第四十四話 星が瞬く理由、知ってる?
ヒカリ荘の夜。星がきらきらと瞬いている。
「なあ、星って、なんであんなにパチパチ光ってるんだ?」
サンが縁側で空を見上げながらつぶやいた。
「おっ、それはいい質問だね」と、ヒカルがすかさず反応する。
「“星が瞬く”のはね、実は……地球のせいなんだよ」
「え、また地球のせい?」
トキオが眉をひそめると、ヒカルはホワイトボードを持ち出してきた。
「地球の大気はね、温度や気圧の違いで常に揺れてる。これが“屈折”ってやつを起こして、星の光が揺れ動いて見えるのさ」
ルナがうなずく。
「水面に映る月が揺らめくのと、ちょっと似てるわね」
「そうそう!」とヒカルが食いつく。
「だから宇宙から見ると、星は全然瞬いてないんだよ。ピカーンって一定の光。瞬いてるのは、地上から見てるから!」
ミラが星を見ながらぽつり。
「じゃあ、星はほんとはずっと静かに輝いてるんだね。揺れてるのは……私たちの世界かあ」
「詩的なまとめ入りました~」と、サンが拍手。
「てことは、俺の筋肉が光って見えるのも空気のせいか?」
「それはただの自己主張だ」と、全員が即ツッコミを入れた。
その夜のヒカリ荘には、ちょっとだけ賢くなった気分と、いつもの笑い声が満ちていた。




