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ネオス・パンゲア怪異ファイル 〜平凡な能力者、怪異と悪意をド根性と友情パワーでぶっ飛ばす〜  作者: 芦田メガネ
第1章 アジア編

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上陸

「まず、上陸した後は住民に再度聞き込みを行う。ロック鳥やジャングルになにか異変がなかったか徹底的に探るぞ。聞き込み後はジャングルを探索しながらロック鳥の巣を目指す」


 そう言うと、ウォルターさんは地図を開いて指さした。

「このジャングルを抜けた先に『マロモコトロ山』という、マダガスカルで1番高い山がある。過去の怪防隊の調査記録によると、この山のてっぺんにロック鳥の巣があるらしい。ここを目指すぞ」



 ま、また山か…。まぁ、エベレストよりかはマシか?資料によると、古くから鉱石や宝石が採掘されていた岩山とのこと。岩山とは行っても背丈の低い植物はそれなりに生えているようだ。だが、戦いにくいことは間違いないだろう。


「ロック鳥と交戦するとなったらどうします?下手に攻撃して殺しちまったら大変なことになりますよ」

「そうだな…。気絶させて無力化ってのが1番良いが、殺すより難しいからな。誰か、自信のある者は?」



 誰も手を挙げない。廻原は言わずもがな、冬美の毒は巨大な相手には加減が難しいし、真衣のエネルギー弾も気絶させられる程の威力があるかは怪しい。無論、俺も自分の力の限界を理解しているつもりだ。


「ま、そうなるよな。一応、君らの能力と実力は資料を通して確認済みだが、いかんせん殺傷力が高そうだしなぁ…」

「そうですね、申し訳ないです…」

「いや、別に良いんだ。いざと言う時に頼りになりそうだしな。一応、俺の能力も見せておこうか。君らが良い作戦を思いつくやもしれんしな」




 そう言うと、ウォルターさんはスっと立ち上がり体を揺すってほぐした。

「よーし、見てろよ見てろよ〜」


 ウォルターさんは靴を脱いだ後、グッと力むような表情を見せた。すると、ウォルターさんの耳がどんどんと頭の中に沈んで行ったではないか。耳が完全に吸収されたと思ったら、今度は頭のてっぺんから猫の耳が生えてきた。猫耳にだけうっすら毛が生えている。ハゲ頭に猫耳という奇妙な状況にただただ呆然とする。


 さらに、ほっぺたから細長い毛が数本生えてきた。猫のヒゲのようだ。そして、手首からも同じような毛が1本生えてきた。その手のひらにも変化が現れた。小豆色の肉球が出来上がったのだ。手そのものの形も心做しかクリームパンのような、いかにも猫らしい手の形に変わっている。



 次に変化が現れたのは足だった。足が細くなったかと思うと、どんどん長くなって行ったのだ。そして、指先と付け根の辺りに同じく肉球が現れた。さらに、二足歩行から四足歩行へと変わった。最後に、おしりの辺りから長いしっぽが生えてきた。猫耳と同じような白と黒の模様が入った毛色のしっぽだ。天に向かってピンと立っている。ここに、猫型ロボットならぬ猫型おじさんが誕生した。



「見ての通り、俺の超能力は『猫化』だミャウ。サイエネによって体の構造を作り替えて、猫とおニャじになるミャ。猫の言葉も完璧に理解できて、会話もできるし、他の種類の動物の言葉もなんとなく分かるようになるミャウよ。あとは、猫に出来ることはだいたい出来るようになるミャウ」

「す、すっげぇ」

「なんか、うん、なんか、すごいな」



 声は相変わらず渋いのに、語尾がアメリカの猫になっているというギャップで吹きそうになる。まぁ、この変な生き物のビジュだけで既に爆笑寸前なのだが、どうにか堪える。周りを見ると、女子2人は若干引いてるが、廻原はそっぽを向いて肩をプルプルと震わせている。



