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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第40章 魔女との戦い ~漢中国編~
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カーリザウラの真核



【彩桜、今日は拾知を閉じる練習の筈だが?】

穴を覗いて、手を入れている桜マーズの肩に紺マーズが触れた。


【でもねぇ、コレは拾知しないとダメでしょ。

 だからサーロンに支えてもらってるの♪】

穴に残る気から読み取り真っ最中。


【ふむ。では私は浄滅しに行く】

闇呼玉を渡せと手を出す。


【青生兄は?】

分身の彩桜が渡して聞く。


【強い治癒が必要だから任せた。

 あまり無茶をするな。では――】【待って!】


続く言葉を待ったが、桜マーズは拾知に集中していた。


【彩桜?】


【うん……俺、アミュラ様とお話ししたい】


【何を拾った?】


【流すから連れてって】

穴から出した手を肩の紺マーズの手に重ねた。


【ふむ。行こう】



 今回は最短ルートとなる保護区域の道を通る形で術移し、地下道から古の人神の地の中央に在る月の門跡に出てアミュラの結界へ。



 着くなり彩桜はラピスリの背に出て座った。

【アミュラ様、カーリは?】


〖真面目に修行してるよ。

 この話し方なら聞こえやしないから安心しな〗


【あのね、コレ】闇呼玉を結界に くっつけた。


〖まさか……こんな事までしちまうなんてねぇ〗


【うん。だから分離したいの。

 双子、難しいの知ってるけど……】


〖そうさねぇ……この絡み具合じゃあ時間は掛かるが、少しずつ丁寧に剥がしていくしかなさそうだねぇ。

 まずは人魂とは離して、支配を解かないとね。

 手伝っておくれよ?〗


【うん!】【はい!】


アミュラは簡単そうに言うが、人魂と人神魂の分離は容易ではない。

やはり凄い大神様だと改めて思い、気合いを入れるラピスリと彩桜だった。



―・―*―・―



 発掘調査現場では救助が一段落したのでマーズは帰り、医師だとして青マーズが連れて来た白衣の青生だけが残っていた。

【いつものとは少し違う感じがしたけど、彩桜から何か聞いているかな?】

まだ穴の近くに居るサーロンに声を掛けた。


【はい。

 彩桜は『カーリの真核』だと言ってました。

 今回はオーガンディオーネは一緒じゃないみたいです。

 でも『目覚めさせたのは魔女かも』って。

 闇呼玉に封じた魂の欠片は、外側に纏わり付いているオーロザウラに支配されてて、融合もしていて長くなってるから、もうオーロザウラそのものみたいになってるカーリの真核だと。

 それがオーラタム様の筋とは別ルートで人に入ったみたいなんです。

 穴からは、皇帝暗殺に失敗して一族皆、処刑されたと……】


【そう。彩桜はカーリザウラ様に真核を返してあげたいんだね。

 お社の大神様方にも話してみるよ。

 ありがとうサーロン。

 金錦兄さんと一緒に遺跡を楽しんでね】


【はい♪】


遺跡も楽しいのだが、青生から『ソラ君』ではなく、従兄弟として『サーロン』と呼ばれるのが嬉しくて仕方のないソラ(サーロン)だった。



―・―*―・―



 アミュラの詠唱が終わると、ごく僅かな煙のような魂材が闇呼玉から流れ出て、結界内に浮かんだ保護珠に吸い込まれた。


〖人魂は僅かで塵の如くだねぇ。

 けど保護したから嬢ちゃん、保ってみてくれるかい?〗


【はい】


〖このカーリも封じられてたから幼いままだ。

 だから女神に惹かれてなんてのは無理だねぇ。

 それに魂縛呪鎖で雁字搦めだよ。まったく。

 だから強引だが術で解くよ。

 けど嬢ちゃんは今日、三度目だ。

 限界なら改めてにするよ。どうだい?〗


【解除まで、お願い致します】


〖そうかい?

