2.であう
サーが森の中を散歩していると、うずくまっている生き物を見つけました。
小さくて、白くて、とっても柔らかそうです。
くらい森の中では、柔らかい肌はすぐに怪我をしてしまいます。そんな生き物、森の中で見たこともありません。
「おまえは?」
サーが森の中でかいじゅう以外の生き物を見たのは初めて。すこしドキドキしながら話しかけました。
エミーは、初めて見る森の小鬼にびっくりして大きな声で泣きました。
絵本で見たとおり、頭から2本のツノを生やしています。不思議そうな顔をして、こちらに近付いてきます。
近くで見ると、体は小さいのにゴツゴツとしていてとても硬そうです。
口元からにょっきり生えたキバを見て、このまま食べられてしまうのかと不安になったエミー。涙が止まりません。
「?」
サーが近づくと大きな鳴き声をあげて、目から大粒のキラキラした雫を流し出した生き物。こんな弱そうな生き物だ、目から出ているのは相手を攻撃するための毒かもしれない。そう考えたサーは、大きな声を上げる生き物から、少し離れてじっと観察することにします。
すると、その生き物はしばらくひくひくと鳴き声をあげていましたが、落ち着いたのか、不思議そうに自分を見ている小鬼、サーの質問に答えました。
「わたしはエミーだよ。友だちに言われたの。森のたからものをとってこいって」