「ちなみに、これは猫80%ミャウ。度合いはある程度調整出来るミャウよ。100%になったら完全に猫になって、人語が話せなくなるミャウ。普段は60〜80%で戦うことが多いミャウね」

「な、なるほど…」



 一通り説明が終わったからなのか、ウォルターさんはだんだんと元の人間の姿に戻って行った。


「ま、ざっとこんなもんだ。上官だからって遠慮せず、必要ならばバンバン指示を出してくれよ。俺という道具を使いこなしてみミャ」

「ウォルターさん、猫が抜け切ってませんよ」

「おっと、たまにあるんだよミャ…」

「ちょッ、またッ、やめて…!」

「ブッ!!ギャハハハハハハ!」

「お、おい、廻原、笑うなッ…失礼だろ…ブーーーッ!ガハハハハハ!俺まで、つられて、ブッ!ハハハ!」

「HAHAHAHAHAHA!まぁ、そうなるよな!良い良い!おっさんが猫になってんだもんな!面白いもんな!HAHAHAHAHAHA!」


「男子って、いくつになってもノリって変わらないのかな?」

「そうなんじゃない?」




 ひとしきり男3人で大爆笑した後、軽く深呼吸をしてから会議に戻った。

「いや〜、すまんすまん。話を戻そうか。えーと…なんの話だったかな?」

「ロック鳥をどう無力化するかの話です」

「そう、それだ。まぁ、ロック鳥を無力化するタイミングってのが、調査中にばったり遭遇した時。まだ討伐すべきか分からない時だ。遭遇しないのがベストだが、可能性を視野に入れといた方が良いしな」

「うーん、しかし、難しいですね。殺さずに無力化なんて」

「イエティのときは、アタシの毒を少しずつぶち込んで、ギリギリの量で気絶させたッスけど、飛んでる相手にそれは出来ないッスよね」

「そうだな。流石に背中に乗ってたにしても、振り落とされるのは明白だな。それに、気絶させたとしても、自分までお陀仏になる可能性がある」



 俺たちはしばらく首を捻っていたが、なかなか名案は浮かばない。とりあえず、もう一度資料に目を通す。






────ロック鳥・ルフに関する調査報告書


1.概要


 ロック鳥・ルフは中東、及びインド洋地域の伝説に登場する巨大な鳥である。その姿は鷲と酷似したものとして描かれることが多い。ロック鳥の伝説として、『千一夜物語(アラビアンナイト)』で語られるシンドバッドの話が有名だが、正確な伝説の起源は明らかにされていない。しかし、マルコ・ポーロの『東方見聞録』によると、ロック鳥はマダガスカルに居るとされていたことから、17世紀に絶滅した巨大な鳥「エピオルニス」がモデルになったのではないかと考えられている。ただし、エピオルニスはダチョウのように飛べない鳥であった。


 ロック鳥の巨大さを語る逸話は多く残されている。その巨大さを端的に表すエピソードとして、ゾウやサイを餌として複数体を掴んで自身の巣へ運ぶというものがある。またシンドバッドの冒険の話では、シンドバッドがロック鳥の卵を巨大な建物だと見間違えるというエピソードも残っている。このことから生まれた時から規格外の大きさをしていることがわかる。


 さらに、同じ『千一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』ではランプの魔人を司る神として描かれている。つまりランプの魔人の上司にあたる存在でもあるということになる。単なる巨大な鳥ではなく神聖な存在であったことが伺える。


 また、ロック鳥は他の地域の伝説の生き物と同一視されることがある。例えば、アラブ人にとっては不死鳥フェニックス、インドではヴィシュヌ神の乗り物、ガルーダ、ペルシャの伝説に登場する巨鳥シームルグ。いずれも神聖視されている。



