表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第40章 魔女との戦い ~漢中国編~
739/870

大きな壁画パズル



 桜・空マーズに連れられて彩桜とサーロンが元気に戻ると『アラビアのヒト達』に囲まれての大歓迎を受けてしまった。

「ダラジャさん、マルハラさん、俺 元気♪

 大丈夫なの~♪ くすぐったいの~♪」

ハグとナデナデ攻撃で彩桜もサーロンも笑いっぱなしだ。


「恐いは、笑って、忘れないと」

「そうだよ。幼い心、傷、残る」


「そんな幼くにゃいからぁ」あはははは♪


また6歳くらいだと思われているらしい。



「お~い彩桜、サーロン。

 二人が見つけた壁画はマーズが元通りにしてくれたぞ」

と慎也が来て救出してくれるまで笑わされてしまった。


「やっぱり壁画だったんだ~♪」ヘロヘロ~ん。

「元通り、良かったです♪」ぐったりングです。


「博士達も誘ってやれ」


「「博士?」なのっ!?」


「その2人、考古学の博士で有名人だよ。

 ただ、古代の言葉ばっか詳しくて、今の何らかの公用語を覚える気はサッパリらしい」

さっさと背を向けて洞穴の入口へ。


「中から行けるの?」


「埋もれてたけどな。

 マーズが道を作ってくれたよ」


【って金マーズと紫マーズが、でしょ?】

【兄様も来てくれたよ♪】【そっか~♪】


「新発見♪ 壁画、見に行こ~♪」アラビア語。

「ダラジャ博士♪ マルハラ博士♪

 壁画、大好きでしょ♪ 行こっ♪」


『あ、バレた』と舌を出して悪戯(いたずら)っ子みたいな顔をしたが、嬉しそうに彩桜・サーロンと手を繋いで洞穴入口に向かった。



―◦―



 壁画を楽しんで洞穴から出ると、本来 参加する筈だった南米遺跡保護管理局の2人が瑠璃鱗の龍から降りているところだった。


【瑠璃姉、青生兄は?】


【保護管理局の皆が監禁されていた。

 衰弱していたので治癒している】


【浄化、行かなくていい?】


【一応、青生と私がしたが、乗ってくれるか?】


【ん♪】「サーロン、ペルー行こっ♪」

「ええっ!?」引っ張られて龍の背に。


「金錦兄、慎也さん♪

 ちょっと行ってきま~す♪」



「龍……」龍教授もビックリだ。


「マーズの忍法です。

 弟達は子供なので乗ってしまいました。

 予定通り動いていれば戻るでしょう」


「驚きの連続です。

 邦和での日程も、とても楽しみです」


「何事も起こらない事を祈るばかりですが」


「起こっても忍者達が居るのでしょう?

