表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第41章 魔女との戦い ~魔女だらけ編~
752/870

マナライティアとオーラタム



 夜も更け、職域の人神達が眠りに就いた頃、

【青生兄 瑠璃姉、行こ~♪】声に続いて現れた。

「あ♪ オーラタム様、起きてる~♪

 ほえ? この女神様、だぁれ?

 だから東京 来てなかったんだ~」

静かだったキツネの社に元気でご機嫌な彩桜がぴょんぴょんぴょん♪


「いきなり騒がしいのだな」「うんっ♪」


「この騒がしい子神が今チェリーです」

「真ブルー様の弟神で闇使いのチェリー様の御神力(おちから) 貰ったの~♪」


驚きフリーズ状態だったオーラタムとマナライティアが慌てて跪拝!


「俺なんか拝んじゃダメなのぉ~」逃げた。


「では、お話は後程。

 休んでいてくださいね」治癒で包む。


「もしやオーノマイトナールと?

 私もお連れください!」


「今日は偵察だけですよ」

一矢報(いっしむく)いたい気持ちはよく解る。

 本戦での協力をお願いする」


「はい! 修行してお待ちいたします!」


青生と瑠璃は部屋から逃げた彩桜を追った。



「マナライティア様。

 オーノマイトナールとは、貴女に纏わり付いている残気の男神でしょうか?」


「まだ付いているのですね」

早く消えろと言わんばかりに浄化光を纏った。


「弱い共鳴と同時にオーロザウラを感じます。

 オーロザウラは古の大国の王で操禍と支配を持つ禍の塊の如き男神です」


「オーノマイトナールそっくり……」


「私はオーロザウラに乗っ取られていました。

 その彼は、おそらく私の子孫なのでしょう。

 彼もまたオーロザウラに乗っ取られているのではないかと……」


「子孫……そうなのですか。

 ですがオーラタム様は違います。

 禍神ではありません」


「オーロザウラを追い出し、支配を解いて頂けたからですよ。

 若さも戻して頂けましたので、これから償いの道に踏み出します」


「それでしたら私も。

 元の姿に戻していただけましたので、償いの道に踏み出します。

 あの……オーラタム様。私と一緒に……いえ、私をお導きくださいませ」


「私こそ、お導き頂かなければなりません。

 眠りの呪を解いてくださったのは貴女なのですから」


「では……烏滸がましいのですが、ご一緒に」


「そうですね。では、ご一緒に。

 瞑想修行から始めましょう」


「はい♪」



―・―*―・―



 青生(今ブルー) 瑠璃(今ピュアリラ) 彩桜(今チェリー)は永遠の樹下。


【ねぇねぇ、オーノマイトナールも悪神どけたらオーラタム様みたくなるよね?】


【そうなるだろうね】


【マナライティア様、オーラタム様と仲良しさんなっちゃったよ。

 オーノマイトナール様どぉなっちゃうの?】


【それは……どうしようもないよね。

 兄弟でも好みは違うんだから、先祖と子孫でも各々なんだと思っておこうよ。

 神様の場合、親子くらいだったら同じかもだけどね。

 ねぇ瑠璃。神様の一目惚れって人より強いの?】


【強い、と言うか……確かなのだと思う】


【占術みたいな違いなのかな?】

【あれれ? 瑠璃姉お熱? お顔 赤いよ?】


【言わないであげてよ。

 俺もスルーしたんだから】【そっか~♪】


瑠璃はチラリと彩桜を睨んで背を向けた。


(瑠璃姉かわいいね♪)(当然だよ)

