ソレに私は怯えていた
なぜ私はそれに怯えているのだろうか。ふと沸いた疑問には誰も応えない。
当然のように日々をこなしている他人たちをみて、自分を見て。
自身で解決すべく考えをめぐらす。
あの人たちと私と、いったい何が違うのだろうかと思いを馳せて。
見比べて。
違い、差異を探す。
ふと、そもそもあれは皆同じモノであったかと思い至る。
見比べて。
あの人とあの人はどこが同じなのだろうかと、首を傾げた。
全体としてまとまって見えていたのに、個を抽出するとまったく同一ではないではないか。
ではもしかしたら。
あの人にとって、あの人と私は同じ全体の一部であるのかもしれない。
私だけがそれに怯えているわけではなくて、それぞれが何かに怯えているのかもしれない。
私にとってのソレが、たまたまそれであっただけなのだ。
そう考え至れば幾分か、おそるるに足らぬような気がした。