2.発見


 2269年、マダガスカルにて生態系の研究調査を行っていた環境省職員が巨大な鳥を目撃。職員の証言によると、その鳥は空を覆い尽くしそうな程大きく、その足でゾウやカバを複数頭掴んでいたという。現地住民の証言によれば数年前から現れたロック鳥であるとのこと。その後の調査でこの鳥の体長は約55m、翼長約110mであることがわかった。その後、この鳥をロック鳥・ルフと認定。人類に危害を加えていないことから保護観察が決定される。


 2276年、『特定神獣保護法』が制定。ロック鳥・ルフは他5体とともに最初の特定神獣に指定される。


 このロック鳥はメスであるという見方が強いものの、(つがい)となるオスや卵は現在まで発見されていない。引き続き観察や調査を進める必要がある──────







 どれだけ読み返しても、ロック鳥への対処法など全く書かれていない。それもそうだ。神話でもロック鳥を倒そうとする動きは全く無いし、現代でも倒すつもりなど全く無かったからだ。さて、どうしたものか。みんなで首を捻りながら、うーんうんと唸っていると、ウォルターさんがため息をついてから喋り始めた。


「うーん、仕方ない。考えるのはやめにしよう。これ以上考えたって机上の空論にしかならんしな!戦うことになったら、そのときに弱点を探せばいいさ」

「確かに、それもそうですね」

「うん!はい!辛気臭い顔をしない!もうすぐ着くんだから気合い入れて行くぞ!」



 しばらく、海底の景色をのんびりと楽しんでいると、再び艦長からのアナウンスが入った。

「本艦はまもなく浮上を開始する。総員、配置に戻り衝撃に備えよ」



 美しい海中の景色は次第にコンクリートの壁に変わって行った。おそらく、マダガスカルにある怪防隊の基地に到着したのだろう。

「ネッシー君、浮上開始!」



 ふわりとした浮遊感とともに潜水艦はゆっくりと浮上を開始した。程なくして、先程と似たようなドックに到着した。俺たちは乗組員の皆さんに挨拶をしてから基地を後にした。スマホを見ると時刻は午後3時過ぎ。意外と時間が経っていたことに気付いた。



「さて、日没までそんなに時間が無いな。今日は軽く聞き込みをしたら終わりにしよう」

「そうですね」

「うむ。じゃあ、6時頃に集合で。集合場所は追って連絡するよ。俺は1人で聞き込みに行くから、君らは適当に別れてやってくれ」

「ウォルターさんはどちらで聞き込みを?」

「んー、少なくとも君らとは被らん範囲でやるから、あんまり気にしなくて大丈夫だよ」

「そ、そうですか。わかりました」

「うん、じゃあまた後で」



 ウォルターさんはスタスタと市街地に向かって歩いて行った。

「さて、俺らも行きますかね」

「だな。どうしようか、俺とコースケ、マイちゃんとフユミちゃんのコンビで手分けしてやるか」

「そうですね。そうしましょうか」

「分かりました!行こ!真衣ちゃん!」

「おー、待て待て待て。ちゃんと管轄決めとかないと効率悪いだろ」

「あ、確かに」



 俺はすぐに地図アプリを開いた。マダガスカルは小惑星衝突後の地殻変動の影響でかつて存在した街の多くが崩壊したため、生き残った住民がこの港の周辺に街を作って、その1箇所に人口が集中している。だから、聞き込みの範囲はそこまで広くは無い。


「ええと、街の中心部に役所があるから、そこを堺にして東西で別れるか」

「それがいいですね」

「じゃあ、俺らは東側でいいかな?」

「いいですよ」

「おん、じゃあまた後で」







 

 というわけで聞き込みを開始した。まぁ、警察が事前にある程度捜査していたから、これといって新たな情報は出てこない。


「え、ロック鳥?そうねぇ…何日か前から激しくギャーギャー鳴いてたけどねぇ。まさかあんな事件起こすなんて信じられないわよ」


「あー、ルフね。珍しくブチ切れたよ。なにがあったか知らないけどさ、怖いよね」


「そうじゃのぉ…いつものように餌を沢山掴んで飛んできたと思ったら、ものすごい叫び声が聞こえてのぉ。そういえば、その少し前の真夜中に山から大きな車の音がしたのぉ。誰かがロック鳥の巣にイタズラでもしたのかもしれんなぁ」



