当たりました（プロローグ）
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「無限の未来、無限の可能性、切り開いていくのは君自身だ」
そんなうたい文句と共にCMが流れる。そのCMでは、ドラゴンと勇者のような人が戦うシーンや魔法使いが杖先に火の玉を作り、飛ばすシーン、大きな剣を持った人と忍者のような恰好をした人が戦っているシーン、モフモフの犬のような動物と女の子が戯れるシーンなどがあった。
「新世代VRMMO、Brave Skill Online 今月15日発売！乞うご期待！」
このCMが気になってネットでいろいろ調べてみる。
するとVRMMOというものが、ヴァーチャル・リアリティ・マッシブリー・マルチプレイヤー・オンラインとか言うもので、実際にゲームに入って、見て、聞いて、触れて、五感全てで楽しむゲームということが分かった。そして、その最新作が15日に発売される。
それが「BSO」通称、ブレスキだ。
このゲームの大きな特徴は、ブレイブという特殊能力だろう。このブレイブによってたとえ同じビルドでも全然違う戦い方をする。
そんな今までのVRMMOにない要素を入れつつも、剣あり、魔法ありのファンタジー世界で自由に旅をしてモンスターを狩ったり、店を開いたり、とにかく自由度の高いゲームになっているらしい。
そんなゲームが不人気なわけがなく、このゲームの第一陣の倍率は何と100倍から150倍とすごい確率であり、当選するはずがなかった…。はずだったのだが…。
「え、はっ…？当たったの？え？え？え？はっ？」
喜びよりも驚きが増してしまい、間抜けな声が漏れる。それもそのはず、ブレスキの第一陣である50万人は倍率100倍から150倍の狭き門なのである。
……であるはずだったのだが、運よくこの狭き門をくぐり抜けられたらしい。そんなことを考えながら、ドラゴンと勇者のパッケージを手に取り、改めて実感する。
どうやら、本当にこのゲームが出来るらしいと。
いつものように、自炊やら洗濯やらしているとあっという間にサービス開始の時間が迫っていた。ディスクをパソコンに入れ、パソコンとVRゴーグルを接続し、VRゴーグルを装着しベッドに横たわる。これで準備は完了だ。
「なら行ってくるか！ダイブスタート！！」
VRゴーグル起動のキーワードを叫んだ瞬間、僕の意識は遠のいていった。
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