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第1話 迷子のお兄さん

「お兄ちゃん、何しているの?」


お兄ちゃんと呼ばれているが、私には妹などいない。

呼んでいる女の子は、ただの通りすがりの女の子だ。


「何って・・・どうも迷子になってしまったようだ」

「へっ、迷子だってよ。その歳で迷子なんて、恥ずかしくないのかよ」


女の子と一緒にいる男の子が偉ぶって言う。

たぶん、年齢は13歳くらいだろう。


二人とも、皮で出来た服を着て弓を手にもって、矢筒を背負っている。


「君たちは狩人なのかい?」

「うん。今日はこの草原に角ウサギを狩りに来たの」


角ウサギというのは、小型の水属性魔物の一種だ。

このあたりにいるというのか?


「ところで聞きたいのだが。なんでこんなに火薬草がここにはあるんだ?」


野生の角ウサギがいるというのも不思議だが、それよりも火薬草だ。


火薬草というのは言わずと知られた火属性の魔植物だ。

葉の部分に、火の魔素を溜め込み、多くの魔物の餌になる。


「火薬草ってどれのこと?」


なんと。火薬草を知らないのか!ギザギザの葉が特徴的で誰が見ても分かるものだろう。


「これが火薬草だ。火の魔法を使うなら知らないはずないだろう?」

「僕は魔法使いなんかじゃない。狩人だよ」


火の魔法くらい魔法使いじゃなくても使えるだろう。

初級スクールの実習で嫌でもやらされている。

ふたりはもう中級スクールになっているはすだ。


「とにかく火薬草がたくさんある。魔物に襲われたときのために、集めておこうと思ったのだが」


もちろん、魔物が出るなんて思っていなかった。

だけど、角ウサギがいて火薬草があるとなると、もっと強い魔物だって出てくるかもしれない。


「この雑草を集めたらいいの。手伝うわ」

「そんな奴、ぼっほって角ウサギを探そうぜ」


どうも、この子供たち、魔法知識がゼロなんじゃないか。

ちょっと試してみるとするか。


「角ウサギを狩るなら、弓矢よりもっといい物があるよ」

「どんなの?」


火薬草の葉を1枚取って、手のひらで丸める。

丸めた火薬草を握って手を前方へ突き出す。


軽く手に魔力を移動して、手を開く。


手から、火で作られた矢が飛び出していき、遠くにある太い木の幹に当たる。

ぼっと火が上がり、幹が焦げる。


「うわっ、すごい。お兄ちゃん、魔法使いなの?」

「おおーーー。物語に出てくる魔法使いみたいだ」


やっぱり、こんな初歩の初歩の魔法にびっくりするのか。

誰でも火薬草があれば、できることなのに。


「君達にもできるよ。やってみるかい?」

「えっ、本当?教えて、教えて」


気楽に書いています。楽しく読んでもらいたいです。

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