???と蛇女
お久し振りです。
刻統千現side
実力測定か…、めんどくせぇな……
「適当に流すかぁ……ふぁぁ~…っ」
「おいおい、んなつまんねー事言うなよ」
ヤル気なしで欠伸をしていると、獅子崎から声を掛けられた
「折角あんたの力が見れるってのに、んな萎える事言うなよー…」
つってもヤル気起きないしな~…
「別に適当にやっても、不都合は無いしな…」
実力測定で最下位に成ろうと、どうでもいいしな…、そこまでデメリットが在る訳じゃないし
「んな事言うが、周りの連中に馬鹿にされるぞ、それでも良いのか…?」
「別に周りが何を言おうが、気にする程の事じゃじゃないな」
言いたい奴には言わせとけばいい
「はぁ~…、あんたマジで気付いて無いの…?」
さっぱりだな
「何の事だ?」
「あ~…、いや…後にしよう、移動する時にでも説明してやんよ」
「ふーん…、まぁどっちでも良いけど…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
獅子崎冬子side
あ~…、あいつマジでどうでも良さそうだな…、自分が言ったことがどんだけ危ないことか、マジで分かって無いんだろうな
私だって宗教なんか欠片も興味無いけど、一寸前に変なのに絡まれたのが、どっかの宗教関係者だったから周りの知り合い連中に聞いて見たら、最近増えた過激派連中が彷徨いてるって聞いて、殴り飛ばしてやろうか考えてたら、知り合い連中は刺激しない方が良いって言い出したし、とりあえず忠告と自分の勘を信じて暫く身を隠したけど、連中が居なくなった後で詳しく聞いたら、その宗教の過激派連中、神様の名の元に犯罪紛いな事、一部じゃ犯罪そのものすら正当化してる奴等も居たって話だった
まぁ…まさかこんないっぱい人がいる場所で、そこまで過激な事をする奴等は居ないだろうが
「さて、全員自己紹介し終わったな、この後学生証を作る為の実力測定を行う。実力測定の場所は入学式の時に説明された通りだ、各自明日迄に全部終わらせる様に、以上だ!移動していいぞ」
おっ、終わったか…どうせ寝てたあいつは場所なんて分からねぇんだろうし、場所を教えるついでにヤル気にさせるか…
「おい、刻統…一緒に行くか?あんた寝てたから場所分からねぇだろ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
刻統千現side
「おい、刻統…一緒に行くか?あんた寝てたから場所分からねぇだろ」
どうするか考えていると獅子崎から誘われる
「ああ、ちょうどどうするか考えてたところだ、そっちがいいなら頼む」
「うっし!んじゃさっさと行こうぜ、人が多いからあんまり遅いと待ち時間が長くなって全然終わらねぇし」
席を立ち教室から出る
「そんなにいっぱいあんのか?」
「そうでもねぇが、全員持ってる力が違うし、中には測定基準が全く分からん力を持った奴が居るしな」
「測定って、どんなのが在るんだ?」
階段で下に向かいながら話す
「あ~何個か項目が有って、確か…〔基礎〕〔応用〕〔戦闘〕〔外力〕〔支援〕〔特殊〕〔総合〕〔記憶〕だったかな、項目別に細かい項目が在るらしい」
「うわっ、マジでめんどくさいな…」
こりゃマジで適当に流すかぁ
「おい刻統、あんた適当でいいかって思ってるだろ、真面目な話本気でやった方が良いぞ」
獅子崎が真面目な顔でそんなことを言ってきた
「何でだ?適当にさっさと終わらせた方が楽だろ」
「あんた自己紹介の時に宗教関係の連中に、目付けられたんだよ」
「だから?」
「ここにそこまで過激な連中が居るとは思わないが、あの手の連中はそこいらのチンピラより質が悪いからね、何をしてくるか分かったもんじゃない」
「つまり?」
階段を降りきり一階に着く
「全力を出せとは言わんけど、本気でやって連中に絡まれない様にするべきだって事だ」
「ふーん…まぁ確かに、そんな感じではあったな…」
自己紹介の時の視線がそれか
「で…獅子崎の本音としては…?」
「勿論、あんたの本気が見たいだけだ!」
胸張って断言しやがった
