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第17話

 

よろしくお願いしますm(_ _)m



 


「わたくしは、ベニルグスさんを許します。ですがそれには条件をつけさせてください」

「条件……?」

「はい。ベニルグスさんをかいこしない事を条件とさせていただきます」

「お嬢さんそれは……っ、」


 ヨーグさんの目の前まで歩いてお姉さまから学んだ必殺『満面の笑み』で黙らせました。ヨーグさんだけではなく他の方も息を呑み、わたくしを見つめています。


 わたくしがこうして自分の意見をゴリ押しするのは珍しいかもしれません。だって、わたくしの言動で人間一人の未来が決まってしまうのだもの。例えそれが偽善だと、ワガママだと言われてもゴリ押すしかありません。



「ヨーグさんは自分のしんねんとも言えるモノを踏みにじられて、何もなくこのままベニルグスさんをこようし続ける事はないはずです。きんしんですませて、またわたくしの手紙を受け取ってくださいませ」

「……あぁ、ちきしょう。お見通しって事かよ」


 わたくしの言いたい事を漏らす事なく読み取ったヨーグさんはガシガシ頭を掻き毟ると跪いたまま、サッとわたくしの指先へ口付けを落としました。その流れから手を胸へ当て宣誓をする時の格好をとります。


「私、ヨーグ・ギッツは命に代えましてもガーベル子爵令嬢であるフローラル様のご命令を必ず遂行致します」

「……は、……え……? ぎ、っつ?」

「まったく。お嬢様に触るんじゃないよ、このバカ息子!」

「いってぇ!!」


 驚くわたくしをよそに、ベルが素早く拳骨を落としたと思ったらヨーグさんが頭を抑えながら悶えている姿が目に入りました。


(ベル今……ばかむすこって、むすこ? ……息子ぉ!?)


「え、ぇぇえぇっぇぇぇええぇ!?」

「あら? ローラは知らなかったの?」


 指先に口付けをされた事よりも、ベルの息子という事の方が衝撃で思わず指でさしながら叫んでしまいました。淑女にあるまじき行為です……。


「だって、全然似ていないですわ……」

「ヨーグはダンナの方に似てますからねぇ。受け継いだのは目の色ぐらいじゃないですかね?」


 ベルにそう言われてヨーグさんの瞳を覗き込めば、金色に近くはあるけれど確かにベルの瞳と同じ琥珀色を見つけて口元が緩んでしまいます。


「えぇ、そうね。わたくしの好きな色ですわ」

「……そう言っていただけるのは有難いんですが、ね。あんま見ないで下さいよ」

「あ〜。人が恋に落ちるところなんて初めて見ましたよ〜。お嬢サマ、罪作りですねぇ〜」

「っ、クソッ。黙れクリストファー」

「ちょっとヨーグ、お嬢様はいけないよ!」


 わたくしが不躾に見過ぎたのか、目を逸らして手で口元を覆っています。真っ赤になったヨーグさんとニヤニヤ揶揄うような雰囲気のクリストファーさんに割り込むベル達がコソコソ話してました。


 何を話しているのか分からないわたくしは首を傾げるばかりですが、和やかになったので帰る事にします。店先で見つけた可愛い小物入れを買って……いえ、お詫びにと無理矢理持たされました。上質な物なのに良いのかと聞いても、持っていってくれの一点張りでした。


「詫びにはならねぇが受け取ってくれ」

「あの、でも……」

「お嬢。迷惑かけてすまない。商会の中で徹底させて二度と同じ事が起こらない事を誓う。その誓いの印だと思ってくれ」

「……分かりました」


 そこまで言われてしまえば受け取るしかなく。わたくしも大切に使う事を約束しました。家に帰ってから包みを開けた時に、琥珀色の小さいけれど純度の高い宝石が散りばめられた、明らかに高価そうなブレスレットが小物入れの中に入っていて更にビックリする事になるのは数刻後の事でした。




 * * *




「お姉さま……もう帰られるのですか?」

「……えぇ。放置し過ぎた私が悪いの。仕方ないわ」

「ティア。行くぞ」

「イグナお義兄さま、もう少しだけお待ちくださいっ。お願いします……っ!」


 昨日は一日中ヨーグさんのお店に居た後、夜もお姉さまと一緒に寝た事ですっかりヘソを曲げてしまったお義兄さまが三日と言わず今日帰ると言いだしてしまいました。寝る時にわたくしがワガママを言わなければと後悔しても、もう遅いようです。


「イーグっ、きちんとお別れしたいわ。もう少しだけ、ね?」

「……馬車で待っている。遅くなったら分かっているな? 早く来いティア、愛しい人」


 お姉さまの唇にたっぷりと時間をかけて口付けを落としてから馬車の方へ歩いて行きました。赤く上気する頰を押さえているお姉さまは心なしかグッタリとしているように見えます。……どうやら時間は少し貰えるみたいです。


「大丈夫ですか……?」

「えぇ。腹は括りました。……そんな事よりもローラの方こそよ。昨夜、話した事を決して忘れないで。きっと私が良い方向へ向かう道を探してみせるから、無理(暴走)はしちゃ駄目よ?」

「はい」


 何か副音声が聞こえた気がしますが、お姉さまの事を信じてわたくしは密かに旅の準備を進めて、誰にも気付かれる事がないようにゆっくり時間を掛けてやります!





 

さて、次話は久しぶりのヒーロー登場デス。

いったいどうなるやら……w


お読みくださいましてありがとうございます☆

誤字、脱字などございましたらご指摘くださいませ♪



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