初恋
私の初恋はいきなり訪れた。
その相手は、佐藤といった。ここでは、仮名とする。
佐藤の顔は整っていて美人だった。
頭が良く、長髪の黒い髪、整った顔、短気な性格が特徴だった。
小学5年生の私は、佐藤とちょっとした口喧嘩をした。女性には優しくするのが基本だ。もしかしたら女性と対等に喧嘩できるのは、小学生ならではなら特権かもしれない。小学生の時は女性の方が成長早いし、下手したら女性の方が強いかもしれないしね。
話しを戻そう。
喧嘩の際に、いきなり腹部に強烈な右ストレートをかまされたのだ。
その時に私の初恋が始まった。
決してMだからではない。
人と変わっているかもしれないが、私は佐藤を好きになってしまったのだ。
腹部にも物理的な衝撃を受けたが、心の方の衝撃の方が大きかったのだ。
男にも物怖じしない性格に自分は魅了されてしまったのだろう。
好きになったからといっても、何か進展があるわけでもなかった。
自分だけが佐藤を意識し、授業を受けながら佐藤を見ていた。
そして時だけが流れた。
体育の整列で腰に手を当てる役の小さな私の初恋は、小学校卒業と同時に終わってしまったのだ。
理由は、佐藤の私立進学によるものだ。
同じ中学校に行っていたら。なんて考えた時もあったが、それでも付き合えたなんて到底思えない。その時の自分は、小心者でいじめられっ子だったからだ。
小学校卒業後の次に彼女を見たのは、30歳の時だった。
彼女は、自分の夢のアナウンサーという職業についており、私はテレビを通して彼女を見た。
当時のように凛々しい顔をしており、ネットで調べたら結婚もしていた。
30歳の私は無職独身だった。。
夢を叶えた女性、無職の自分。不甲斐なさだけが心に残ったのを覚えている。
ブックマーク並びに評価ありがとうございます。
小説というより日記に近くなってしまってますが、どうぞよろしくお願いします。