言いつつ青生は瑠璃の肩を抱いた。

彩桜に背を向けた状態だ。

【つまりアフェアン様の魂で生まれた俺の一目惚れは確かだった、って事だよね】


【……そう、なるな】【うん、良かった♪】



【俺もランちゃんに一目惚れだもん】

クルリと仲良し夫婦に背を向けてイジイジ。


【何をしているのだ?】


【あ♪ ハーリィ様だ~♪

 作戦 練ってたの~♪】ピョンぱふっ♪


【そ、そうか】初めての状況に戸惑い中。


【マナライティア様、元に戻ったの~♪】


第9伯爵(オーノマイトナール)は?】


【ロシアの悪霊魔女と一緒に逃げちゃった~】

【だから潜伏先を捜したいのだ】

【瑠璃姉 復活~♪】【彩桜、言わないでね】

【見つけられなくても捜してたら焦って動くと思うの~♪】


騒いでいるとロークスとチャリルが来、続いてラナクスとタオファが来た。

【第9伯爵の潜伏先なのだな?】

【このままのペアで動くわね♪】

【では上を】【王都から捜す?】【そうしよう】


【私達は下空ね】【ふむ行こう】


2ペアが消え、ルロザムールが来た。

【私も休日に入りましたので】


【では私と。上をロークス達と話しつつ】

相棒に戻れると嬉しそうなハーリィが連れて消えた。


【俺……】【彩桜は当然、俺達とだよ】【ん♪】

【瑠璃、何処に行くの?】【そうだな……ん?】


少し遠くから悲鳴らしい声が聞こえた。


【職域なのは確かだな】【【合同研究室!】】

言い終わる前に術移していた。



――目の前に黒々2体。

「やはり来おったか……」

(わたくし)を何処に隠したの!?」


【瑠璃姉も闇障バッチリなってるからね。

 青生兄も吸い上げて使えるよ】

【ふむ。【ありがとう彩桜】】

研究者達を背に庇って展開。

【せ~のっ!【【昇華闇障暗黒、激天大闇呼吸着!】】】

3者同時に闇呼玉を掲げた。


金切り大叫声×3。

背後から迫り、闇呼玉に入った。

「その技の弱点は見切ったのよ!」

前の悪霊魔女は高笑い。悪神もニヤリ。


【激天大闇呼吸着ターゲット悪霊オバサン!】

【激天大闇呼吸着ターゲット悪神第9伯爵!】


「何故っ!?」「母様っ!!」連れて逃げた。


【うわわフツーに【激天闇呼吸着!】】

強い吸引力に驚いたオーノマイトナール(オーロザウラ)が禍を残して逃げ消えたので、彩桜と青生の2つ目の闇呼玉には禍達がボコボコ吸い込まれた。

【タコさん逃げる時の墨みたい~】


【でも俺達にも使えるのは確かめられたね】


【それは良いのだが、摘出しなければ出せぬぞ】


【理子さん鳳子さん久香さんに込め直していたなんてね】

後回しなナディアールは封じているので無事。


【ぜ~んぶ元魂の側だから~、やっぱり痕跡あると込め易いんだねぇ】

移し途上の新魂材も元々の魂と並んでいる。


【そうみたいだね】【ふむ。確定だな】



―・―*―・―



〈何故? 何故なの?

 あの技は対象を絞れないのでしょう?〉


〈これまでは絞らなかったのでは――あ、いえ何も〉


〈しかも1神(ひとり)じゃないじゃないの!

 次を考えなければね。

 オーロちゃんも考えなさいな!〉


〈はいっ!〉


〈ところで、逃げるにしても何故、人世くんだりまで瞬移を繰り返したの!?

 神力の無駄遣いでしょっ!!

 少しは考えなさいな!!〉


〈マナライティアを捜したく……〉


〈嫁なんて要らないわよ!

 オーロちゃんは私だけのものよ!〉


〈ヒッ〉


〈でも……せっかくの人世ね。

 それなら帝妃に入り直すのも良いわね。

 オーロちゃんは皇帝に入りなさいな〉


〈へ? 私の器は霊体ではなく神なのですが……〉


〈似たようなものよ。

 切り離さずとも人にも入れるわ。

 私達は高貴な人神なのだから♪

 では城に戻りましょ♪〉



―・―*―・―



「マナライティア様?

