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改良忍面と新忍法



【昇華煌輝、全封堅固】

【追い詰めたもんね~♪

 昇華闇障暗黒、激天大闇呼吸着!!】


 樺太には、もう1体のユーレイが居り、狐儀(緑マーズ)藤慈(藤マーズ)理俱(紫マーズ)紅火(赤マーズ)彩桜(桜マーズ)が挟んで追い詰めたところだった。


〈そうか。お前か……輝竜 彩桜!〉


【あっ――】 【彩桜様っ!!】

桜マーズは闇呼玉を掲げたまま固まった。


この場から離そうとした緑マーズに悪神が怒り、

〈邪魔立てするなケモノめがっ!!

 神力弱化、闇千華掌(せんげしょう)!!

 闇千華掌連撃!!〉

桜マーズに向かうマーズ達を次々と闇華で包んでいった。


〈その闇神力、全て貰い受けてやろう。

 此処で消滅するがよい〉

桜マーズの前へ。

面を取ろうと手を伸ばした刹那、彩桜からバリッと音を立てて雷撃とも言えそうな程に強い放電が四方八方に拡がった。

〈ぐおうっ!?〉【神力封じ雷化万華掌(まんげしょう)!!】

桜吹雪を巻き上げる雷をビシバシ纏った闇華がユーレイを包んだ。


既に桜マーズは飛んでいた。

【闇千華掌無効化!! 激天特大闇呼吸着!!

 闇華 丸ごとコッチ来いなのっ!!】


グ……ググン――シュポッ。


【総解還。みんなに回復治癒~♪】包んで回る。

【青生兄トコに沈める~んるん♪】瞬移。



【……そうか。ガネーシャ様と同じく不可侵か】

【そのようですね】〖呼んだ~?♪〗ぽよん♪


【【【【ガネーシャ様……】】】】

【彩桜は更に強くなったのですね?】

皆、膝を突いていたが赤マーズだけが立ち上がった。


〖そ~だよ~ん♪

 女化されて呪を重ねられたから青生と一緒に修行しに来てたんだ~♪

 でも青生はボクの欠片が入ってないから父様のを強化したんだよ~♪〗

マーズを治癒で包んだ。


【ありがとうございます。

 拾知と先読みが重なると、より強くて確かな予知が出来るのですか?】

藤マーズも立ち上がった。


〖ちょ~っと方向性が違うんだよね~♪

 だから~、それぞれかなっ♪〗

【ガネーちゃ師匠~♪ コッチお願いなの~♪】

〖はいは~い♪〗瞬移♪



―◦―



 青生と瑠璃は中学校に現れたユーレイと捕らえたばかりのユーレイからも摘出しなければならなかったので、治癒眠を彩桜に、回復と浄化をガネーシャに頼んだのだった。


〖まだ皆お面してるの?〗


【コレね、紅火兄が改良したの♪

 支配返し付きなの~♪

 眼鏡も持ってるけど隙間あって危険でしょ?

