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開始の合図でそれぞれ動きだす受験生。
早速受験生潰しに走る者や、それから逃げ出して精霊を倒しに行く者。
この受験自体にタイムリミットはないのでゆっくりといってもいいのだが、俺はさっさと逃げ出して、校内に100体いる精霊を探しに行くことにした。
タイムリミットがないとはいえ、早めにクリアしとくに越したことはない。
北と南にある校舎の体育館から遠い南校舎に入る。
精霊は2分に北と南に1体づつ出現する。
まだ開始1分弱なので厳密に言うと受験は始まってない。
もうしばらく精霊が出現しそうな場所を探す時間がある。
出現場所は規定の位置からランダムなので探したところであまり意味はないのだが、ただ突っ立ているよりかはマシだろう。
というか、さっさと戦いたくてうずうずするというか。
とりあえず2階に上がる。
2階には受験生はいないようで、物音がしない。
当たり前だが今日、在校生は休みだ。
そろそろかなと、時計に目をやると、
『ピーンポーンパーンポーン・・・精霊出現1体目でーす!』
開始から2分たったようだ。
この受験には協力は、両者の同意が必要なので、友達なんかと受験しない限り精霊は早いもん勝ちだ。
協力すると人数分倒すまで合格とはならないのでリスクが高いので見ず知らずの他人と組む物好きは少ない。
最初に言った通り、一定量のダメージを受けたら失格だからだ。
1体毎のダメージが低くても数が多ければ意味がないからな。
『ピーンポーンパーンポーン・・北校舎受験番号824、南校舎受験番号21が精霊と遭遇しましたー』
最初の精霊には間に合わなかったようだ。
でも21番の奴が負けたらチャンスはあるだろうが・・
『ピーンポーンパーンポーン・・受験番号3、28、110、990失格でーす。残念でしたー帰っていいですよー』
仲間割れか・・まぁいい。
受験者が少なったことはいいことである。
このまま100人以下にならないだろうか。
「おい、そこの奴」
「・・・・・チッ」
後ろに受験生らしき奴が立っている。
どうやら目を付けられたようだ。
どうする?
逃げようと思えば逃げられないこともないだろうが・・・。
出る杭は打つべきだろう。
「何だよ」
振り向くとそこに立っていたのは女性だ。
年齢は・・16、7ってとこか?
「ちょっと潰させてくれるか?」
放送を行ってるのは、菘っていう校長です。
後に登場します。