井。オレ、お前のことが、ずっと好きだったんだ。はじめてお前をみた、その時からずっと。・・・オレと、つきあってください」

「!巽君、わ、私も巽君のことが好きなのっ・・・・・!!」

「そうか!オレたち、両想いだったんだな。嬉しいよ。夕菜って、よんでもいいか?」

「巽君・・・」

「晴翔でいいって。つきあうことになったんだからな、そ、そうだろ?」

「うん。そうだね、晴翔」


・・・これが、私の夢の中じゃなかったら、どんなに幸せだろうか。学校では、アイドルの晴翔君に声すらかけられないのに。夢で彼は、熱く私に告白。私もふたつ返事で承諾。まさに、夢の光景。このまま、夢の中で終わり、坂井君に私の思いは伝わらない。この淡い恋心は、いつか封印してしまおう。回想を思い出しつつ、教室をでようと席を立ったそのとき。


「坂井!いま帰りか?」

「うん、そうだよ。巽君も?」

「ああ。よかったら、一緒に帰らないか?――話があるんだ」

「!い、いいよ。まって、すぐに用意するから」


ばたばたと用意をし、巽君の横にならんでふたりで歩き出す。私がやや遅れて歩くのがわかったのか、わずかに歩調を緩めてくれた。そして、誰もいない学校の庭へ。外にはきれいな夕焼け、もう太陽がしずもうとしているとき。極めつけは、巽君の切なそうな顔。心臓がどくん、と高鳴った。


「聞いてほしい話があるんだ。すぐすむから、聞いてほしい」

「うん・・・なあに?」

「オレ、ずっと夢でお前のこと、みてた。いつも告白して、坂井がうけてくれて、そこで終わりだった。でも、もういやなんだ。現実で、お前とつきあいたいんだ!坂井 夕菜さん、オレとつきあってください」


これは、夢?それとも、現実?また、夢だったら・・・?そう思う心が伝わったのか、手をひかれ抱きすくめられた。


「夢なんかじゃない。オレは、ずっと坂井が好きだったんだ。返事を、くれないか?」

「私でよかったら・・・喜んで。夢が現実になったんだね、すっごく嬉しいよ」

「へへっ、オレもだ。これからは、名前でよぶからな、夕菜」


今までは、夢だった。でも、これからは、現実で彼とつきあえる。それがすごく嬉しいと思えた。夢で逢えたから、想いが伝わったのかな?これからは、夢じゃなくて、現実で想いを(つづ)っていこう・・・。

高校生恋愛短編ものです。感想とか聞きたいです。

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