第百十四話 ようこそ星座学園ヒカリ校へ(前編)
――ここは空に輝く星座たちが通う、ちょっと不思議な学園。
校長室では、ヒカル校長が教員たちを前に語っていた。
「新年度だね。生徒たちの個性がもっと伝わるよう、紹介の機会をつくりたいと思うんだ」
「紹介って、あの子たちを一列に並べて特徴を言う感じ?」とルナ。
「いやいや、もっとドラマチックにだ!」とサンが叫ぶ。「筋肉で紹介するか!」
「落ち着け」とトキオがスリッパでサンを静止した。「まあ、生徒に一言ずつもらうのはアリかもな」
そんなわけで、星座学園ヒカリ校――校内放送が始まる。
* * *
《校内放送室》
「マイク、チェックワンツー……こんにちはー!やぎ座のキャプリです。今日は僕が、星座たちの紹介をお届けします!」
◾ペガサス座(略称:ペガ)・男
風紀委員なのに自由人。今日もマントがなびいてる!風が味方してるよね、あの人。
◾てんびん座(略称:てん)・女
生徒会長。公平で冷静。だけど意外と優しさに負けがち。レオンくんとよくぶつかってる。
◾うお座(略称:リーナ&うらら)・女・女
詩人姉妹のふわふわ天然。現れては消える。校内の神出鬼没記録第1位!
◾うしかい座(略称:ボウ)・男
保健室常連。もはや住んでる。たまに起きてるけど、眠そうなままテスト満点取ったりする。謎。
◾オリオン座(略称:オリオン)・男
運動部のエース。筋肉と友情の申し子。校庭でサン先生と叫んでる率No.1!
「以上!次回はまた別の生徒たちを紹介していきます!以上、放送委員キャプリでした~!」
* * *
「……うん、いい放送だったね」とヒカルが目を細めた。
「ちょっと偏りなかったか?」とトキオがぼやいた。
「元気があってよかったと思うぞ!」とサンが肩を組みにくる。
そして今日も、星座たちは自由に輝いていた――。