 だから誰も見てないけどマーズしてるの~♪】


〖そ~なんだ~♪〗


【俺ね、新技マスターしたから、みんなが使えるよぉにアレンジしたいんだ♪

 雷化は出来たの♪ 光化も出来そぉなの♪

 他にも考えてもらいたいの~】


〖うんうん♪ やってみて~♪〗


【神力封じ雷化万華掌♪】

黒くて大きくて雷光ビシバシな蓮華座が現れてシュシュシュシュッと閉じて蕾に。

【ゆっくりしたけどホントは速いの♪

 コレで捕獲するの~♪】


〖へぇ~♪ カッコイイねっ♪〗


【でしょでしょ~♪ 忍法ぽいでしょ~♪

 みんなのは神力封じじゃなくて神力弱化なって、万じゃなくて千なるけど誰でも使えるにしたいの♪】


〖つまり術だよね? じゃあ考えよ~♪〗



―◦―



【藤慈、動けるか?】


【はい♪ 青生兄様のお手伝いですね?】


【行こう】【はい♪】瞬移×2。



【ったく元気だよなぁ。

 あの神力弱化には神より人の方が強いのか?】

狐神兄弟は激しい疲労感で動けずに横になって回復に努めていたが、どうにかこうにか理俱が上体を起こした。


【その可能性はありますが、動けるのでしたら悪神やらが残っていないのかを確かめてください。

 私は取り憑かれていた生徒を見ておきます。

 おそらく欠片持ちですので】

狐儀も ゆるゆると起き上がった。


【そうか。動力源として利用されたんだな?】

マーズより蛇の方が動けそうだと変えた。


【そうなのでしょう。

 欠片は眠っているものと思っております】

弱々しく笑って狐松の姿に変えると瞬移した。



【そんじゃあ張り切って蛇眼走査!】



―・―*―・―



 夕方、瑠璃に連れられて青生と彩桜は神世に行った。



 ガネーシャ 紅火 藤慈は保護珠入りの水槽を連れてキツネの社に。

着いたところに白久が現れ、追って来たらしい黒瑯も続いて現れた。

【それは? 何があったんだよ?】


【マーズに絡む地と成ったが故に狐儀殿と理俱が調べていた樺太に潜んでいた悪神と魔女から保護した古の神々だ。

 古カリュー、新カリュー(いず)れかに絡む方々だろうと考えている。


 青生が声を掛けなかったのは白久兄と黒瑯が明け方迄 修行していたからだ。

 休む事も大切だと俺も思う】


【そっか。ま、納得した。

 で、これからは手伝えるのか?】


【長く神力を吸い取られていた為に未だ意識が戻らぬ。

 治癒も長く維持せねばならない。

 双璧と供与は有難い。


 それと新たな忍面(しのびめん)だ。

 此方をメインとしてもらいたい】

黒面を渡した。

【俺は次に必要となる物を作る。

 ガネーシャ様、兄弟をお願い致します】

スタスタとオフォクスの部屋へ。



〖じゃあ今日の修行ねっ♪

 双璧も供与も揺れないよ~に 一定発動を維持するんだよ~♪

 けっこう難しいからねっ♪〗


【よーし! やってやる!】【オレもだ!♪】

『おい白久と黒瑯!

 この中にフレブラン様も居る!

 頑張って目覚めさせてくれ!』

「「おう♪ 任せやがれ♪」」


「全て魂核の欠片で、真核そのものが多いと聞いています。

 フレブラン様は名医ですから、人神様用の薬が一気に良くなるでしょう。

 白久兄様、黒瑯兄様。私も頑張ります!」


「あ~そうか。今、藤慈が知ってるのは獣神様用の薬なんだな?