 そして、こう主張する住民も多かった。


「私はロック鳥については詳しくないけどね、たまにここに来る学者さんなら詳しいんじゃない?ちょうど、定期調査のためにこの島に来てるから、聞いてみたら?」


「本当は昨日帰るつもりだったらしいんですけど、動物に詳しい学者さんがこの島のホテルに滞在してるんですよ。ほら、ロック鳥のせいで島から出れなくなっちゃったから。あそこに見える1番大きいホテルに居るはずなので、彼に聞いてみてはいかがです?」


「ええ、この島に今学者さんは居ますよ。確か、ナントカ、アンドリュースさんだったかな。いい人ですよ」




 どうやら、このマダガスカルの生態系などを調査している大学教授がこの島に取り残されているらしい。ならば、きっとロック鳥が事件を起こした理由や、ヤツの弱点も知っているかもしれない。


「じゃあ、ホテルに行ってみるか」

「だな。レッツらゴー!」








 ホテルに到着し、フロントに事情を説明したところ、ホテルマンはすぐに内線を繋いでくれた。少し喋った後、内線を切って彼は答えた。


「15分後に部屋に来て欲しいとのことです。できる限りの協力をすると仰っていました」

「ありがとうございます。助かります」

「いえいえ。アンドリュース様が滞在されてる部屋は713号室です」

「わかりました。お手数おかけして申し訳ない」





 しばらく、ホテルのロビーでコーヒーを飲みながら時間を潰し、約束の時間に部屋に赴いた。呼び鈴を鳴らすと、中から声がした。

「はいはい、どちら様?」

「先程ご連絡しました、怪防隊の者です」

「あー、ハイハイ。少々お待ちを」



 すぐに扉が開いて、中からアンドリュース氏と思われる男性が姿を現した。いかにも冒険家らしい服装をしていた。特徴的なフェドーラ帽を被り、革ジャンの下には少しはだけたグレーのシャツを身にまとい、逞しい胸筋が顔を覗かせている。そして、茶色いズボンの腰には鞘に収められたマチェットナイフと鞭がバッチリと備わっていた。一目見て学者だとわかる風貌はしていない。だが、その青い瞳と精悍な顔つきからは確かな知性と情熱を感じることができた。


「やぁやぁ、お待たせして申し訳ない」

「いえいえ、こちらこそ急に押しかけてしまって申し訳ありません。私は怪防隊の武縄公介と申します。よろしくお願いします」

「同じく、廻原巡です。よろしくお願いします」

「ご丁寧にどうも。僕はヘンリー・アンドリュース。スッポンプリン大学で生物学と怪異学を研究している。一応、冒険家でもある。よろしく頼む」



 スッポンプリン大学!大陸の中でもトップ10には入る超名門大学じゃないか!そんな凄い先生だとは知らなかった。急に緊張してきてしまった。ともかく、俺たちはガッチリと握手を交わすと、アンドリュース博士は部屋に上げてくれた。部屋は地図や写真や研究資料で溢れていたが、どうにかして人に見せられる程度には片付けてあった。きっと、俺たちが来ることになったから急ピッチで片付けたのだろう。なんだか申し訳ないことをした。椅子に腰をかけると、アンドリュース博士は早速本題に入った。


「さて、ロック鳥について聞きたいと言っていたな」

「はい。我々は今回の船舶襲撃事件の原因を探り、討伐するかどうか検討するために派遣されました。それで、万が一にでもロック鳥と交戦することがあれば、その弱点などを知っておく必要があるので、今回先生のもとに訪れた次第です。」

