第百八話『星座学園ヒカリ校開校!』
これは──もうひとつの空の物語。
ここは「星座学園ヒカリ校」。
空に輝く88の星座たちが、“生徒”として通う不思議な学園である。
宇宙に広がる無数の光たちが、毎日笑い、学び、ときどきぶつかりあう。
それは、ヒカリ荘の世界とは違う、もうひとつの“空の青春”。
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朝のチャイムとともに、ドアが勢いよく開いた。
「うぃーっす! 今日も天馬のごとく駆けてきたぜ~!」
教室に飛び込んだのは、風紀委員のペガサス座。
キラリと光るマントをひるがえし、まぶしい笑顔で登場。
「ペガサス、校門は跳び越えないでって何度言えば……」
生徒会長のてんびん座が眉をひそめるが、口調は優しい。
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「みなさん、おはようございます」
ふわふわした声が響いたのは、うお座の双子、リーナとうらら。
「途中で水たまりに話しかけられて、遅れました……」
「でも星の光は道案内してくれたよね……」
癒し系の二人は、今日もマイペース。
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「……おはよー。起きたら昼だった」
保健室の布団から顔だけ出したのは、うしかい座のボウ。
寝ぼけたまま授業に参加しているらしい。
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教室の奥で、教師陣がそろって見守っていた。
体育担当のサン先生が吠える。
「もっと元気にいこうぜ、星ってのは燃えてナンボだろ!」
「静かに。黒板、焦げるから」
国語教師のルナ先生がつぶやく。
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生活指導のトキオ先生が、ため息混じりにボードを掲げた。
**『今日の標語:自分の軌道を見つけよう』**
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これは“星そのもの”たちによる、
輝きときらめきに満ちた、もうひとつの世界の物語。
──『星座学園ヒカリ校』、いま、開校。




