第13話 山に向けて出発
また新しい地に向かって出発です。
楽しく書いて、楽しく読んでもらいたいです。
ブクマと評価もよろしくです。
「いろいろとありがとうございます」
「わが村こそ、すごく助かりました」
旅に必要になる道具や携帯食など、いろいろな物を分けてもらった。
「よかったら、うちの娘を」
なんて話もあったけど、さすがにそれは辞退して出発することにした。
ゴブリン討伐の日から1週間が経っていた。
「もっと魔法を教えてください」
そういう、ノビとミオとミク。
あんまり魔法を教えると、3人の未来がどうなってしまうのか。
それが想像つかないから、一番簡単に魔法だけ教えておいた。
あの後、癒し草と火薬草を村人達の協力によってたくさん入手して、
ポーション水や火炎丸を100回分づつ用意した。
これだけあれば、当分困らないだろう。
次に向かうのは、谷の村。
だいたい10時間くらい歩けば着くという。
今は、この世界がどうなっているのか。
それをもっと知りたくて、いろんな場所を訪れてみる予定。
次を谷の村にしたのは、風車草がありそうだから。
風車草は、4枚の葉っぱが風車のように着く野草。
主に高原のようなところに自生している。
気の魔素を溜め込むことができる草だ。
火と水の魔素アイテムは手に入れたから、次は気の魔素アイテム。
もうひとつ、土の魔素アイテムがあるけど、それはどこにあるか、まだ不明だ。
「それじゃ、みなさん、さようなら。ミオとミクも元気でな」
「お兄ちゃん、魔法教えてくれてありがとう」
村人とミオとミクが手を振って見送ってくれた。
今はひとりで道を歩いている。
村と村を結ぶ道らしく、大きくはないけどちゃんと続いているので安心だ。
途中、三差路や十字路があるというが、標識があるから大丈夫だと教えられた。
まだ、この地にきて12日しか経っていない。
だから、歩いているときでも、周りのことをいちいち調べている。
道を歩いていると、羊をたくさん連れた男の人がいる。
「こんにちは。すごい数の羊ですね」
「おう。今年は子供がたくさん生まれてな」
羊の歩みに合わせて、ゆっくりと歩いている。
「どこに行くんですか?」
「山の方に連れていこうと思ってな」
「そろそろ夏になるからですか」
「そうだよ。あんまり暑いと羊が草食べなくなって痩せてしまうからな」
放牧は夏の間は山の中腹あたり。冬になると山のふもとに移動する。
気温が快適な場所に移動するのと、草を食べつくす前に移動するのと。
いろいろな理由があって、どこに移動するのかは毎年、頭を使っているらしい。
「あの山を越えると村があると聞いているんですが」
「それなら、俺の住んでいる村だ」
あ、目的地の村の人でしたか。
あの村では放牧もしているか。
「何か困ったことありませんか?」
「困ったことか。羊が1頭ケガしてしまってな」
指さした羊は確かにびっこを引いていて、歩き辛そうにしている。
「あいつが歩くのが遅いから、全体も遅くなってしまってさ」
「それは大変ですね」
簡単そうだから、治してみよう。
「治してあげましょうか」
「えっ。あなたは獣医さんでしたか」
「いえ。回復魔法が使えるので」
「なんと。魔法使いでしたか。すごいですね」
「ここで会ったのも縁ですから」
ポーション水があるから、治すのは簡単だ。
ただ、それに頼らないで治せるか、試してみよう。
水魔法のヒーリング。
癒し草もポーションも使わないでやってみる。
大気の中の水の魔素。
身体の中に集めるようにイメージを膨らませる。
両手を開いて、抱え込むように水の魔素を取り込む。
それを右手に集めて、羊のケガした足を触れる。
右手が光だして、羊の足に光を移す。
「これで大丈夫です」
羊が普通に歩き出した。
「うわ、ありがとうございます。魔導士の先生」
「そんな、ただの旅人ですよ」
結局の羊を連れた男と話しながら、村へと向かっていった。




