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第八十三話 テンション差ありすぎ注意報

朝。ヒカリ荘。


「おっはよーっしゃあーっ!! 今日も最高の太陽出ましたーっ!!!」


ドアをバーンと開けて、サンが全力の笑顔で登場。


「今日も光合成していこうぜ〜っ!!」


そこへ静かに現れたのはルナ。


「……まだ5時。騒音で通報されるわよ」


「え、だって今日いい天気じゃん! 天気予報100点満点だよ!?」


「気圧は安定してるけど、あなたのテンションは低気圧には向いてない」


「ルナってさ、テンション低いと空気まで冷えるんだよね〜」


「太陽がうるさいと、夜が恋しくなるの」


そこへ星三兄弟がのそのそと現れる。


「まだ寝てた……」「夢の中にミラが2人出てきた……」「それオレだよ」


「なにが起きてんの?」とトキオがあくび交じりに聞くと、


「サンのテンションが異常事態」とルナ。


「え〜? せっかくの快晴なのにぃ?」


ミラが窓の外を見ながらぼそり。


「……晴れすぎてちょっと怖い」


トキオも同意。


「サンが元気すぎると、逆に台風が来そうに見えるよな」


「えっ、なんで!? オレ、空気読んでるよね!?」


「読めてないどころか、空気ぶっ飛ばしてるよ」とヒカル。


そのとき、雲がふよ〜っと登場。


「なんか、外で騒いでるって聞いて来たんだけど」


「サンが暴れてます」


「やっぱり〜〜!!」


続いて風も通り抜けながら登場。


「みんな騒いでると、風もざわざわしちゃうよ〜!」


「お願いだから静かにしてくれ」とルナが深いため息をついたそのとき――


バリバリバリィィィン!!


「Yo! 雷のドロップビートで天気予報を破壊するッ!!」


雷が派手に登場。地面にまでエコーが響く。


「やめろってー!! 空、鳴るなってー!!」


「今日は静かに……静かに過ごしたかった……」とルナが崩れ落ちる。


その横でサンが叫んだ。


「よーし、次は焼きそば焼くぞーっ!!」


「なんで……朝から焼きそば……?」


星三兄弟がそろって遠い目をした。


「テンションの気圧差、大気に悪影響出るレベル」


ヒカリ荘の空は今日も賑やかで――

そして、静寂とは無縁だった。

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