 どうかなさいましたか?」

オーラタムはマナライティアの気から微かな震えを感じ取って目を開けた。


悍気(おぞけ)が……あの男神(おとこ)が近くに来ているのかも……」


「私はオーロザウラの弱点を知っております。

 魔女の存在も。

 ですから貴女をお護り致しますよ」


「ありがとうございます。

 私……支配を受けていた間の記憶が無いのです。

 知るべきかと。ですから……」


「では、お支え致しましょう。

 それは相当な覚悟が必要ですから」


「ありがとうございます。

 お願いいたします」



 向かい合って座っていた二神(ふたり)は並んで寄り添い合い、互いの手を固く握り締め、集中しようと目を閉じた。


オーラタムは今 居る場所が強い結界の内であるとは知ってはいるが、更に防護結界を重ねて、愛しさを自覚した女神(マナライティア)全神力(ぜんりょく)で護ると決心した。

そして手から伝わる感情に共に居ると伝え、記憶を辿る旅へと踏み出した女神を支えた。



―・―*―・―



〈あら、城の内も外も、誰も居ないわね。

 もう油断したのかしらね♪

 獣神(ケモノ)なんて、やはり浅はかなのね♪

 さ、オーロちゃん。皇帝の部屋に。

 入り方を教えてあげるわね♪〉


〈はい〉

助けるんじゃなかったと絶賛後悔中だが降下。


〈あら、瞬移は?

 もう神力(ちから)尽きたのかしら?〉


〈いえ。神力の動きを嗅ぎ付けるのではないかと……〉


〈確かにそうね。嗅覚だけは鋭いわよね。

 あら? その部屋に皇帝は居ないわね。

 何処に……帝妃の部屋!?

 何故!?

 この私を視界にすら入れなかったのに!〉


〈ですが好機かと……〉


〈確かに そうね♪〉


〈では〉天井から降下入室――〈はうっ!?〉

〈ちょっと!!

 オーロちゃん早く抜けなさいな!!〉

〈つ、捕まって……罠だったようです……〉

悪霊魔女魂を抱いている、人で言えば胃の辺りで天井に捕まってしまい、上にも下にも動けなくなっていた。


〖追い神力封じ~♪〗【【神魂捕縛網!!】】

更に雁字搦めに。


【俺達参上~♪】

その声と共に室内に現れたのは、3女性の魂から魔女の欠片を摘出し、滝に封じて戻った瑠璃龍神で、その背の兄弟は鳥翼を広げていた。

【【【昇華闇障暗黒、激天大闇呼吸着!!】】】


ズズッと黒いものが悪霊の下方に集まり、オーノマイトナールの方も下半身に集まった。


【俺、向こ~行く~♪】パタパタパタ♪

【ターゲット悪神オーロザウラ!】

オーノマイトナールの尻に闇呼玉をピトッ。


【【ターゲット魔女オーガンディオーネ!!】】

青生と瑠璃は闇呼玉を合わせて1つにし、悪霊に押し付けた。


【入った~♪】【魔女も入ったよ】

【オジサンとオバサンこのままでいい?】


〖まっかせて~♪〗【霊魂は死神に任せろ♪】


【ん♪ 封じ行こ~♪】【そうだね♪】


龍の咆哮が獣神達の神耳に響き渡った。


【マディア様だよ!】【瑠璃!】乗る即 術移!



〖コレも放置ムリだよねぇ〗【ですね】

ガネーシャとリグーリは悪神と魔女が抜けたオーノマイトナールと(リー) 水鈴(シュイリン)の母・富鈴(フーリン)の魂の処置を始めた。

【ん? 兄様?】


【驚いている皇帝に説明せねばならないでしょう?】

一部始終を見せていたフェネギ。


【確かに。ではお願いしますね】


【ええ】







マナライティア様はオーラタム様と仲良くなっていますが、オーノマイトナール伯爵も社に運ぶんでしょうね。


漢中国の悪霊魔女は双子魔女オバサンの祖母・富鈴(フーリン)でした。

双子魔女オバサンの母・水鈴(シュイリン)は、既に悪霊だった富鈴の指示で梅華を拐い、二組の夫婦を殺害したようです。

何にせよ全ては魔女オーガンディオーネなんですけどね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