ダグラナタンの四獣神狩り②
【悪ダグさんの意識の断片、滝近くだけじゃなくてアチコチ落ちてるの。
何度か瑠璃姉に乗って飛び回ったからソレ集めてたの。
不穏あるから浄化しないとだし。
でね、獣神様の神力とか封珠に入れて使う術、心の声が教えてくれたみたい。
たぶんソレ、ザブさんが教えた古~い術なの。
だから獣神様の神力ドロボーも続けてたの。
ソレもしたくて獣神様 狩りたかったの。
盗んだ瞬移で滝近くと神王殿 行ったり来たり。
で、近衛団 潰したの。
使徒神団の女神様も いっぱい捕まえたの。
眠らせて神王殿の守護にしたみたい。
ランマーヤ様だけ長だから堕神刑なったの。
たぶん何か盗みたくて処刑したの】
【ランマーヤは幼いが『虹の女神』の称号を得た大神だ。
ドラグーナの子等には儂等、月と滝の四獣神や前四獣神、友神等の欠片を混ぜて生んだが故か、ドラグーナと同じく鱗色を変えられる者は生じなかった。
アーマルは己と妻の龍のみ、そしてドラグーナからも欠片を得て補助神力としてランマーヤを生んだ。
ランマーヤはドラグーナの七神力全てではなかったが受け継ぎ、他にも発現したが為にドラグーナとは異なる七色に鱗色を変え、強力に発動出来ていた】
【だから虹の女神様?
あ♪ ホントに虹だ~♪】るんるん分析中♪
【ランマーヤの基底鱗色は白。
故に黄金が基底のドラグーナよりも虹らしく美しい】
【ギラギラしないの~♪
赤の堅固、紅火兄と同じ~♪
だからドラグーナ様の遺伝だね♪
橙が陽神? ええっ!?
ランちゃんヒノカミ様なのっ!?】
【そのヒノカミでは無かろうよ】
【ふぅん。恵みの神力でぇ、陽光そのもの?
陽の気なるの?】
【然うだな。
神にとって陽の気は正義。正しき道だ。
故に勝利を導くとも言われておる。
絆を通じ、発動すればよい】
【ん♪ 正義は勝つ、ね♪
陽神の恵み♪】
彩桜が春の陽になったかのように発光した。
【あったか~♪ 兄貴達は?】
【【眠くなっちまうよ】】
【あったかぽかぽかですね♪】
【力も湧く。
彩桜が発すれば回復も含むのだろう】
【む。納得だ】
【ん♪ 黄色が昇華の弱いの。
だから自分用なの。領域ムリ~。
緑が再生? あ、蘇生ねっ♪
一時的復活だから治癒したら完璧♪
青は青生兄 瑠璃姉と同じ治癒~♪
藍が浄滅。んと、浄破邪と滅禍、合体?】
【禍に対してならば最強の浄化だ】
【へぇ~♪ 紫は神速の加速。って?】
【ドラグーナの神速は藤慈が持っておる動作の加速だ。
極めた藤慈は瞬間的に薬を成す。
ランマーヤの加速は詠唱も含む。
通常、術を短縮すれば神力消耗は数倍に大きくなるが、加速を持つ者は消耗無く短縮が叶うのだ】
【ランマーヤ様すっごいね♪】
【絆を結んだのだから彩桜ならば全て使える筈だ】
【ん? 『筈だ』?
青生兄、瑠璃姉のシッカリ使えてるよねぇ。
あ、そっか~。俺が足りないんだねっ。
修行、一緒に頑張るもんね~♪
あ~、そっかぁ。
ランちゃん、死神に狙われてたんだったねぇ。
悪ダグさんが狙ってたんだ~。
結界の龍神様みたく眠らせて神力使うつもりだったのかにゃ?