「…気が向いたらな」
「え~…、本気出そうぜ~!」
そう言って引っ付いて来る獅子崎
「暑苦しいわ、どっち行くんだ…さっさと行くぞ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「うわぁー…、マジで人多いな…」
「そりゃ新入生ほぼ全員居るからな、それよりどっか適当に並ぼうぜ」
五つ在る運動場の一つーーサッカー場の様な形と大きさで、雨天でも使える仕様に成っているーーを六つに区切って、一つに一人実力を測定する教師が着いている
とりあえず一番近い真ん中に並ぶ
「んで、ここは何を測定する場所なんだ?」
前に並んだ獅子崎に何の測定か聞く
「前に書いてあんだろ…、基礎と応用と戦闘の三つだ、条件付きでここの教師と闘って、どんだけ動けるか見るのが測定。出来るなら教師に勝っても良い」
「へー…、他の所もにた感じか?」
「入学式の説明じゃそうらしい」
「成る程ねぇ…」
とりあえず先は長そうだな
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから一時間三十分程待っただろうか
「次!前に出て!」
「よっしゃ!やっと私の番か!んじゃチョックラ行ってくるぜ!」
「まぁ頑張れ」
「おう!」
「其では自分のクラスと成名を!」
どうやら測定員役の教師は女性の様だ
「F組!成名は獅子崎冬子だ!」
「F………こ…、では今からここでの実力測定の説明をしますここでは基礎、応用、戦闘の三つを測定します。測定と言っても私と五分間、外力無しの身体のみで模擬戦闘をして、私がその模擬戦闘の中で基礎、応用、戦闘適性を見ます。もし私に勝つ事が出来れば、三つの測定は満点に成ります」
つまり何処まで肉弾戦が出来るかって事か…
「それと…、この模擬戦闘では最初の二分間は如何なる身体強化も禁じます。二分経ったら身体能力のみ強化する事を許可します。勿論私も必要なら強化します。何か聞きたい事は有りますか?」
「いや、問題無いぜ!」
「そうですか、では今からこのタイマーが一度鳴ったら二分、二度目が鳴ったら五分です。どうぞ…何処からでも掛かって来て下さい」
「うっしゃあぁー!いくぜー!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
獅子崎冬子side
「うぅ………、ん……、……はっ!?」
何だ…?寝ちまったのか…私は…
「あぁ…、目を覚ましましたね。具合はどうです?何処か痛いとか、気分が悪いとか有りますか?」
私の横に見知らぬ女子生徒が来て、私の身体を見ながら聞いてきた
「いや…、何処も悪い所は無いぞ?」
寝てただけなのに、悪いも何も…
「起きる前に、何をしてたか覚えてますか?」
「起きる前?」
起きる前って…寝る前って事だよな?寝る前は確か……
「あぁ!!そうだ模擬戦!どうなったんだ?!」
思い出し飛び起きる
「落ち着いてください。貴女は先生の攻撃を受けて、今まで気を失ってたんですよ」
「なに…?…………あぁ…そうか、私は負けたのか……」
気を失う前の事を思い出し、悔しくなる
「でも凄いですよ。一年生で先生を倒す寸前まで行ったんだから、二・三年生にだって合わせて数人くらいしか居ないのに」
見知らぬ女子生徒が励ましてくれる
「あぁ…ありがとう、何時までも悔やんでても仕方ないしな。……そう言えば…、まだ実力測定中みたいだけど…、何で此処だけやってないんだ?」
周りを見渡し他の測定場所は測定してるのに、此処だけ測定してない状況だ
「今先生は傷の治療をしてるの、結構あちこちに怪我してるから、治療に一寸時間が掛かってるの」
「へー…、って…そう言えば私の左腕って貴女が
…?」
「まぁね、これでも治癒師として、結構腕に自信があるんだ」
照れ笑いしながら胸を張る女子生徒
「そう……左腕も全く違和感ないし、ありがとう。…それで…?次の測定はいつ始まるの?」
あの教師が私との戦闘により治療で測定が進んでないなら、刻統の測定はまだってことだよな?
