心に残るというもの
感想について自己満完結編
子供のときに読んだ漫画でずっと心に残っている二つの作品がある。
一つは少女漫画雑誌、どの雑誌だったかは忘れたけれど…もう一つはジャ○プだったと思う。
どちらも新人の読み切りで、絵が上手いとは言えないものだった。
でも、ずっとその絵と物語は消えずにある。
少女漫画の方は、スケボー少女が初恋をするって話だった。見た目からして“女の子”って感じではなくて、ちょっと冷めているような主人公だ。
その子がある日、彼女にフラれた先輩に恋をした。それで勇気を出して告白したんだけど、上手くいかなかった。その時、断られたときの主人公の言葉がすごく好きだった。“タイミングが悪かっただけだ”――て。漫画に書かれたまんまのセリフではないですが、雰囲気はそんな感じに、主人公が強がりながらも涙し、笑い、恋をしたことを嬉しく思うような印象を与える言葉だった。
ラストは、先輩が読み手の私と同じく、彼女のセリフにやられて彼女を気になり出して終わる。完全なるハッピーエンドではないけど、未来ある終わり方、想像を膨らませてくれるような終わり方でした。
そして、少年漫画の方は、もうね…自分の理想な世界が詰まってた。
世界観は“和”――時代背景は…着物とか来てたんで……うーん、そこらへんは曖昧だけれど、主人公が女の子でね、指というか拳というか、入れ墨がしてあってそこから使役を出して戦う――みたいな。
厨ニ、って言われそうな設定かもしれないけど、子供心にズキュン!と来た。それがかっこよかったのよ。
まあ、どちらも『雑誌に載る』くらいに認められたものだけど、人を感動させることは絵が素晴らしく上手いってことじゃないんだなって。これだ!っていう決め台詞なり、技なんだなって。
そう思うと、作品を作る上で大事なことは、基礎(書き方作法)依然のことなのかもしれない。自分の譲りたくない、想いを込めた部分があること、それを伝えられる最良のものを持っているかいないかなんだろうなあ、と色々思うことがあり、ふっと懐かしいものを思い出した。
それを作者が手直そう、変えよう、不安がる、そんな風に見えたから自分は許せなかったのかもしれん。偉そうにもね。