あ、拾知が反応したから正解♪
じゃあ盗めなかった? また正解~♪】
【お~い彩桜ぁ、話を進めてくれぇ】
【ん? ランちゃん大事なのにぃ】
【ドラグーナ様みたいな大神様がナンで堕神なんかにされたんだよ?】
【だってぇ、ドラグーナ様お返事ないんだもん。
呼び出されて、どこ行ったのか、ぜ~んぜん拾えにゃいんだもん】
【呼び出されたのは確かなんだな?】【うん】
【ダグラナタンに、なんだよなぁ?】【うん】
【ドラグーナが人世の最上端に来たのは感知した。
しかし神道では無かった。
神道から外れた場所は危険だ。
特に境界付近は危険極まりない】
【じゃあソレも探す~♪】
【本当に危険な場所だから飛ばないでね】
【ドラグーナ様、起きた~♪】
ドラグーナは兄弟から抜け出て、円座している真ん中に浮かんだ。
【うん。話すよ。
あの日……マヌルの里に行けと怒って、残っていた子供達を追い出した、あの日に連続して現れた禍の最後のがダグラナタンからの手紙を落としたんだ。
『次に大禍が現れた場所に来い』それだけ。
すぐに現れたと感じたよ。
転送されないのは不思議だったけど、四獣神としては行くしかない。
何処かに落とされたら大変だからね。
瞬移したら境界で、空っぽなグレイとグレイに偽装したダグラナタンが神力封じの縄で縛られて宙吊りにされていたんだ。
どちらも本当に気絶していたよ。
そんなのを把握していた間にも大禍は更に膨らんでいて、触れれば どちらも滅されるのは確定だったんだ。
操禍持ちのダグラナタンは放置しても問題なさそうだけど、神世側の少し離れた場所には軍神達が居たんだ。
だから俺は行っただけで堕神にされるのは決まっていたんだよ】
【助けるのに触れても禁忌、スルーして助けなくても罪、膨らんでるから猶予なくて術とかで滅禍しても禁忌なんだよね?】
【その通りだよ。
人神が禍に襲われているのを見たら獣神は助けなければならないんだ。
でも人神に触れるのは禁忌だから、術も何も使わずに禍を滅するしかない。
もしくは禍を連れて飛ぶとかね】
【連れて飛んだら禍に滅されちゃうのぉ】
【そうなんだよね。
だから俺は堅固を応用した空間切りで禍を閉じ込めて、圧縮して滅したんだ。
術じゃないんだけど、軍神には そんなの分からないから、それでも罪だとされてしまったんだよ。
グレイとダグラナタンを堅固結界で保護したんだけど、それもね】
【無知って罪だよねぇ】【【わざとだろ】】
【そこは罠だからね。
軍神達は境界を越えられないから王を渡せと言ってきたよ。
だからダグラナタンだけを空間ごと飛ばしたら、ティングレイス王誘拐の罪も重なってしまったんだ。
王は渡した方だと言ったら暫く揉めてね。
どんどん罪が増えてしまったんだよ】
【狐儀を行かせた筈だが?】
【うん。来てくれて、罠だから人世に逃げるよう言ってくれたよ。
オフォクスは その為に人世に降りたんだからとね。
グレイも連れてでいいからとも。
そうしようと降り始めたら、グレイが意識の無いまま軍神達の方に飛んでしまったんだ。
たぶんダグラナタンに引き寄せられたか、支配で動かされてね。
グレイは友達だから……俺は見捨てられないと、堕神にされるのを覚悟して軍神達の方に行ったんだよ】
【ったく卑怯なヤツだよなっ!】
【狐儀もドラグーナ様のシッポ掴んででも行かせなきゃいいのによぉ】
【ありがとう。でも決めたのは俺だからね。
狐儀君を責めないであげてね。
だからこそ次々と生まれる君達を献身的に世話をして護り続けてくれたんだろうからね。
軍神達に神力封じの縄を掛けられた俺は、裁きも何も無く、堕神刑に決まったからと、神王殿すらも見ずに浄化域に。
だからたぶんトリノクスもマリュースも、裁きすらも無く堕神刑だったんだろうね。
浄化神をしていたタイガルル様が俺を助けようとしてくださったんだけど、それならグレイを助けてほしいと頼んだんだ。
俺は堕神にされても人世にオフォクスが居るからとね。
そんな話をしていた時にグレイ偽装のダグラナタンが来たんだよ。
タイガルル様が追い返した その後は、もう俺は最速で処刑されてしまったから知らないんだ】
【お~い彩桜ぁ、泣くなよなぁ】
【だってヒドイんだもん】ぐすん、ぐすっ。
【ありがとう彩桜。藤慈も泣かないでね。
俺は今の状態を楽しんでいるよ。
君達で良かったと、幸せだとも思っているんだ。
オフォクスには苦労を掛けたけどね】
【大した事では無い】フン。
【うん、ありがとう】にこにこ。
【ん? また彩桜が光ってる?
