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【第九章完結】隣に越してきたクールさんの世話を焼いたら、実は甘えたがりな彼女との甘々な半同棲生活が始まった  作者: バランスやじろべー
第七章前編 夏・プール・水着

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第341話 水着を買いに行こう

「はいみんなーっ! 恋愛なんかにうつつを抜かしてないで、ちゃんと勉強するんだよーっ! 恋人なんて作ったら許さないんだからねーっ! いい、絶対だよーっ!! それじゃあ解散!」


 担任の瑠華によるお決まりの挨拶やら何やらが終わってようやく放課後。

 そして夏休みゼロ日目の始まりだ。


「さよならー」


「そんじゃーなー」


「また夏休み明けにねー」


「プール、楽しみだねー」


 等々、クラスの中には長期休暇を喜ぶ声や、しばしの別れの挨拶で溢れかえる。

 そんな彼らに怜達四人も軽く挨拶をして、一旦怜の部屋へと帰宅する。

 私服に着替えてから簡単に昼食を食べてショッピングモールへ。

 先日話していた通り、水着の購入が本日の目的だ。

 早速女性用の水着売り場へと向かう。


「あっ、ここにしよっ!」


「うんっ!」


 とある店舗の前で足を止める桜彩と蕾華。

 通路から見える範囲でも、様々な女性用の水着が飾られているのが分かる。

 青やピンク、緑や紫、セパレートタイプにビキニタイプ、フリルの付いたものなど種類は千差万別だ。

 怜も陸翔もこの中に足を踏み入れる勇気が無いので、ここからは一旦別行動だ。


「それじゃあ俺達はその辺見てるから」


「終わったら連絡くれよー」


「うんっ! それじゃあね」


 それだけ言って、怜と陸翔はショッピングモール内の他の店舗へと足を向ける。

 とはいえ先日話した通り、怜も陸翔も昨年の水着で充分だ。

 一応試し履きした結果サイズも問題無かったので、新たに購入の必要も無い。


「さて、手持無沙汰になったけどどうする?」


「そこそこ時間かかりそうだからなー」


「それじゃあペットショップ行かねえか? バスカーのおもちゃとか見繕いたいしよ」


「オッケー。付き合う」


 陸翔の提案にすぐさま怜が賛成する。

 動物好きである怜にしてみれば、ペットショップは猫カフェや犬カフェと同様に天国のような場所だ。

 ついでにバスカーに似合うおもちゃも一緒に探したい。


「えっと、ペットショップは一つ下の階だな」


「よし! それじゃあ行こうぜ!」


 陸翔と共にペットショップに向けて歩き出す。

 そこでふと先日蕾華の言っていた言葉を思い出す。


『まあまあ。アタシに任せといて。ちゃんとれーくんにサーヤの水着姿を拝ませてあげるから!』


 自信満々に言っていた蕾華の言葉。

 言葉の通りに受け取るのなら、あれだけ恥ずかしがっていた桜彩の水着姿を怜に見せてくれるということ。


(桜彩の水着姿……)


 あれだけスタイルの良い桜彩ならば、何を選んでもきっと似合うだろう。

 意識してしまうと妙にドキリとしてしまう。

 気が付けば無意識の内に顔を後ろの水着売り場へと向けていた。

 もうそこに桜彩はいないのだが、桜彩のことが頭から離れない。


「怜? どうかしたのか?」


 後ろを見て『ぽうっ』と放心状態だったところ、陸翔の声が耳に届いて怜も正気を取り戻す。

 慌てて正面を向けば、陸翔が怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた。


「あ、悪い。すぐ行くから」


「そっか」


 特に気にした様子はなくそのままエスカレーターの方へと歩いて行く陸翔。

 怜も頭を振って邪な考えを振り払い、陸翔の後に続いて行った。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「わ……」


 店内に入った瞬間、いや、入る前からその光景に圧倒されてしまう桜彩。

 そこに飾られているのは水着、水着、水着。

 様々な種類の水着が所狭しと自らの存在を主張してくる。


(わ、私に似合うのなんて、本当にあるのかな……?)


 自分がこういった物を着ている姿がまるで想像出来ずたじろいでしまう。


「ねえサーヤ、どんな水着が良いとかってある?」


「え……? と、とくに考えてこなかったなあ。それに、どうせ上にラッシュガードとか羽織るんだし……」


 水着の上からラッシュガードやパーカーを羽織ることを想定している桜彩に、誰かに水着を見せるという発想はない。

 故にある意味どのような水着を選ぼうとも変わらない。

 が、蕾華としてはその桜彩の返答は予想通りだったのかニヤリと笑みを浮かべる。


「うんうん。それじゃあちょっと過激なのいってみようかなー」


「え……? ええっ!?」


 まさかの提案に驚いてしまう。


「ちょ、ちょっと、か、過激って……」


「あれ、上から羽織るんだから、別に構わないでしょ?」


「そ、そうだけど……。で、でもそういうわけじゃないって言うか……」


 さすがに上からパーカーを羽織って見えないとは言っても、さすがにそれは恥ずかしい。

 見えなければいいというものでもないのだ。


「あははっ、分かってるって。でもさ、確かに過激すぎるのは良くないけど、可愛さを押し出す為に少し大胆になるってのはありじゃない?」


「え……? う、うん……。そ、そうなのかな……?」


「あっ、これどう? サーヤに似合いそう!」


 確かにそれはそれでありなのかもしれない。

 いや、別に可愛さを押し出したところで誰に見せるわけでもないのだが。


「ねえサーヤ。サーヤって水着を見せるのが恥ずかしいって言ってたじゃん」


「う、うん」


「でもさ、この前『この四人なら問題ない』って言ってたよね」


「うん。知らない人に見せるのは嫌だけど、でも蕾華さん達なら構わないかな……」


 それを聞いた蕾華がガシッと両肩を掴んで距離を詰めた。

 いきなりのことに驚く桜彩。


「ら、蕾華さん……?」


「ってことはさ、れーくんになら見せても大丈夫ってことだよね!」


「え……? ま、まあ怜になら……」


「それじゃあさ、今日、アパートに帰ってから着替えてれーくんに見せてあげなよ!」


「え……ええっ!? れ、怜に……!?」


 予想外の提案に驚いてしまう。

 そもそもここで購入する水着は誰にも見せるつもりはなかったのだ。

 それに怜に水着姿を見られるのは嫌ではないのだが、恥ずかしいことに変わりはない。


「で、でも……」


「別に良いじゃん! それにさ、サーヤの選んだ水着、れーくんにどう思ってもらえるのかは気になるでしょ?」


「そ、それは、うん……」


 小さく頷き肯定する。

 確かに自分の水着姿を怜がどのように思ってくれるのかは気になってはいた。

 願わくば褒めて欲しいとも。


「ほらほら! だったられーくんに見せてあげなって! 絶対に褒めてくれるから!」


「え……。ほ、本当に褒めてくれるかな……?」


「あったりまえじゃん! ってわけでさ、ほら、れーくんに気に入ってくれるやつ選ぼっ!」


「う、うん、分かった……!」


 蕾華の言葉に乗せられる桜彩。

 とはいえ怜に褒めて欲しいのも本心ではある。


(怜、可愛いって言ってくれるかな……?) 


 なお、一方で蕾華は作戦が成功したことに満足げに頷いていた。

コロナ感染の為、次回更新は未定です。

申し訳ありませんがご了承下さい。


追記(2025.3.24 16:40)

26日から投稿再開予定です。

時話以降も宜しくお願い致します。

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