「どういたしまして。それで次の測定だけど、先生の治癒も終わったし、もうそろそろ再開すると…、あぁもう始まりますね」
教師が治療を終えて戻ってくる
「さて、待たせてわるかったわね。これから実力測定を再開します。次の生徒は前へ!」
教師の声で次の生徒ーー刻統千現ーーが前に出る
「さあ刻統、お前の力を見せてくれ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
刻統千現side
あ~ホントめんどくさいな~
フケちゃ駄目かなぁ…、駄目なんだろうな~
「さて、待たせてわるかったわね。これから実力測定を再開します。次の生徒は前へ!」
あ~…呼ばれちまった、今からでも逃げようかな~…、でも獅子崎の奴物凄い期待した目でこっち見てるしな~、
………はぁ、しゃ~ない行くか…
指定された位置まで前に出る
「では、クラスと成名を!」
「あ~F組、んで成名が刻統千現だ」
「F組、刻統千現…、今からここでの実力測定の説明をします。ここでは基礎、応用、戦闘の三つを測定します。と言っても私と五分間、外力無しの身体のみで模擬戦闘をし、私がその模擬戦闘の中で基礎、応用、戦闘適性を見ます。私に勝つ事が出来れば、三つの測定は満点と成ります」
毎回同じこと言わなけりゃいけないのか、大変だな…
「この模擬戦闘は最初の二分間は如何なる身体強化も禁じています。二分経ったら身体能力のみ強化する事を許可します。勿論私も必要なら強化しますが。何か聞きたい事は有りますか?」
「いや、特には思い浮かばないな」
身体強化じゃないなら良いだろ…
「それではタイマーをセットします。二分に一回目が鳴りますのでそこから身体強化して頂いて結構です。二回目に鳴ったら測定終了です」
とりあえず適当に……
「それじゃあ……えっ?えぇ分かったは、一寸待ってて…」
ん…?何か戦闘って雰囲気じゃないな…
「あー、刻統君…君、何か能力使ってない?」
あぁ、やっぱアレ駄目なのか…
「えーっと、身体強化の類いじゃないので、このままじゃ駄目ですか?」
一応聞いてみるか
「一寸待って!……えぇ、………分かった…、悪いんだけど、実力を正確に測る為に使うの止めて貰える」
はぁ…、俺ののんびり生活が…
「分かりました…少し時間をください」
「えぇ、良いわよ」
全部外さんといかんよな
「先生…、全部外し終わったら、測定開始で良いですか?」
「貴方が良いならどうぞ。此方は何時でも良いわよ」
ふぅ…、ならちゃっちゃっと終わらせるか
『全記憶に接続…』
身体の周りに光輝く様々な世界の文字が飛び交う
「なっ…?!」
前に居る教師が驚いた顔をしている
『全記憶の限定解除』
飛び交っていた文字が少しずつ集まり文と成り
『全記憶の制限解除』
やがて其れは意味ある言葉と成り
『全記憶の存在を統合』
意味ある言葉は人の姿と成り
『全記憶の魂の統合』
人の姿と成った言葉は
『全記憶の完全なる合一を完了』
今居る世界の自分と重なり
「先生…」
生物として…いや、その存在そのものが
「全力で…、防御して下さい…」
全ての世界に存在する生物を
「行きます…」
全存在を超越した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
???side
ふぅ…、あ~痛かった
獅子崎さんは大分実戦慣れしてるみたいね。片手、片足折られたの何て何年ぶりかしら。
まぁ…、彼女みたいなのは一年に二・三人は居るからそんな驚くことじゃないか…
「さてもう一頑張りしますか…」
今日は終わったら、同僚連れてパーっと呑みに行こう。そうしよう!
「さて、待たせてわるかったわね。これから実力測定を再開します。次の生徒は前へ!」
何かやる気の無さそうな子ね
「では、クラスと成名を!」
「あ~F組、んで成名が刻統千現だ」
まぁ、一寸疲れてるから楽な相手は歓迎だけど
「この模擬戦闘は最初の二分間は如何なる身体強化も禁じています。二分経ったら身体能力のみ強化する事を許可します。勿論私も必要なら強化しますが。何か聞きたい事は有りますか?」
「いや、特には思い浮かばないな」
「それではタイマーをセットします。二分に一回目が鳴りますのでそこから身体強化して頂いて結構です。二回目に鳴ったら測定終了です」
もう後十数人で仕事も終わりだし、お酒の為に頑張るわよ!