 全てが楽しみです。

 では移動しましょう」



―◦―



【金錦兄たっだいま~♪】

洞穴近くの資料館で説明を受けている金錦に彩桜の元気な声が聞こえた。


【監禁されていた皆さんは?】


【元気なって黒瑯兄のトウモロコシ粉入りパン粥、美味しいって食べてた~♪

 犯人兄弟さん捕まったけど、お母さんの葬儀は していいって♪】


【紅火も行ったのか?】


【包んでキレイしてくれて届けてくれたよ♪

 ね、金錦兄。俺また見つけちゃった~♪】


【何を?】


【違和感あるから持ち上げたら、なんか彫ってるの~♪ 絵もある~♪】


金錦が神眼を向けると、大きな岩を掲げた彩桜がピョンピョンしていた。


【皆が驚く。

 龍に頼んで岩を倒してもらったとしてほしい】


【うん♪】



 彩桜達が外で騒いでいるからと金錦は中座したつもりだったのだが、皆がぞろぞろ。説明していた職員までもが出て来てしまった。


「金錦兄コレ見て~♪」ぴょんぴょんぴょん♪

「絵文字みたいな漢字です♪」ぴょんぴょん♪

大きな穴の横に底を見せて倒れている岩の両側で跳ねている。


大人達が走って集まる。

「彩桜、これは?」


「裏が上なってる気がしたの♪」

「表側が埋まっていたです♪」

「龍に転がしてもらった~♪」大っき穴~♪

「ここ掘れワンワンです♪」スポッでした♪

「この刷毛でキレイしたの♪」発掘用の~♪

「一緒に土を落としたです♪」本当は浄化♪

ずっとピョンピョンしている。


「輝竜教授、古代漢字ですよね?」


「そうですね。象形文字が漢字へと移る途上。

 漢字に落ち着く過程には多くのルートがある筈です。

 その1つなのでしょう。

 龍教授、これから じっくり解読しましょう」


「そうですね」がっちり握手。


「金錦兄も龍教授も目がキラッキラ~♪」


「それは当然――何を拾っている?」


彩桜とサーロンは少し離れて地べたに座り、石ころを選別して集めていた。

「古代パズルのピース集め♪」

「あの山から落ちてきた思います♪」

「たぶん洞穴まだあるの~♪」

「自然崩落、その欠片達です♪」


「ふむ」「調査を続けなければなりませんね」

「また参ります。弟達も」「ええ。是非とも」


「サーロン、あっちのも♪」「小山ですね♪」

走って行った。



「あれは?」


「資料館を建てた時の地均(じなら)しで除去した土砂ですね」


「捨てられていなくて良かった。

 どうやら宝の山らしいですね」


 彩桜とサーロンは小山の向こうに行った。

見えている側に桜マーズと空マーズが現れる。

石ころ達が光の尾を引いて浮き上がり、1箇所に集まった。

彩桜達が集めていた石ころも一緒に岩の前へとスイッと動いた。


「ありがと~♪」「パズルします♪」

小山の向こうから声だけ。



 マーズが去って彩桜達が走って石ころの山へ。

「並べるの~♪」「はい♪」

いくつか抱くように持っている石ころをチラッと見ては走る。何度も。しかも素早い。



 大人達は半ば唖然と子供達を眺めた。

「もしかして裏向きですか?」

龍教授が指摘した通り、壁画面を下にして並べている。


「パズルが得意なのですよ」ほぼ苦笑。



 たった数分で石ころの山は無くなった。

歪な台形に近い形で、最長の辺は10m近く。

そこから高さを取るなら2m程だろうか。

大きな穴は岩が入るべき場所なのだろう。

他に長径30~60cm程の穴が十数個もある。


彩桜とサーロンは別々の方向に走った。



 呼ばれたらしい赤マーズが手を薙ぐと、石ころパズルの下にアクリル板のような物が現れてパズルが少しだけ持ち上がった。


 彩桜とサーロンだけでなく桜マーズと空マーズも小岩を抱えて戻り、嵌める。

また走って行った。

赤マーズも別方向へ。


戻って来た時には紫マーズと緑マーズも加わっていた。

次々と運び、易々と穴が埋まっていく。


 残すは大穴だけ。

赤マーズが岩に寄る。

何をしたのやらだが両側に手を掛けると、特殊なカッターで切り取ったかのような板状にして壁画を運び、パズルの穴に嵌めた。



 そうして、通常の発掘調査を考えれば、あっという間に岩壁の復元が終わった。

最後の仕上げとばかりに赤マーズが再びパズルに(かざ)した手を()ぐ。

今度は上になっている裏面を光が覆い、最長の一辺が勝手に持ち上がって表面(おもてめん)の絵を皆に見せた。


所々小さな欠損はあるが、ほぼ完璧。