お~い彩桜、大丈夫かぁ?】
【俯いてお陽様すんな~】
【ヒノカミにゃんだもん。
陽の気しないとにゃんだもん】
【だったら顔上げろってぇ】
【うん】ムリヤリ笑顔。
【笑顔が怖いってぇ。けどま、いっか♪】
【にしても青生は遅いよなぁ】
【ん? 黒瑯兄、見てにゃいの?
青生兄、総合病院で手術中だよ】
【【ナンで青生が!?】】
【白久兄、スマホ オフってるでしょ】【あ!】
【だから青生兄が電話受けて白久兄して、追っかけてった瑠璃姉が助手な青生兄してるの。
い~っぱいヒト見てるから、ちゃんと開頭オペしてるの】
【早く言ってくれよなぁ】
【青生兄が言わなくていいって。
話していてね言ったから待ってるんだもん。
あ、終わったみたい~♪】
【うん。縫合したら終わりだからね】【ん♪】
【青生スマン!】【謝らないでくださいよ】
【青生ってスッゲーな♪】
【動物で慣れているだけだからね。
黒瑯が様々な料理を美味しく作るのと同じだよ】
【料理と一緒にされるとなぁ】
【黒瑯のなら料理の方が上だよね♪】
【余裕なのかよ?】
【もう外皮だからね】【黒瑯兄ジャマなのぉ】
【あ……悪ぃ!】【にしても上手いよなぁ】
【白久兄さんはブランクがあったからですよ。
俺は日常的に縫合していますからね】
【練習……するっきゃねーかぁ】
【ねぇねぇ白久兄もジャマするのぉ?】
【【余裕綽々だろーがよ】】
【だって早く行きたいんだもん】上を指す。
【ですから白久兄さん、後の対応はお願いしますね】
【ゲ……廊下で待ち構えてやがる……】
【藤慈、助手役をお願いね】【はい♪】
【瞬移で離脱しますよ?】【わあっ!?】
藤慈が連れて瞬移。瞬着替えして握手。
ここまで本当に一瞬で、記憶を貰った。
青生と瑠璃は握手前に姿を消していて、
【では行ってきますね♪】 【はい♪】【おう】
社で彩桜を連れて神世へ行った。
【更衣室? そんなら録画されてねぇよな】
【そうですね♪】
【藤慈、オッサンわんさかなのに楽しいのかぁ?
あ~青生するのが楽しいのかぁ】
【はい♪ それは大きいのですが、こんな夜遅くに白久兄様の手術を見ようと集まってくださったのですから嬉しいのです♪】
【ありがとな】苦笑。
【あまりお待たせするのも……】
【だな。行こう】【はい♪】
出ようと――【ん?】 【はい?】
【青生は無免許だよなぁ】助手にしているが。
【いいえ、4月に。
私も獣医師免許を頂きました♪】
【はあ? んな時期に試験してねぇだろ】
【はい。青生兄様と一緒に砂熊教授のお部屋で受けました♪】
【彩桜とサーロンの大卒資格試験みたいだな】
【はい♪ ちょうど そんな感じです♪】
【ったく俺の弟は天才ばっかだなっ♪】
笑って白久は藤慈の肩をぽんぽん。
表情を引き締めて廊下に出た。
ドラグーナ様も話してコンプリートです。
こんな過去があっても、月では改心しているからと許していましたよね。
懐が広大と言うか……お人好し過ぎ?
人じゃなくて神様ですけど。
神様だからこその許す心なんでしょうか。