「それじゃあ『もしもし、監察班だけど』えっ?『その生徒、何か解らない能力を自分に掛けてるみたいなの…』えぇ分かったは、一寸待ってて…」
監察班でも解らない能力ねぇ
「あー、刻統君…君、何か能力使ってない?」
怪しげな術じゃなければ良いけど…
「えーっと、身体強化の類いじゃないので、このままじゃ駄目ですか?」
う~ん…、嘘は言ってない感じね…
「一寸待って、『嘘では無いみたい、少なくとも〈結界〉には引っ掛かってないわ…』えぇ、『その生徒の能力が何かは解らないけど、正確な解析が欲しいから、術を止めてもらって…』分かった…、悪いんだけど、実力を正確に測る為に、君に掛かってる術…使うの止めて貰える」
「分かりました…少し時間をください」
思ったより素直な子ね
「えぇ、良いわよ」
「先生…、全部外し終わったら、測定開始で良いですか?」
ん~…、急いでる風でも無いし、焦ってる訳でも無い…、けど…早く終わらせたいって感じね
「貴方が良いならどうぞ。此方は何時でも良いわよ」
まぁ…手の内を見せたく無いって、考えの生徒は結構居るけどね…
『全記憶に接続…』
「なっ…?!」
目の前の生徒の周りに、この世界の文字では無い文字が、生徒を取り囲む様に舞っている
『全記憶の限定解除』
無数に舞っていた文字が、吸い寄せ合う様にして列を成す
『全記憶の制限解除』
列を成した文字は意味を持ち、言葉に成った
『全記憶の存在を統合』
言葉は人の姿に成る……、その一つに知っている文字の人型が居た…
『全記憶の魂の統合』
私の中にある記憶に、同じ文字が在る。そして…、人の型を成した言葉は……
『全記憶の完全なる合一を完了』
〝僕は君で〟…(君は僕で)…“俺はお前で”…≪お前は俺で≫…[私は貴方で]…〔貴方は私で〕…<あたいはあんたで>…‘あんたはあたいで’…(アタシはお前で)…{お前はアタシ}…【妾はお主で】…[お主は妾で]…《ワシはおぬしで》…「おぬしはワシで」…『あんちゃんはボクで』…“ボクはあんちゃんで”…(テメーはオレで)…〔オレはテメーで〕…【我は汝で】…〝汝は我で〟…[貴様は儂で]…≪儂は貴様で≫…<アンタはウチで>…‘ウチはアンタで’…《オメーは俺で》…『俺はオメーで』…「ワイはキサンで」…《キサンはワイで》…{僕はお前で}…(お前は僕で)…〈君は俺で〉…[俺は君で]…………………………………………………
「先生…」
なっ…?!そんな……、…こんなの…『……生!…巳上先生!しっかりして!…』
「全力で…、防御して下さい…」
……っ?!!
「行きます…」
「っ…シャアァァーー……!!」
体に掛かる負担を無視し、全ての行程を破棄、瞬時に己の身を異形の姿に変貌させる
腕は細く長く伸び、手は二回り程大きくなり、腕全体に鱗が覆い、下半身は脚ではなく蛇の胴体の様に成り、胴体の先は尻尾に成っている。お腹側は蛇腹状の皮膚に成り、背中側は全体が鱗に覆われている
顔の造りは然程変わらなかったが顔周りに鱗ができ、歯は鋭く尖り、眼は爬虫類の眼の様に瞳孔が縦に裂け、髪の毛が太く長く伸び、髪の先には蛇の頭になる
全魔力、妖力で全力で無力化する……!!
「シャアァッ!!【妖蛇の魔眼・生命の石像】」
この眼に映る世界の全てを動くモノ無き灰色で塗り潰すつもりで能力を解放する……
世界全てが固まった……、そう思った時…
相手はいつの間にか目の前に立ち…
何の能力も籠ってない拳を…
トンッ…、とお腹に当て……
ドゴンッ!!!!!!
手を当てられた瞬間、全ての記憶の中にも存在しない程の衝撃が体を貫いた………
後で聞いた話だが、相手の手が当たった瞬間、周りに張ってあった結界を破壊して、百メートル程ノーバウンドで飛び、三十メートル程転がってようやく止まったらしい。
………よく生きてたな……私……、あの時体がバラバラに爆発したかと思ったわ………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
刻統千現side
目の前の先生がその姿をラミアだかメデューサだか知らないが、とりあえず蛇女の姿になって全力でこちらを無力化するつもりで能力を解放してくる
先生が能力を解放した瞬間、結界内の全てが石化し、世界が灰色になるのを見て、それでも当たり前の様に動き、先生の前まで一瞬で詰め、軽く手を添える
ドゴンッ!!!!!!
相手の体に手を添えた瞬間に、蛇女の姿になった先生は結界を破り百数十メートル飛んで転がり、動かなくなる
「うっし終わったな、さっさと能力制限掛けねえとな」
周りの連中が煩そうだし
全記憶の完全なる合一を解除…
全記憶の魂の分離…
全記憶の存在を分裂…
全記憶の制限を実行…
全記憶の限定開始…
全記憶の接続を停止…
……ふぅ………、さて……どうやって誤魔化すか……
主人公…
あんまり暴れてないですね…
次回こそ、もうちょっと派手にいきたいですね。
因みに技名は、それっぽい本等を見て、それっぽく繋げてあるだけです。