7.ベガス帝国の侵攻
「陛下からのお達しで、隣国のヴィクスを攻撃することになった。副団長は何か感慨深いものとかあるか?」
「そうですね。元凶はおそらくフィゴール伯爵でしょうね。思惑通りに事が進んだとすると、伯爵の政策が上手くいかなかったのでしょう」
「ああ、それでヴィクス王国からベガス帝国へと流入する難民が増えてなぁ。亡命依頼も多数あると聞く。陛下が重い腰を上げたというわけだ」
重そうだ。
面倒だなぁ。傀儡にして現・国王を操るつもりなら本気で政をしなければ国は衰退するでしょうね。
まさかの『贅沢をしたいから』などという理由で、国を奪ったわけではないでしょう?何かしたいことがあったのでしょう。
贅沢がしたかったのは伯爵令嬢のルーラル様でしょうね。
見るからに頭悪そうな王子でしたが、本当に愚かな王子ですね。それにつけこむルーラル様もなかなかの悪女ですけれども。
「フィゴール伯爵邸と王宮を中心に攻撃をして下さると助かります。罪のない国民を巻き込むのは気が咎めますから」
「了解!他にはあるか?」
「現国王がエリオット陛下の場合、前の国王の暗殺容疑がかかります。よって、捕獲を。捕獲対象はフィゴール伯爵とその娘、ルーラル令嬢。この3人に暗殺容疑があります。また、王国の治安を乱した罪もあります。よって捕獲し何らかの処罰を与えるべきかと思います」
権力を欲して、その権力に潰されるのか…。身を弁えないために起こったことだな。
今のところ、ヴィクス王国は見た目平穏にしている。内部は滅茶苦茶だが……。
「では、副団長の指示で動くこととしよう。攻め込むのは未明から。各自は未明の突撃に備えて眠っておくように!」
私に丸投げですか?
陛下だって大変でしょうね。
ヴィクス王国からの難民に罪人とか前科者が混ざっていることもあるでしょうし、流入してくる貴族だって、帝国での爵位をどうするかとか?
変なプライド高い貴族だったら降爵は嫌がるでしょうし、でも他国へ行くわけですから当然の処置ですけど。
他国から来た貴族が今までずっと忠誠を誓ってきた貴族と同じテーブルにつけるのか?という話ですよね?……無理でしょう。少し考えればわかるのに、変なプライドを発揮させて。
そういう時は「うち(ベガス帝国)としては、貴方を受け入れないということもできるのですが?」とか強気に出ることもできるのですが、陛下は人がいいから悩まれて。私ならバッサリと切ってしまう。「我が国は特に貴方を必要としているわけではありませんから、いなくてもやっていけますし?」くらい言ってしまう。
貴族の私兵が減り、王国軍もたいして脅威ではないヴィクス王国はあっという間に制圧が完了した。
ヴィクス軍の敗因は貴族が減ったこともそうだが、王国軍の兵すらも満足な食事ができていなかったようで、戦いにもならなかったことだろう。
帝国の勝因すごいなぁ。っていうか王国軍やばいよ。食事もろくに出来てない兵士は戦力外じゃない?