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第九十二話 ヒカルのほしばなし

「えー、どうもヒカルでーす。今日はね、ぼくがひとりでしゃべります」


ヒカリ荘のリビングにマイク(っぽい水筒)を持ち込んだヒカルが、急に立ち上がった。


「ちょっと聞いてくださいよ皆さん。ぼくら、星なんですよ、星! そこは事実ですけども」


「自覚あったんだ」とルナがぼそり。


「でもね、星ってなんとなくロマンチックな存在に思われてるじゃないですか。『願いをかける』とか! あれ、毎晩のプレッシャーすごいからね! “今日は何個お願いされるかな…”って!」


「たしかに重そうだな」とサンが笑う。


「あと『星って燃えてるんでしょ?』って聞かれますけど、燃えてませんから! 核融合ですから! ちゃんと理科の授業受けてぇ!」


トキオが吹き出した。


「おまえ、もう少し夢を残してあげなさいよ」


「じゃあ夢っぽく言いましょう。えー、星は“遠く離れたガスの情熱”でできています♡」


「言い方〜〜!!」


「あとね、たまに言われるのが、『星って、なんか寂しそうだよね』って」


ミラが手を挙げた。


「それ、言われたことある!」


「でしょ!? でも違うんだよ。ぼくら、孤独じゃない。みんな空にいるし、地球から見えてるし、むしろ“見守り芸”だから!」


「アイドルかな?」とルナがつぶやく。


「だからこれからはね、お願いじゃなくて“感謝”をしてほしい」


ヒカルはマイクを握りしめて、力強く言った。


「『いつも夜をありがとう!』って!」


「お前、それを本人(夜)に言えよ!」とトキオ。


「……というわけで、ヒカルの“ほしばなし”でした! またねー!」


パチパチパチ……と、どこからともなく拍手が起きた。


その夜、ヒカリ荘はちょっとだけ笑い星が多めだった。

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