表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/151

第七十七話 消滅通知、届く

朝のヒカリ荘。いつものように、のんびりした空気が流れていた。


「サン、お便り来てるよー。なんか“重要”って書いてある」

星三兄弟のヒカルがポストから取り出した一通の封筒を、のそっと太陽に手渡した。


「ルナ~、お願い」

太陽はぐでっとソファに沈み込み、封筒をルナにパス。


「たまには自分でみてよ……」とルナはぼやきつつも、封を開ける。


そのとき、床に落ちたもう一枚の紙。チラシのようなそれには、大きくこう書かれていた。


『あなたの住まい、消える前に備えを!』


「……まさか」

ルナがざわついた。

手元の封筒にあった通知にも、確かにこうある。


『老朽化により、当建築物は○月○日より修繕工事のため立ち入り制限が実施されます。』


ルナは黙って皆を見渡した。


「……ヒカリ荘、取り壊しかもしれない」


場が凍った。


「えっっっ!!?」

「ま、まさか……ここが……?」

「オレたち、どうなるの!?」


パニックは一瞬で広がった。


「引っ越しってこと!? 次の家どうする!?」

「ヒカリ荘じゃなきゃヤダ〜!」

「お別れ会やる!?」「記念写真とか!?」「ここでの最後の夜!?」


ヒカリ荘は大騒ぎに。


「俺、昨日夢でヒカリ荘崩れたんだよね~」と太陽がのんきに言えば、

「まじか! 正夢かも!!」と誰かが声を上げた。


ルナは静かに窓辺に立ち、空を見上げた。


「……終わりは、いつだって突然なんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