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私の歩んだ半生  作者: 白黒赤
15/51

人間不信

やはり人間不信になるのは、信じてた相手に裏切られたりした時になると思う。


実際、人間不信と言っても恋愛に対してのみの一時的なものだったが。


私が人間不信になった時の事を書くとしよう。


ホームレス彼女とまだ付き合っていた頃の19歳の時だった。


家出から家に戻っても彼女との付き合いは続いていた。付き合いは、順調だったと今でも思っている。


家でゴロゴロ寝転がっていたある日、彼女から電話がきた。

彼女からの電話は、毎日といっていいほどだったので珍しくは無かった。


電話を取ると男の声でこう言った。

“お前、ホームレス女の何だ?”


?で頭を埋め尽くす私。

何だとは何だ?彼女の携帯なのに男だし。


意味がわからなかった私は逆に問い返した。

“そちらは、何なのですか?”


そしたら、電話越しに見知らぬ男性はこう言った。

“俺は、ホームレス女の彼氏だよ!!”


待て待て待て!彼氏は俺だ。

こないだまで一緒にホームレスしてたんだぞ。

一体全体どういうこった。そこらへんで浮気とはわかっていたものの、一応相手に俺の立場を伝えた。


“俺が彼氏なんだけど、何かの冗談?”


電話の向こうで怒鳴り声が聞こえてきた。

少ししたら、電話で彼を名乗る人物が俺にこう言ったのだ。


“俺は、こいつと半年も付き合ってるんだぞ!浮気なんて許さん”


ここまでくるとよくわからない笑いが自分の中で起きたよ。

だってこっちは3年付き合ってるんだよ。

まるで、俺が浮気相手だとあっちは信じてるが、浮気相手はお前なんだぞ。と心の中で思った。


兎にも角にも話は膠着状態になった。

その為、ホームレス女にどちらと付き合うか選んでもらおうという話になったのだ。


ホームレス女は、ただ一言俺に言った。

“ごめんね。”


うん。もういいや。自分の中で何かが吹っ切れた感じだった。

わかったと一言いい電話を切り、テレビを見た。

何かわからないがどーーーでもよくなってしまったのだ。


そこまででは、人間不信にならなかったと思う。

人間が恐ろしいと思ったのは、この後だった。


後日、ホームレス女から再度着信があり電話に出た。

今度は、男性の声じゃなく聞きなれた女性の声だった。ホームレス女だ。


彼女は、あの場ではああ言うしか無かった。本当は私の方が好きだと言ってきたのだ。


ごめんね。は何だったのだろうか。

人を裏切って終わりならまだしも、言い訳をして、復縁を望んでいるような口ぶり。

今度は、俺を浮気相手にしたいのだろうか。

人間とはここまで醜い生き物なのか。

結局ホームレス女は、どうなりたかったのか未だにわからない。


その後、少しの期間ではあるが恋愛相手を疑ってみるようになってしまった。軽い人間不信になったのだった。


ちなみにホームレス女は、この後この相手と結婚をした。



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