違和感なんて微塵も無く繋がった絵と文字は見事としか言いようが無かった。


大人達から感嘆の響動(どよ)めきが起こる。

駆け寄って細部まで観察する。


夢中になっていると、

「動かします」

低い声が聞こえたので、聞き取れた者も、そうでない者も周りを見て慌てて下がった。


壁画の裏に触れた赤マーズが連れて消えた。

『何処へ?』とキョロキョロ。


「おや?」「資料館は2棟だったか?」


外観は全く同じな建物が増えていた。

新たな建物から彩桜とサーロンが出て来た。

「「入ってください♪」」

先導するように、また入る。



 入ってみると、右側には通路が伸び、左側には何も無い空間があった。

通路の両壁はガラスで、その向こうに発掘品等が展示できるようになっている。


今は何も置いていない――かと思いきや、1つだけ小さな物があった。

奥の壁には拡大写真と説明文のパネルが掲示されている。


タイトルは『古代人の遊び心』。

説明文は『生活には無関係な可愛い兎の彫刻』。

それを様々な言語で書いている。


「展示例です。

 発掘品を並べて、説明を付けてください。

 この兎さん、さっき拾いました♪

 で、兎さんチャーム♪

 キーホルダーにでも何にでも加工してください♪

 チャームにした石は近くにあった瑪瑙(メノウ)です♪

 拾った欠片ですが、側に大きいのありました。


 壁画は通路の向こ~です。

 紫外線劣化しないよぉに窓無い部屋で、波長選別した優しい光 当ててます。

 来てください♪」



 吹き抜けの広い展示室の一面には壁中に思える大きな壁画。

反対側には1枚だけパネルがあり、壁画の一部を拡大して解説を付けていた。


「これも展示例です♪

 動物さん、いっぱいのトコです♪

 で、動物さんTシャツ♪

 バックプリントは古代漢字♪

 こゆグッズ作って売って研究費とか維持費にするの、邦和の博物館とか美術館、よくやってます。

 あとは子供が楽しめるイベントも。

 えっと、古代漢字で暗号解読とか♪

 解けたら記念品、です♪


 このモニターも例えば~です。

 壁画の動物さん動かしたり、象形文字から現代漢字まで変化させたり、見て解り易くすると楽しいです♪

 トンネルして歩くと動物さん動く、文字が変わって読める、とかもいいかも~♪

 で、もひとつ♪

 古代動物さんに乗ってお散歩アトラクションあったら楽しいかな~♪」


「騎龍アトラクションの応用だな?」


「うん♪ 古代動物、此処だけだから~♪

 人 集まり過ぎたら万里の長城みたく大変なるけど、研究ってお金かかります。

 自給自足みたいなの大事だと思います。

 勝手 言いましたけど検討してください」

にこにこペコリ♪


彩桜は資料館の職員に話していたので漢語だった。

それをサーロンが英訳していたので、集まっている8割程の人は理解していた。


「あ~、そっか」

ダラジャ達の集まりに行ってアラビア語で もう一度。



 別の集団が来る。

「何語がいいですか~?

 サーロンも手伝って~♪」


「いや、英語で十分だよ。

 来てもらいたいんだ」ハグ! いや捕獲か?


「わわわわわっ!

 金錦兄た~す~け~て~っ!」


「マーズと共に世界中を巡るのだから叶えていこう」


「うんっ♪ うわわわっ!?」持ち上げられた。

「わ! 下ろしてください!」サーロンも。


ウチが先だ合戦になっていた。


「皆様ご静粛にお願い致します。

 必ず参りますので、弟達の学業優先で予定を立てさせて頂きたく存じます」


タブレット片手な慎也が金錦に並んだ。

「落ち着いて並んでくださいね。

 先着順ではありませんから落ち着いて!

 希望する場所、作業内容とかを聞き取りしますからね」


まだまだ大騒ぎ。

彩桜とサーロンが下ろしてもらえるのは、いつの事だろう。


「ダラジャ博士! マルハラ博士!

 今こそ助けて! 祈ってないで!」


礼拝時間になったらしい。

笑いを堪えて祈り続けるダラジャ達だった。







漢中国での魔女騒ぎは一応収束です。

キツネの里に保護した人達は目覚めていまし、ユーロンも捜さなければなりませんが。


次は理俱が目を付けている北の大国か、龍教授との邦和での史跡巡りか。

とにかく、この章は終わりにします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