第百十七話 オリオンのトレーニング計画
星座学園ヒカリ校、朝のグラウンド。
「よっしゃー! 今日も筋肉と友達になるぞーッ!!」
叫ぶのは運動部のエース、オリオン。星座界随一の熱血男子だ。
「見てくれ! この筋肉で、学園記録を塗り替える!」
バーベルを肩に担ぎ、ハイテンションで走り出すその姿に、教師のサンは感動の涙。
「オリオン……お前、今日も眩しいぜ……!」
そこへふらりと現れたのは生活指導のトキオ。
「オリオン……それ校内でやっちゃダメなやつだよ。バーベル担いで校舎走るのは普通に危ないからね?」
「え!? でもサン先生が『己の限界を超えろ!』って……!」
「超える場所と方法を間違ってるよ!」
* * *
そんな中、ルナ先生がぽつりとつぶやく。
「オリオン座は、冬の代表的な星座。神話では最強の狩人だったんだよ。強さを誇る姿は、まさにオリオンそのもの……」
「ルナ先生もオレの筋肉認めてくれたー!!」とオリオン、ガッツポーズ。
「筋肉というより、君の生き様をね」と返すルナ。
* * *
放課後。
オリオンは体育倉庫で新たなトレーニングメニューを考えていた。
「筋トレ、ランニング、縄跳び、素振り……いや、星の道を行くにはもっと何かが足りない!」
そこへサンが現れ、肩を叩く。
「足りないのは……そう、**友情だ**!」
「先生っ……!!」
その後、筋トレに友情要素を加えた“連携筋肉訓練”が始まり、学園中が筋肉痛に包まれたという――
誰もオリオンの熱量を止められない。