 そんじゃあ気合い入れるぞ!」


「おう!♪」「はいっ!♪」


黒瑯が挙げた拳が掴んでいる忍面が白久の視界に入った。

「で、この面は何が変わったんだぁ?」

自分のをじっくり観察。


「支配返し効果付きです♪

 私達は魂材が人神様用ですので、悪神と魔女の支配は とても危険です。

 ですので昨夜、紅火兄様は大急ぎで作ってくださったのです」


「「紅火も休むべきじゃねぇのか?」」


「そうですよね。

 ですが……聞き入れてくださるとは思えませんし、今は急ぎ物が立て込んでいるだけで、きちんと体調管理をしていると思いますよ」


「「ま、紅火だもんなぁ」」


『やらないの?』小首傾げ。


「「「やります!」」」


『後で新忍法も教えてあげる~♪』術千華掌♪


「「「ありがとうございます!」」」



―・―*―・―



 そして夕刻、かなり暗くなってから。

【狐儀様、その3年生は無事ですか?】

サーロンは声を掛けてから施錠されている保健室のドアを抜けた。


【3年3組の鹿羽(かのう) 季勇(ときお)君です。

 今は眠っているだけですよ。

 サーロンの的確な浄化のお陰です。

 部活動と勉強会の皆さんは?】


【まだアトリエですが、気になるのでボクだけ抜けて来ました。

 もう暗くなるのに迎えにも来ないのですか?】


【父子家庭で、お父様は出張中でしたので私が預かるとしました。

 今は怪我をした生徒を病院に連れて行った西東(さいとう)先生を待っているだけですよ】

小走りな足音が迫っていた。

狐松は腰掛けたまま解錠して待った。



 控え目なノック音に続いて静かにドアが開く。

「狐松先生すみません、遅くなってしまって。

 鹿羽君の容態は?」


「検査結果は、発熱はありますが他に異常は見られないとの事でした。

 眠っているだけのようです。

 受験勉強の疲れでしょう。

 熱に浮かされて輝竜君に追い詰められた夢でも見たのでしょうね。

 学内中で天才だと有名ですからね。

 お父様には連絡が取れていますが出張中ですので、今夜は私が預かります」


「輝竜さんのお宅でしたら安心ね。

 白久君と青生君に宜しくお伝えくださいね。

 彩桜君もお願いね」

西東は文化祭以降、青生も医師だと思っている。


「ええ。名医ですのでね」「はい♪」



―◦―



 眠らせたままの季勇を連れて帰った狐儀は玄関を入るとキツネの社に瞬移した。


【狐儀、ソイツは?】

水槽を囲んでいる者達が向いていた。


【獣神の欠片持ちです】

白久と黒瑯には取り憑かれていたとは話さなかった。

【ツクヨミ様かアマテラス様にご確認頂きたく連れて参りました】


【ふ~ん】【じゃあスサの仲間か?】


【そう感じるのです。

 理俱ならば、より確信を持てるとは思いますが、今は死司の仕事をしておりますので。

 サーロン、参りましょう】【はいっ】

大神の修行部屋の1つに入った。



 直ぐ様ツクヨミとアマテラスが飛んで来た。

【【スサノオ!?】】


【やはり、そうでしたか。

 神力との置き換えのご協力をお願い致します。

 当人は無自覚。

 悪神に憑かれておりましたので話すらしておりません】

本人の同意があれば置換は容易。


陽と月の双子が頷き合う。

【可能だ】【お任せくださいね】


【ありがとうございます】【狐儀師匠~♪】


【音色の大神が来たようだな♪】【ええ♪】


【サーロンも見~つけた♪】現れた。

【俺もやる~♪】サーロンと手を繋いだ。


【彩桜、また強くなった?】じっと手を見る。


【今日、ちょっと固められて危なかったからアミュラ様に俺の名前、新しいの貰ったの~♪

 本名、置き換えて神名なったから『輝竜 彩桜』で固まらなくなったの~♪

 ヒントはサーロンの『天海 翔』だったの~♪】


【あ……そっか♪】

【名付けは称号と同じく強化だ。

 名付け神が大神であればある程、強化も絶大。

 良い名を頂いたのだな】

ツクヨミの言葉にアマテラスも大きく頷き、追加強化だと二神(陽と月)合わせた光で彩桜とサーロンを包んだ。


青生と瑠璃も来た。【【失礼致します】】

【青生兄も貰ったの~♪】


【ならば兄弟全て頂くべきなのでは?】

【瑠璃姉、連れてってくれる?】


【確かに そうすべきですね。

 少年の神力置換が終わりましたら昇ります】


【瑠璃姉ありがと♪ 始めよ~♪】







樺太のユーレイ達は なかなかに厄介でしたが、紅火が改良した忍面(しのびめん)が有効なのと彩桜が拾知して得た神力技を忍法として術化できたのは大収穫でした。


欠片持ちの鹿羽(かのう) 季勇(ときお)くんも仲間になるんでしょうか?

少なくとも彩桜は友達になりますよね。



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