家出(ホームレス2人編)
ベンチコートに身を包んで寝てる自分に仲間ができた。
新たにホームレスとなったのは、当時付き合っていた彼女だった。
年齢は、1つ上の18歳の彼女。
彼女も家出によって高校中退となった。
仲間ができ心強くはなったが、和歌山で親戚などに貰ったお金も底をつき無一文の状態だった。
そこからの2ヶ月間程は、狂っていた。
腹が減ったら、コンビニで飯を盗んだ。
本屋に行って本を盗んでは、古本屋に売った。
彼女がキャバクラの体験入店で金を稼いでくる事も何度かあった。
本当にその日暮らしだった。
お金があれば、ラブホテルに泊まり
次に漫画喫茶やカラオケだった。
大抵の場合は、いつも通り公園と階段で寝た。
当然のように狂った生活に終止符がうたれる。
警察に捕まったからだ。
捕まったのは、私1人だった。
パトカーに乗り警察署に連行された。
母親に連絡をするとの事で、渋々住所や家の電話番号を言った。
警察官は、電話をして困った顔をしていた。
電話が終わると私に”嘘はいけないよ”などと意味のわからない事を言ってきたのだ。
本当の事しか言ってないのにだ。
どうやら、母に電話すると電話に出たはいいが”そんな名前の息子いません”と言われたそうだ。
衝撃を受けたよ。ここまでとは。。
再度電話をする事になった。
今度は、私が話してから警察官に変わるという戦法だ。
何とか身元引受人になってくれるところまでいった。
だが、仕事中のために迎えにこれない、こちらに連れてきてくれとの事で、私は再度パトカーに乗った。
パトカーが母が働く病院の前についた。
母は既にいた。
申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちと悲しい気持ちが混ざりながらパトカーを降りた。
すると、強烈な1発のビンタ。
警察官は、すかさず横から”後はよろしくお願いします”みたいな事をささっと言って帰っていった。
母は、そのまま仕事で私だけ家に帰った。
弟と共同の部屋は、弟に私物化されていた。
私の机は捨ててあり、はってあったお気に入りのポスターも何処かへ消えていた。
家に帰ると色々な怒りが爆発した。
今となっては、いやいや怒るとこ?と思うのだが。
私は母のタンスから1万円盗み、家を飛び出た。
また、ホームレス生活である。
とりあえず、彼女に公衆電話から電話した。
どうやら彼女は、俺がなかなか戻ってこないから捕まったのでは?と思い、一度彼女の地元に戻ってたらしい。
彼女は友達の家に泊まってるとの事だった。
少し安心して私は公園で寝た。
3日後ぐらいに出来事が起きた。
彼女をナンパ?してきたおじさんに俺の事を話すと連れてこいというのだ。
どうやら、元ヤクザの方なのかチンピラなのかわからないが、危ない人らしい。
私の地元でも、私は探されていた。
それも同様にヤクザが関わっていて、鉄筋の仕事を住み込みで無理矢理、私にやらせようとしていた。
というのも、友人が私が家出しているし丁度いいんじゃないかなどと告げ口したからだ。
友人と呼ぶべきじゃないかもしれないが。
そんなこんなで私はどちらかを選ぶ事になった。
どちらを選択しても、ホームレス生活としては
これで終わりであった。