辜(つみ)の形
寝坊した。
これは断じて俺のせいではない。昨夜、ウチの班の馬鹿どもが肝試しに行こうとした。別にそれはかまわない。奴らの脳みそは胡桃よりも小さい、ただそれだけのことだ。ここまではいい。問題はここからだ。
俺はくそったれどもがいなくなった部屋で一人、ラノベを読んでいたのだが、そこへ谷口や村上や井上がしょげた顔をして戻ってきた。しかも、体育教師というおまけ付きで。
戸を閉めると、教師は怒声をあらわにして説教し始めた。
うるさい。死ね。
そう思いながら俺は読書を続けていた。そしたら、なぜか俺まで叱られたのである。
「お前はなぜ止めなかった?」
「こいつらが何をしようと関係ありませんから」
「連帯責任という言葉を知らんのか」
俺はこの四文字熟語は滅ぶべきだと思っている。
教師の説教は長々と続いた。俺が学生だった時代は体罰が当たり前で云々《うんぬん》かんぬん。
「あの、もう寝たいんですけど」
誰も言わないので俺が言ったら、教師は汚らしい歯をむき出しにして口答えするなと言った。
説教が終わったのが、零時過ぎ。
というわけで寝るのが遅くなり、結果、俺は寝坊したのである。
他の奴らは今頃、食堂で朝食を食べているだろう。いや、もう食べ終わっているかもしれない。
俺は林間学校のしおりを取り出し今日の予定を確認した。
七時から朝のつどいというものがあったらしい。原則宿泊者全員参加と書いてあるが、俺は寝ていたので参加していない。まあ班長の谷口がうまくごまかしてくれただろう。
その後、朝食。
その次は、八時四十分。キャンプ場に集合と書いてある。
今は八時五十分である。
やれやれ。
ゆっくり行くか。




