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第3話 魔物の影

ファイヤーボールの実演を見た、男の子と女の子。


「あの玉、1個でそれ出せるの?」

「ああ。ちょっと練習をすればな」

「覚えたい」

「まだ無理だ。だいたい、これ作れないしな」


火炎丸を作るのは一番簡単な錬金術。

錬金術は、別名、金の属性魔法ともいわれている。


火・水・気・土の4元魔法を一通りマスターした者だけが扱えるようになる。

自然にある4元魔法とは違い、人間が生み出した魔法だ。


元々、私は金の属性魔法の最高峰、時空魔法の専門家だ。

もっとも、実地で魔法を使うのではなく、魔法を研究している研究者だが。



「静かにして」

「えっ、何?」


女の子が急に厳しい声で言う。

何かを検知してみたいだ。


「魔物がいるわ、あそこ」

「牙キツネだ」


牙キツネは気属性の中型魔物だ。

体長1.5mくらいになる。


軽やかに移動して大きな牙で獲物を狩る。

それも群れを作り、連係プレイで戦うのが特徴だ。


「ここは、牙キツネもいるのか」

「もっといろいろな魔物がいるわ」


なんと。自然の状態で魔物がいるなんて。どういうところなんだ、ここは。

魔物サファリパークじゃあるまいし。


「何匹いる?」

「全部で12匹」

「逃げられるかな?」

「あっちの方が早いわよ」


気属性だから、やっかいだ。

気属性の魔物が操る気の魔素は、重さを軽減する効果がある。


牙キツネなら本気で気の魔素を活用すれば、20mくらい跳躍できる。


「大丈夫。さっき、火炎草を作ったから」

「あ、ファイヤーボールだね。あれで牙キツネを倒せる?」


もちろん可能だ。一気に片づけてしまおう。


「いくぞ。ファイヤーボール・チェイサー」


ただのファイヤーボールじゃない。

目標を牙キツネに設定したから、逃げても追いかけて命中するファイヤーボール。


火炎丸を一気に6つ、頭上に投げて6つのファイヤーボールを作る。

それを牙キツネの群れに投げ込む。


炎を見て、牙キツネが逃げ出すが、当然追跡して6匹に当たる。

残る6匹は逃げ出して、遠くまで駆けていった。


「すごいっ。火の魔法使いだね」

「いや、アイテム使っているから、そんなすごくなんてないよ」


ただ、尊敬のまなざしで見られるのは悪くないな。


ふたりは絶命した牙キツネを確認している。


「みんな頭にファイヤーボールが命中している」

「ああ。一番効果があるところだからな」

「頭の毛皮はこげちゃっているけど、身体としっぽは大丈夫よ」


なんと、このふたり。

牙キツネの解体を始めてしまった。


そんなこと習っていない私は、ただ、見ているだけ。


6枚の毛皮と、牙12本。あと、魔石を6個。


「うん。なかなか状態がいいね。キツネの肉はおいしくないからいらないし」

「これ、どうするの?」


解体したのだから、ふたりも分け前もらうのが当然だよな。


「3人で分けよう。ひとり2匹分づつ」

「えっ、本当?うれしい」


角ウサギより、牙キツネの素材はずっと高価なんだろう。


「ただ、条件がある」

「えっ、何?」

「私を牙キツネの素材買取してくれるところまで連れていってほしいんだ」

「それなら、簡単ね。これから私たちもいくから」


もう、ブクマが100超えました。うれしいです。

第3話です。これで3つ目。あと3つアップ予定です。


魔法のことを考えながら書くのって楽しいです。

楽しく読んでもらえたらうれしいです。

ブクマと評価もよろしくね。

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