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22/22

第22話 のんびり移動中

「やっぱり、谷の風景っていいね」


エリさんとふたりで村からお屋形様の住んでいる村に移動している所だ。


お屋形様が住んでいるのは、谷の下の川が流れている辺りからちょっとだけ上がった位置にある。


そのあたりは、この近辺の重要な仕事をしている人たちが集まっている集落で、ただ一所に集まっているのではなく、それぞれ離れたところに屋敷を建てている。


他の集落が小さい家が多いのと比べて、比較的大きな家が多い。

財産も権力もある人たちが住んでいるからだ。


「ほら、あそこがお屋形様が住んでいるところよ」


今、ちょっと小高くなっている所を越えたら、目的地が見えてきた。

あと500mくらいか。


平野だったら5分もあれば着くだろが、山道はくねくね曲がっているし、歩きづらいところもあるから、20分くらいはかかりそうだ。


「今の季節は、いろんな花が咲いているのよ。ほら」


紫のかわいらしい花を摘んでみせてくれる。

まだつぼみだけど、いくつもつぼみが付いている。


「綺麗な花だね。あまり見たとこがないな」

「この時期だけ咲く花なの。もう10日もすると全く見なくなるわ」


山の花というのは短い期間に集中的に咲くものが多いと聞いたことがある。

変わりやすい気候にうまく適応しているということなのだろう。


そんな自然の中の山道をかわいい女性と一緒に歩く。

デート気分で楽しくなってくる。


だけど、そんな気分を一気に吹き飛ばす出来事が起きた。


「何、あれ?」


エリさんが指す方向には、砂ぼこりが立っている。

それもずいぶんと長く続いている。


そのあたりは、細いながらも街道となっていて、馬車がギリギリ通れるくらいの道だ。


その道に沿って砂ぼこりは立っている。


「ん?馬が走っているんじゃないか?」

「おかしいわね。馬だとすると、相当な頭数がいるってことじゃない?」


それはそうだ。

1頭や2頭なら走らせたとしても砂ぼこりはそんなに長く立たない。


ざっと見たところ、10頭くらいはいるように見える。


「なんで、馬がそんなに走っているんだ?」

「もしかして・・・襲撃かも」


エリさんがいとも簡単に言う。

襲撃だって?どこの誰がそんなことをするのか。


「この辺りは違うんだけど。あの山を越えたあたりは馬族のテリトリーなのよ」

「馬族?なんだそれは」


高原あたりに住む遊牧民族で、いろいろな動物を飼って生活している。

なかには気性が荒い馬族もいて、その連中は定住民の村を襲うことがある。


「あれが馬族だとしたら、どうする?」

「助けにいかないと。お屋形様が危ない!」


エリさんが行っても、役にはたたないと思う。

だけど、理屈はなくても、お屋形様を助けたいというのは本当だろう。


「よし。一緒に馬族を追い払う手伝いをしよう」


トラブルにまきこれています。どうなるかな。

楽しく書いて、楽しく読んでもらえたらうれしいです。


この作品は週2話くらいのペースで更新中です。


そして、今日から新しい連載が始まりました。


今度は錬金術と料理をミックスしたお話です。

しばらくは一日4話アップの予定です。


『「料理人は引っ込んでろ」と言うけど、錬金料理人って実は超強力な奴なんです』


https://ncode.syosetu.com/n7657ev/


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