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スタリーナに憑いていたもの



【オフォクス様、これは……?

 サクラお兄ちゃんとアオ先生に何があったんですか!?】


【サファーナも治癒か浄化を頼む。

 しかし何故、此処に?】


【オニーサン、えっと、まだユーレイなウンディおじさんが脱走したとヨシ様が】


【此の様な時に……】

【飛鳥。

 ショウの首輪に完成した心話環を付け、ショウ内のアーマル様をお支えする為に魂尾(たまのお)アーマル様とウンディ様の意思塊が出易くなるよう、チャーム化した保護珠も改良している。

 しかし出易いが故に、ウンディ様御自身が近寄れば意思塊が吸収され、消滅する可能性が高い。

 現状、お二方の記憶やらは神世に封印されていると俺は考えている。

 故に記憶の写しを保管している意思塊が消滅するのは避けたい。

 ショウも出掛けると言っていた。

 会わせぬよう、二者を探してもらいたい】

【ふむ。

 ならば利幸を発見し、ショウと会わさぬ事を最優先として動いてもらいたい】


【はいアカお兄さん、オフォクス様!】瞬移!



―・―*―・―



【闇呼吸着するには弱すぎるんだよねぇ……】


悪気(あっき)を高めれば吸着できるよね?】


【うん。不穏禍くらいワル出たら、逃げる小っちゃ滓でも吸着できるよ♪

 でも、どぉするの?】


【俺が出て行ってみるよ】【ダメ!】

【そう言わないで。

 俺はブルー様に似ているらしいからね。

 煽ったら逃げ込むから吸着してね】


【うん……やっぱり俺も出る!

 青生兄、封乱悪牢(フウランアロー)してね。

 確実に捕まえるから】


【言い出したら聞かないよね】【うん♪】

【なら彩桜の魂に定着する前に急ごうね】


【うんっ♪ 一緒に行くの~♪】るんるんる~ん♪



―・―*―・―



「若威さん、あちらの拡張客室を使わせて頂きますね」


「何方がお泊まりに?」


「十九音楽事務所のSo-χ担当のお二人です。

 この後をお願いしてもよろしいですか?

 So-χマネージャーの来光寺さんと打ち合わせをすると思います。

 メーアも入ると思いますので通訳も」


「来光寺、魁さんですか?」


「ええ。お知り合いでしたか?」


「はい、少しだけですけど。

 それでは お任せください」


と、バトンタッチできたので、廊下に出た狐松(コギ)は梅華と力丸の所へ。



――きりゅう動物病院の処置室には子狐達が居た。

【壱弐参は?】


【まだ瞬移できませんので。

 お邪魔でしたら修行に戻ります】

紫苑がペコリ。


【力丸を運んで来てくださったのですよ。

 治癒も当ててくださって。

 居てはなりませんか?】

予約外外来の診察を終えた梅華が来た。


【力丸が心配なのですね。

 では治癒をお願いしますね】【【【はい♪】】】

【調べますからね】【【【お願いします!♪】】】


子狐達に微笑んだ狐儀は、ぐったり伸びている力丸を調べ始めた。



―・―*―・―



 青生と彩桜は異物の神眼的な視線を避けて二方向から近付いていた。

魂内なので獣神秘話法であろうが内緒話であろうが感知されるだろうと閉じているが、連携には自信たっぷりだ。


 せ~のっ!


