3/10
3.たからもの
エミーが言うには、エミーは人間の女の子。
いじわるな仲間に言われてひとりで森の中へ入ってきたと言うのです。
こわいかいじゅうばかりのくらい森に、こんなに弱そうな生き物が来るなんて、サーはとても驚きました。
くらい森に初めて来たエミー。
こわい大きなかいじゅうを見て、走って逃げているうちに帰り道もわからなくなったと言います。帰りたいけれど、帰り道がわからない。帰りたいけど、宝物がないとまたいじめられてしまいます。
エミーの涙はぽろぽろぽろぽろと、まったく止まりません。
「たからもの?」
「キラキラしてて、とてもきれいで、とってもだいじなものなの」
ずっと森に住むサーにも、森の宝物が何なのかわかりません。
しかし、エミーが言うすてきな宝物がどんなものなのか見てみたいと思いました。
サーはエミーと一緒に宝物を探しに行くことにしました。
泣き虫なエミーは、くらい森の中で一緒に宝物を探してくれると言うサーのおかげで、涙はすっかり止まりました。