表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/151

第八十一話 モクのダジャレ大作戦

ある昼下がりのヒカリ荘。


リビングには、でーんと横たわる巨体の男がいた。


「モク、久しぶり〜!」

ミラが駆け寄ると、木星──通称モクが、ゆるりと手を上げた。


「よぉ〜……引力で引き寄せられちまったわ〜……ヒカリ荘、落ち着くからなぁ〜……」


その声と間の長さに、全員が妙に静かになる。


「……それ、ダジャレ?」とヒカル。


「引力だけに、引き寄せられたって……」

トキオが目を伏せる。


「ごめん、誰か笑ってくれないと……オレ、木星圏までへこむ……」


そんな中、サンが立ち上がった。


「モク! ダジャレは勢いと回数だ!

オレがサポートするぞ、太陽系最強の“ホット”コンビになるんだ!!」


「それって……灼熱地獄じゃね?」とルナ。


勢いだけはやたらある2人が、即席コンビでダジャレ大会を開催し始めた。


「ヒカリ荘だけに、ピカリッと光るネタを!」

「サンさん、それ、ピカリ荘の話まだ引っ張る!?」


「今日の天気は晴れ時々ボケ! 降水確率100%でスベるぞ〜!」

「いやほんとに滑ってる……!」


苦笑いが絶えない中、ついにルナが止めに入る。


「もう……私が“月面着陸”してやるわよ」

そう言って、ぬるりと着地ポーズを決める。


「おおっ! それナイスツッコミ!」

サンとモクが拍手を送った。


「っていうか、ルナさんがツッコミするの超レアじゃん」とヒカルが呆れて笑う。


「星の並びも変わるのよ、気分次第で」


爆笑とはいえない。

でも、ヒカリ荘らしい笑いの午後だった。


それはまるで、雲の合間にこぼれる太陽光みたいに、ぽかぽかしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