彩桜の閉じた心の声が聞こえる筈もないが、青生はピッタリなタイミングで異物の『正面』に瞬移した。


《ヒノカミ!?》


〈うん。あの頃の俺は未熟だったからね。

 後片付けをしに来たよ〉

【光明煌輝、ちっちゃ破片滓を魂縛】

同時に瞬移した彩桜は異物の『真後ろ』に居た。


《逃げたと……気付いておったか……》


〈当然。光が弱いのも自覚していたしね〉

【昇華闇障暗黒――】


《…………!》

何やら呟き、捨て台詞らしいものを吐いて逃げようと素早く動いた。


【――激天大闇呼吸着!!】

〈させない! 浄破邪封乱悪牢!!〉

【【光明光化、総解還!!】】


異物は魂外に出ようとしている。

〈出られにゃいよ~だ♪〉魂縛したも~ん♪

浄破邪を纏う光針矢が追い〈捕まえた~♪〉

大きく弧を描いて闇呼玉へ〈吸着すぽっ♪〉


《おのれ何奴!》


〈あれれ~? まだ喋ってる~♪

 さっすが異界くんだねぇ。

 俺、闇のチェリー♪ ヒノカミの弟♪

 知らなかった? でも、もぉ相殺消音♪

 だって捨て台詞的呪術するんだも~ん♪

 あれれ? 青生兄どこ?〉


【その闇呼玉を魂外に出してもらえる?】


【うんっ♪ はい♪】トスを上げて~サーブ♪


【本当に器用だね♪

 彩桜のドラグーナ様も出してあげてね】


【うんっ♪ ん? 青生兄、戻っちゃった?】


【うん。彩桜も早くね。

 紗ちゃんが心配しているよ】【ん♪】



「あ♪ 兄貴達み~んな居る~♪

 瑠璃姉 ランちゃん、神世の滝 行こっ♪」


「ったくイキナリ元気だよなぁ」

「ほら先に食え♪」「うんっ♪」

「心配したのですよ」撫で撫で。


「えへへ~♪ いっただっきま~す♪」

【ヘンなの入っちゃったの~♪】パクパク♪


「おそらく、ですが闇禍に憑かれた異界の神様の残滓です」


「スタリーナの神力に潜んでおったのか?」


【うん。美味し~♪】パクもぐパクもぐ♪

【たぶん~しか言えにゃいけどぉ、魔女にも入ってたから闇禍も呼べた思うのぉ】


「つまりドラグーナ様の原点回帰は正解で、あのままだとスタリーナ様は次の魔女になる運命にあったんだと思います」


「では災厄は?」


「それは起こります。

 その次の災厄を回避したんだと思います。

 偶然にも阻止してしまったから、異界の異物は双子のドラグーナ様に憑いて続行しようと動いたんだと思います。

 この件に関しては拾知が妨害されていますから『思います』ばかりなんですけどね」

「でもねっ! 青生兄、正解て思うのっ!」

「ほらよ、おかわりだ♪」「うんっ♪」


 たっぷり食べて満足した彩桜は青生達と共に禍の滝に行き、他の兄弟は安心して帰宅したのだった。



―・―*―・―



【どうやら悪い事ではなく、覚醒――神力が殻を破る寸前のようです。

 力丸、破る迄は苦しいでしょうが、破れば狐からは脱せますよ】

力丸は半獣神なので獣神には見えない部分もあるだろうと慎重に探っていた狐儀が微笑んだ。


【……がん、ばり、ます……】


【鮒丸も半獣神と成ったのですから、同じように狐から脱すれば、神としての姿を取り戻し、人世生物としての次の姿も選べるようになりますよ。

 頑張ってくださいね】


【はい!♪

 でも……こんなにも苦しいものなんですか?】


【王子の皆様はダグラナタンの呪と支配に縛られております。

 力丸と鮒丸の縛りは解きましたが、その痕跡までもを完全にとはゆかないようです。

 その痕跡と、後込めの獣神の神力とが反発をしているのです。

 ですので、この苦しみはダグラナタンとの最終決戦と言えるでしょう】


【そっか……それなら僕も乗り越えます!

 ん? 次の姿が選べる? ……て!?】


【修行は続くのですよ。

 第二段階に入るのです。

 そうして神王の子として恥ずかしくない者に、大神に成ってくださいね】


【はい!♪】



―・―*―・―



 異界の異物を魔女大器に封じて最速で人世に戻った彩桜と紗は、社でオフォクスに報告して彩桜の部屋へと瞬移すると、アトリエに行こうと駆け出した。


渡り廊下の中程で洋館の庭への扉が開き、姿を見せたのは奏だった。


「カナデお姉ちゃん♪

 お歌の練習、終わったの?」


「ええ。喉を休める休憩に入ったから、事務のアルバイト先に行こうかと思って。

 ……彩桜君、お願いが、、あるのだけれど。

 少し、いいかしら?」


「はい♪ 居間がいいですか?