「なるほど。結論から言おう。残念ながらその期待には応えられそうにない」

「えっ?」

「僕は学者だ。戦闘員じゃない。だから当然ロック鳥と実際に戦ったことはないから、弱点なんてものがあるかなんてわからない」



 至極真っ当なご意見だ。しかし、こうもはっきり言われるとなかなかシンドいものがある。無駄足になってしまっただろうか。


「だが、全く知らないとも言いきれない」

「と、言いますと?」

「大型の怪異とはいえ、彼らも所詮は猛禽類だ。だから、猛禽類の弱点を突けば倒せる見込みはある。まぁ、ロック鳥は僕の研究対象の1つだから殺して欲しくはないけどな」

「なるほど。まぁ、我々も端からロック鳥を殺すつもりで来てる訳ではありませんから。その辺はご安心を」

「でも、必要があれば殺すんだろ?」

「ええ、まぁ…」

「ふぅむ…まぁ、人が亡くなってるもんな。そのときは僕も受け入れられるように努力はするさ」

「ご理解、感謝します」



 学者としての葛藤を抱きつつも、こうして俺たちに協力してくれることには感謝しかない。島民が言っていたように、本当に良い人のようだ。


「もうひとつお伺いします。ロック鳥が今回の事件を起こすに至った動機にお心当たりは?」

「ふむ。まぁ、無いとは言いきれない」

「本当ですか!?」

「あぁ。だが、残念ながら今ここで話すことはできない」

「何故です?」

「学術的な観点だよ。まだ世間に発表していないことだからだ。君たち怪防隊にも話せないことだ。どこから情報が洩れて、他の学者に横取りされるかわかったもんじゃないし、世間に大きな混乱をもたらすことにもなりかねない」


 いったい、どんな情報を抱えているんだ。世間に混乱をもたらすほどの情報とはなんなんだ。中途半端に秘匿されると余計に気になるってのが人情ってもんだ。いや、それ以前に俺たちは聞く必要がある。ロック鳥を討伐するかどうかは、恐らくそれに掛かっている。俺は少し食い下がった。


「そこをなんとか。あなたが話してくれれば、場合によっちゃロック鳥を殺さずに済むかもしれないんですよ!」

「ふぅむ…」



 アンドリュース博士は少し俯いて考え込んでいる。学者という立場もあるから、簡単に話せないのは重々承知しているが、こちらとしては出来れば話して欲しい。


「ところで君たち、ロック鳥の巣に調査に行く予定は?」

「え?えぇ。明日向かう予定です」

「そうか。なるほど。では、こうしよう。君たちが巣に到着したら僕が知っていることを教えよう」

「本当ですか!?」

「あぁ。だが、ロック鳥の巣に行くのはなかなか難しいぞ。それに今はロック鳥はかなり荒ぶっている。正直あまりオススメはできない」

「行くに決まってますよ。それが仕事ですから」

「そうか、仕事か!フフッ。覚悟は決まっているようだな」

「もちろん」



 アンドリュース博士は少し微笑み、ホテルのメモ用紙に何かをさらさらと書いて俺に手渡してきた。

「生憎、名刺を切らしていてね。これ、僕の連絡先だ。巣に着いたらここに電話してくれ」

「ありがとうございます。一応、私の連絡先も」

「ご丁寧にどうも」



 名刺を手渡した後、俺たちは部屋を後にすることにした。帰り際にアンドリュース博士は念を押してきた。

「勘違いしないで欲しいのは、僕は決してイジワルで君たちに試練を与えたわけじゃないということだ。僕もロック鳥があんなことをした原因に心当たりはあっても確証を持てないから、君たちに確認してきて欲しいだけなんだ」

「なるほど、そういうことでしたか。あ、いえ、イジワルをしているなんて最初から思ってませんよ」

「そうか、すまないね。よろしく頼んだぞ」

「おまかせください!では、また」






 ホテルを出てしばらく歩いてからあることに気が付いた。肝心の猛禽類の弱点を聞くのを忘れていたことに…

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