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第百四十二話 筋肉と光年のあいだで

「なあ! この宇宙で一番重いの、持ち上げたことあるか!?」


いきなり全力で叫んだのは、ギンガ荘の筋肉系住人・リゲル。

その声量に、ヒカリ荘メンバーは思わず耳を押さえる。


「でっけえ声ぇぇ!」


「まさか銀河スケールで筋トレしてる奴がいたとは……」


「ってか、何を持ち上げたの?」


サンが興味津々に前のめりになると、リゲルは自信満々に親指を立てた。


「“重力そのもの”だッ!!」


「出たよ、物理系ポエム筋肉!!」


トキオの鋭いツッコミが炸裂するが、リゲルはまったく気にしていない。

むしろ誇らしげに上腕二頭筋をパンッと叩いてみせる。


「星ってのはな! 自分の重力で自分を潰さないようにバランス取ってんだ!

 つまり、筋トレだッ!!」


「いやいや、星全体でバランスとるのはわかるけど、なんでそれを個人の筋肉に変換すんのよ……!」


ルナが紅茶を啜りながら小さくため息をつく。

しかし、ミラだけはキラキラした目で見つめていた。


「すごい……筋肉で恒星を語るなんて、はじめて……」


「だろ? 感性が爆発してんだろ?」


「いや、情報量も爆発してるから!」


サンはすっかり意気投合し、二人で“星間ベンチプレス”の真似を始める。

“ブラックホール級ダンベル”とか、“光年ランニング”とか、もう完全に宇宙筋肉ギャグ大会である。


「見よ、この太陽腕!」


「いや俺のリゲル筋も負けてねぇ!」


「なんだその単語は!」


「あ、じゃあ私も“ルナ・スクワット”で応戦します」


「月も巻き込まれたー!」


その横でトキオは、懸命にツッコミを続けながら、どこか楽しそうだった。

きっと、この宇宙で一番うるさくて、一番熱い日が、今日だったのだ。


「筋肉は裏切らない! だけど筋肉痛は、容赦しない!」


「名言か迷言か、もはや紙一重!」


最後は皆で腕立て競争。

星たちの重力を越えて、笑い声が銀河に響いた。

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