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0、美幼女ハイエルフが誕生するまで

20××年8月

ある大手ゲーム会社から新作VRMMO「Another World Online」が発売された。


このゲームは『制限のない本物の異世界へ』をコンセプトに、やろうと思えばLv1で魔王と戦えるという、とてつもない自由度と本物の異世界かと疑うようなグラフィックのおかげで、β版の時に話題を呼び、製品版は即完売した。


そして、今日ついに正式稼働し日本中のゲーマー達がこぞってログインした。



ここは、そんな「Another World Online」通称AWOのキャラクターメイキングルーム。

また一人この部屋に足を踏み入れたものがいた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その真っ白な部屋には二人の少女がいた。


一人は身長が30cmほどしかなく背中には羽。緑色のワンピースに輝く金髪、整った顔。

百人中百人がその姿をみて妖精と答える、そんな少女


そして一人は、身長140cmくらい、ボサボサな黒髪に顔が前髪で半分隠れていて、え?それ本当に前見えてる?って感じの、見るからに根暗そうな無表情の少女。


そんな対極な二人がいた。


そして、妖精は輝くような笑顔で話しだす。



「ようこそ、AWOの世界へ!私、キャラクターメイキング担当、管理AIのベルと申します。お名前を伺ってもよろしいですか?」



妖精が聞いた人に元気を与えるような明るい声でそう言うと、少女の前にパネルが表れた



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キャラクターネームを設定してください。

[ ]

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


少女は妙に慣れた手つきで文字を打つ


[リーフ]



すると、妖精は少女に聞く


「リーフ様ですね?」


コクン


少女は頷く



「かしこまりました、リーフ様。それでは次に種族を選択し」

「ランダムで」


少女は食い気味に答えた


「ん?」

「ランダムで」

「・・・・かしこまりました。ランダムですね」



妖精は思う

(なんで食い気味~!)



「えっと、ランダムの結果、種族は『ハイエルフ』になりました。あと二回やり直せますがどうし」

「それで」


少女は再び食い気味に答えた。


「・・・かしこまりました。ハイエルフですね。」



妖精は思う

(また食い気味・・・)



「えっと次は、キャラクターの容姿を決めてくださ」

「おまかせで」


少女は(ry


「あの、容姿」

「まかせます」


妖精はすこしいらっとした。


「・・・・かしこまりました。」


妖精は思う

(なんなのこの子!なんで全部食い気味に答えるの!ちょっとくらい待ってもいいじゃん!あと、容姿くらい自分で決めてよ!めんどくさいよ!む~、こうなったらこの子の容姿にいたずらしてやる~!ふふふ~おまかせにした罰を受けるがいい~)



妖精はパネルを操作する


(えっと~まずは~そうだ!身長を縮めちゃおう!えっとこの子の最小は~、お!120cmまでいける!よし、これにけって~♪次はむー、あの前髪で邪魔だな~えっと前髪は眉毛を少しかくすぐらいで~って、っっ!)


前髪を短くしたところで妖精の動きがとまった


(な、なにこの子っ!かわいっ!!なんでこんなに可愛いのに前髪で隠してるの!?もったいない!むーでもこれは、もっと可愛くなりそうだな~。えっとまず、髪をストレートにして~、あ、どうせなら銀髪にしちゃお~、あと目を~緑色にして~・・・)



そして、妖精の暴走がはじまった。当初の目的も忘れて



数分後



「かん・・・ぺき・・!」


(ふふふ、さすが私!これは誰がみても完璧な美幼女ですわ!ふ~我ながらいい仕事したな~♪あ、リーフちゃんに確認とりわすれた・・・ん~まあいっか!どうせ食い気味に答えられるだけだし、おまかせにしたんだしね!)


妖精は失敗をなかったことにした。


「よし、それではリーフちゃ・・様。次はスキルを10個決めてください。」


コクン


少女は頷いた


妖精は思う

(あ、スキルは自分で決めるんだ・・・)



そして、少女の前にパネルが表れる

少女は迷うことなく10個決める。



「ん・・これで。」

「はい、かしこまりました。えっと~?ん!?」



妖精はパネルを二度見した。それはそれはコントのような綺麗な二度見だった。



「えっと~?リーフちゃん?本当にこれで?」

「うん・・・これでいい。」

「あの、戦闘スキルが一つもないのですが」

「・・・これでいい。」

「・・・かしこまりました。」



妖精は思う

(変な子だな~、本当にこれで大丈夫かな~?)



「えっと、それではこれでキャラクターメイキングは終了です。続いてチュートリアルを」

「パスで」


少女は食い気味答えた


「ん?」

「チュートリアル、パスで」

「・・・・・かしこまりました。」


妖精は思う

(食い気味にほっとしている自分がいる!!)



「えっと、それではチュートリアルはパスで、こちら初期装備とアイテムとなります。」


妖精は少女に光の球を渡す


「ん・・・」



「それでは、これで初期設定は終わりになります。それでは、よい異世界を♪」


「ん・・・妖精さん、ありがと」

少女は少し笑い。光に包まれた。



妖精は思った

(か、かわいぃぃぃぃ!!!)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここは始まりの町、噴水広場

そこはたくさんの人で埋まっていた。

その種族は多種多様。人や獣人、エルフやドワーフ。さらにはロボットやスライムまでいる。

しかし、よく見ると、みんな一様にある方向に向かって進んでいる。

その先は冒険者ギルド。

この世界にきた異世界人が最初に登録する場所だ


そんな中。また一人その噴水広場に表れた。

種族はハイエルフ。小さな身長に光輝くさらさらの銀髪と吸い込まれそうな翡翠色の瞳。

見たら忘れられないような美幼女だ。

実際周りにいた人達はその子に見惚れ立ち止まっている。


しかし、当の本人はそんなことはお構い無し、ある方向に一目散に向かっている。

みんなとは反対方向に。



そんな美幼女、リーフはつぶやく

「・・・はやく図書館いきたい」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リーフ Lv1

種族 ハイエルフ

ステータス

HP 100/100

MP 5000/5000

STR 1

VIT 1

AGI 1

DEX 5

INT 50

MIN 5

LUK 5


スキル

【解読 Lv1】【速読 Lv1】【夜目 Lv1】【エルフ語 Lv1】【ドワーフ語 Lv1】【精霊語 Lv1】【竜語 Lv1】【魔語 Lv1】【古代語 Lv1】【神代語 Lv1】

固有スキル

【叡智(本)】【精霊魔法 Lv1】【精霊視 Lv1】【森の支配者】【魅了 Lv1】


称号

【エルフの王族】【ギャンブラー】【美幼女】【言語学者】【魔導の天才】

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