第百二十七話『推理は星の数だけ』
「よし、捜査本部を生徒会室に設けよう!」
てんびん座のてんが、キリリと眉を上げて宣言した。
レオン(しし座)は張り切ってホワイトボードを引っ張り出し、キャプリ(やぎ座)は即座にマイクを握る。
「おはようございます、星座学園放送部です!ただいまより緊急特番“モニュメント消失事件の真相に迫る”をお届けします!」
「キャプリ、お前は黙って記録だけしとけ」とトキオ先生が苦笑い。
──さて、捜査メンバーは以下のとおり。
・てんびん座のてん(分析担当)
・ペガサス座のペガ&さそり座のスコル(聞き込み担当)
・うお座のリーナ&うらら(直感担当)
・おとめ座のビリナ(記録と文献調査)
・キャプリ(やじうま)
「なあ、なんでオレとコイツがペアなんだよ……」とペガ。
「命令だ。しかもオレの方が先輩だ」とスコル。
凸凹コンビは図書室、体育倉庫、保健室の聞き込みに飛び回るが、どこも有力な情報は出ない。
一方、うお座コンビは「ここ、怪しい」と言って、ただ芝生に寝そべっている。
「風の流れがさっきと違う気がするの」「お星さまが何か言ってる気がする」──なんの進展もない。
唯一、まともな成果を挙げたのはビリナ。
古い校内記録を調べると、「モニュメントの素材は隕鉄である」ことが判明。
「隕鉄は強力な磁力を持つ……誰かが磁力系の道具で引き寄せたかも?」
「犯人は理科室関係者か?」とてんは推理を進める。
そして夕暮れ時、ペガとスコルが校庭の片隅でなにやら不自然な地面の盛り上がりを発見。
「掘った形跡がある……まさか……」
「いよいよ真相に迫ってきたかもな」
そのとき、トキオ先生が顔を出す。
「おーい、おまえら、あんまり掘るなー。ここの下、保健室の倉庫に繋がってるぞー!」
保健室の倉庫!?
そこは……ミラ先生の聖域──。
次回、「真実は星の向こうに」
驚愕の展開、そして犯人は……まさかのあの人物!?