 ヒト多いから俺の部屋?

 庭でもいいですよ♪」


「それじゃあ……お庭で」


「靴履いて出ま~す♪ 行こっ♪」「うん♪」



 彩桜と紗は庭に面した古い玄関から出て、奏と一緒にバスケコート横のベンチへ。紗を真ん中にして並んで腰掛けた。


「あの、ね。私、So-χに専念しようと思って。

 だから事務のアルバイトも辞めようと……これから、その話をしに行くの」


「それじゃランちゃんのフルート教室、俺が引き継ぎます♪

 超有名バンドなるの確定ですから、頑張ってください♪」


「いいの? 紗ちゃんも」「「うん♪」」


「そう。ありがとう」


「言いにくい思ってたでしょ。

 基礎シッカリ、ありがとございました♪

 次の発表会も出てく~ださい♪」「うん♪」


「え?」


「So-χにも出させてく~ださい♪」「うん♪」


「いいわよ♪」「「やった~♪」」笑い合った。


「でも、アパートのお部屋どぉするんですか?」


(かける)がショウから出られたら考えようかと思って。

 それまでは私が借りておくわ。

 それじゃあ行ってくるわね」


「はい♪「行ってらっしゃ~い♪」」


「ありがとう。彩桜君、紗ちゃん」


「あっ、ショウのお散歩は?」


「あ……お願いしてもいいかしら?」


「「うんっ♪ 行ってらっしゃ~い♪」」

大きく手を振って、笑顔満開で見送った。



「黒瑯兄に犬用と人用のクッキー焼いてもらお♪

 土手で食べよ~♪ ランちゃん行こっ♪」


「うんっ♪」【あのね……】


【ん?】


【結婚したんだから『ちゃん』要らないの!】


【じゃあ……ラン?】【うん♪】


【だったら俺も『お兄ちゃん』要らない♪】


【えっ、、と~……サクラ?】【うんっ♪】


【でもホントにいいの?】


【どして? 神様なんだからホントは ず~っと歳上なんでしょ?】


【それ言わないで!】


【でもホントは?】


【神世で私の人姿 見たでしょっ】


【じゃあ今のラン、まんま?】


【そーよ! 人に換算したら同じくらいなの!】


【怒らないでよぉ。黒瑯兄トコ行こ♪】

【お~いバカ彩桜。

 誤魔化してないでシッカリ謝れよな。

 レディに歳聞くとか有り得ねぇだろ】

【白久兄てば盗み聞きしてたのぉ?】

【すぐ近くだから聞こえたんだよ!

 黒瑯には言っといてやるから謝れよなっ】

【ほえ~い】マーズ事務所に居たのかぁ。


「えっとぉ、、ラン、ごめんなさい!」


「許してあげる~♪」【76歳だったよね?】

【もうっ! お爺様は許さない!】【痛っ】

【許さないんだからっ!!】【痛いってば】


「俺も痛いからヤメてぇ~」退散するのぉ~。


「あっ、ごめんなさいサクラ! 待って!」


笑い合って、じゃれ合って、楽しくノワールドラコへと駆けて行った。







スタリーナに憑いていた異界の異物の件は無事に終わり、紅火作の魔女大器は再び活躍したのでした。


飛鳥(サファーナ)がトシとショウを探し回っていますが、ショウは飛鳥の知らない犬友達の家を巡っていて、トシはアーマル・飛翔(たかし)を目指していますが、上手く瞬移ができないので神出鬼没にウロウロしているんです。

その途中途中で事故を起こさせたり、見えた人を卒倒させたりしているようですが、まだ祓い屋にも捕まっていません。



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