第一色 白の少年
初投稿です。
拙い部分もあると思いますが、お願いします。
「グァァァァァァ!!!!!!」
「な、何でこんなところにオーガがいるんだよ!?」
ここはまだ『白壁』の内側なのに…!
「ど、どうしたら…」
まだ自分の色も分かってないのに、こんなところで終わるのか?
その時、目の前のオーガの首が音もなく落ちた。
「大丈夫か?少年。」
今思うと、この瞬間から僕の物語は始まったのかもしれない。
「ジューク!置いてくぞ!」
「カイル!ルミアがついてこれてないって!」
「ま、待って…」
僕達は今、このジェイル国最大の学校である、バルト学校の受験会場に向かっている。
ルミアに歩く速度を合わせたところで話をしていると、
「それよりジューク、あんた本当に『色』を使えないのにバルトを受けるの?」
「うん。『色』はこれから発現するかもしれないし、もう二人に置いていかれたくないしね。」
「やっぱその気持ちは変わらねぇか」
『色』とは、一人一色、右手の甲に現れる色のことだ。一人一つこの色にちなんだなにかを無から生み出し操ることができる。カイルなら赤で炎を、ルミアなら水色で氷をそれぞれ操れる。そして僕は…
「まぁ、俺も白がどんなものになるか見てみたいしな。」
そう。白だ。僕の住んでいた西区でも僕しかいないらしく、とてもめずらしい色だ。
「いや、私が言いたいのはそうじゃなくて。」
「「?」」
「実技試験の話よ。『色』が使えないのに、他の受験生に勝てるの?」
「そこは大丈夫だろ」
「何でカイルが言い切れるのよ。」
「あぁ、お前ほとんど見てなかったから知らねぇか。」
「こいつ、オーガに会ってから体鍛えてんだよ。」
「いや、それは知ってるけど…」
「それに加えて剣術も学んでるからな。『色』なしの剣術の勝負だと俺は普通に負けたぞ。」
「カイルが負けたの!?」
僕はあの時から、あの人のようになることを目指して体と剣の腕を磨いている。ただ、それだけでは…
「それだけでは、まだ勝てるかわからないけどね…」
『色』は、自分の『色』の最も印象に残っているものが反映されると言われている。
前カイルに赤といえば?と聞いたことがあるが、その時は炎と即答していた。その点僕は白といえば?と言われても思いつくものが多すぎる。僕が『色』を使えないのはそのせいもあるのかもしれない。
「っと。見えてきたな」
「大きい…」
「ここが…バルト学校…!」
着いた。僕達の夢の第一歩であり、最初の壁。
「ここらで、もう一度目標の確認しとくか?」
「そうしようか。」
「さっきもしたんだからよくない?」
「ルミアはわかってねぇなあ。こういうのは雰囲気だろうが」
「じゃあやろうか。」
出発前にもした、僕達の目標の再確認。
「全員で卒業して、S級冒険者になる!」
「「オゥ!!」」
「お、オー!」
あまり乗り気でないルミアと、やる気がありすぎるカイルとともに、僕達は受験会場に向かった。
「筆記終わったね…」
「難しかった…やばいかもしれねぇ…」
「そう?割と簡単じゃなかった?」
筆記試験が終わり、実技試験までの待ち時間に僕達は昼ごはんを食べながら試験について話していた。
「そういえば、実技試験の相手って誰なんだろうね」
「例年通りに行けば試験官、つまり教師との模擬戦らしいな」
「近接戦闘主体の方と当たることを祈っておくよ…」
僕は『色』がまだ発現していない関係で、どうしても近接戦闘でしか勝ち目がない。そこまで速度が速くない攻撃であれば少しは躱せるかもしれないが、いつまでも躱せるものでもない。
「さて、そろそろ行くか」
「そうだ…ん?」
「ジューク、どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ」
今、すれ違った人がすごく睨んできたように見えたのは、気の所為だったのだろうか。
そう思って振り返ってみるが、その目線は、もう感じなくなっていた。
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