3
「いいぜ、かかってこい」
その言葉を機に女が向かってくる。
移動スピードには対応できるな。
俺よりかは遅い。
無茶にこちらから出るよりかはカウンターを狙った方がいいだろう。
両手で構えを取って待機。
「はっ!!」
左足を軸にした回し蹴り。
移動スピードとは比にならない速さ。
咄嗟に屈んで避けたが当たったらまずかったな。
頭上をものすごい風が通過した。
だが驚いてばかりでもいられない。
一瞬の隙に鳩尾を狙った右のストレートを繰り出す。
簡単に左の手のひらで受け止められるが想定済みだ。
すぐに右手を開いて手首を掴み、そして引っ張る。
そのまま頭突きを食らわせ・・・られなかった。
「甘い!!」
「ぐっ!?」
右の回し蹴りの再来。
右に大きく飛ばされて壁を破壊した。
手を使いながらでも回し蹴りを使えるのか。
寸前のところで左腕で防いだが、衝撃で痺れた。
右半身も強く打ちつけた。
どんな馬鹿力だよ・・・。
いや、しかし万策尽きた訳ではない。
まだ作戦はいくらでもある。
俺は負けない。
「この勝負、もらった。」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
「は?」
「俺の勝ちだ、って言ったんだ。」
「何、腑抜けたこと言ってんの?」
私が負ける訳がない。
私が負けた相手はこれまでで1人だけ。
これまでもそう。これからもそうだ。
「なら来なさいよ。その傲慢打ち砕いてやるわ。」
「ああ、行くさ」
そう言うと走って向かってくる。
スピードはなかなかだけど、その程度じゃ私は負けない。
舐めるのも大概にしてほしいわ
まあ、そういう奴を真正面から叩きのめすのも嫌いじゃないけどね
さて、どう調理してくれようか・・・