第4話
モヤモヤした日々を過ごした。
次のネイル日までまだ10日もある。クミちゃんに聞きたい。でも、あくまでお客さんとして会って聞きたい。そんな風に自分に言い聞かせるように過ごしていた。
でも……意外な言葉が返ってきたのだ。
「えー。マユさんに言ってませんでしたか?あの髑髏、人気で他の人にも使ってネイルしてるんですよ~。」
(ほほう。軽く言うじゃねぇか、クミさんよ……!!)
でも、5年前のあの時、確かに様子がおかしかった。
「クミちゃん、本当の事言って……5年前、初めて私がここに来た時、HYEIの話してから、クミちゃん黙ってって、今思えば様子がおかしかった……。」
「……あー。……なるほど。あの頃か……。」
クミちゃんは少し悲しそうな顔をして、話し始めた。
「マユさん、私の前職知ってますか?私……ベーシストだったんですよ。」
えーーーーーー!ベーシスト?!えっと、バンド?ベース?HYEI?繋がった??
「でも、違いますよ。私、ネイリストなので、指輪外してるんですけど、結婚してて。」
「えーーーー!」
色んな意味でビックリして、ずっと話を聞くはずが、思わず声出ちゃうよね?!そういう案件だよね?!
「え??クミちゃん結婚してたの?いつから?え?HYEIは?どっからHYEIが出てくるの?」
(気が付くとHYEI早よ!ってなってた……。いっけない。出て来て欲しくないんだった。)
「あー。HYEI君?」
(え?HYEI君??出てくる?これから出てくる?)
「一応、面識があるくらいかな?」
(め、面識ーーー!どのくらい?面識って?挨拶?デエト?)
私の慌て様にクミちゃんは笑いながら言った。
「あはは。まゆさんが思ってるような感じじゃなくて……。」
クミちゃんの話によると、クミちゃんはHYEIとは違うバンドでベーシストをやっていて、その時に挨拶をする程度だったらしい。クミちゃんがHYEIの話を聞いて黙ったのは、自分が夢を諦めて、ネイリストに転向したことをちょっとだけ後悔している時期だったんだって。
(皆、色々あるんだね……。じゃないよ!!)
「じゃあ、これは?」
私は、“奴”のインスタを見せた。
クミちゃんの顔色が明らかに変わった。
「ルカ……。」
え?ルカ?誰……。
つづく。
※この作品は「カクヨム」にも掲載しています。