 嬢ちゃんも無理するんじゃないよ。

 確かに急ぐべきだから解くけどねぇ〗


再びアミュラは唱え始めた。



―・―*―・―



 鳳子は体調不良を訴え、検査の為に竜ヶ見台市の警察病院に入院していた。

鳳子自身は ただ眠っているだけだが、その魂内、奥深くに隠れている何者かは確かに目覚めていて、今は眠り修行に専念しているとガネーシャは感じた。

しかし、これもまた人神でなければ確かな事は言えないと、ホムダマールトを連れて戻った。



 姿も気も全てを消した状態で近寄り、暫く。

ホムダマールトが頷いたので離れた。


《やっぱり居る? 魔女?》


〈はい。どうやら神魂の大きさ故に、分割して二人――三人という可能性もありますが、とにかく分けて込めたようです〉


《うわぁ。で、眠り修行してるよね?》


〈はい。保護の外側、鳳子自身の魂を取り込み、自由に動こうと企んでおります。

 あの場所に居るのは、より良い環境で眠り修行に専念する為。それだけです。

 十分に神力が蓄えられれば脱し、女王になるのだと伝わりました。

 美味しい場所は見つけていると〉


《美味しい場所ねぇ……他の欠片が見つけてるのが伝わるのかな?

 それともシッカリ繋がってる?

 よく理子と大騒ぎしてたのも互いを活性化させる修行だったのかな?

 あ、とにかく見張ってないとね♪

 ホムくん ありがと♪

 社に戻すね~♪》



―・―*―・―



 アミュラの詠唱が終わった。

自身が成した闇呼玉内なので自由が利く彩桜は、並行してオーロザウラを少しずつ分離していた。

そのオーロザウラのみの『粉末』と支配核、魂縛呪鎖とをより強い闇呼玉に吸い込ませた。


〖なかなかやるじゃないか♪

 よ~く鍛えてるねぇ♪

 それじゃあ嬢ちゃん、オーロだけのを浄滅してきてくれるかい?

 背の坊っちゃんは残しといておくれよ〗


【俺?】


〖カーリが目を開けてる。

 何かしら伝わったんだろうねぇ。

 話し相手を頼むよ。

 その間に玉を埋めて分離の準備をするからね〗


【うんっ♪】結界内へと飛んだ。


〖そんなふうにも使えるのかい♪〗あっはは♪

パタパタ翼を見て、結界壁内を飛ぶなんてと笑う。


【飛べちゃってた~♪】

「カーリ♪ 遊び来た~♪」


『やっぱりイマチェリーだった♪

 ね、さっきのは?』


「うん♪ またカーリ見つけたけどオーロだらけで眠ってるから、浄化と分離してから返すねっ♪」


『ありがとう!♪』


その様子に安堵してラピスリは火口へと飛んだ。



 彩桜はカーリザウラとのお喋りを楽しみつつ、アミュラとも心話していた。

【カーリだけを浄魂させたの魔女なの。

 王様と他の王妃様と王太子様、カーリは魂材入れ換えの再誕して戻る思ってたの。

 でもオーロが支配使えてカーリに掛けてるの魔女が知って、カーリの能力だけ貰っちゃおって。

 カーリのが王妃様いっぱいだから潜在能力いっぱいあるの。

 ちっちゃ弱くても、無いより遥かにいい。

 高めたらいいからって。


 だから真核。イチバン強いから。

 再誕決まった後、カーリ、怖くなって逃げたの。

 でもオーロの支配で追跡されちゃった。

 捕まえた魔女が術で雁字搦めして眠らせて。

 オーロが支配いっぱいして。もっと呪縛して。

 真核、抜いたら空っぽみたくなるでしょ?

 だから意識戻る前に処置場に。

 返事すらも出来ないから浄化する神様達も、王子だとしても こんなじゃ浄魂罪にされても仕方ないよね、って……】


〖そうかい。可哀想にねぇ。

 それでオーロはずっとカーリの真核を持ってたのかい?〗


【うん。だから魂核オーロ逃げる時も連れて逃げたの。大事な能力だから。

 でも……たぶん青生兄と俺の魂材なった人神様が……切り離したのかな?

 なんか、そんな感じ? 共鳴みたく震えたの。


 で、拾われて、危険だからって、また浄魂。

 でも耐性あるから生き残って、魂材に紛れて人世に。

 生き残れたのだけはオーロに感謝かなぁ】


〖私に入ろうとした黒い者を斬った……それだけだ……〗


【あれれ?】〖おやまぁ、目覚めるなんてねぇ〗

【この話し方って……人神様じゃないの?】


〖私は人神だ……龍の里で修行をし、話せるようにと欠片を頂いた……〗


【アフェアン様♪ もっと教えてく~ださい♪】


〖アフェアン……そうか……私の名……〗

〖また拾知したのかい。困った子だねぇ〗


【アミュラ様ぁ、今ソレ置いといてぇ】


〖アミュラ様と!?〗【うん♪】

やっぱりなガッツリ信奉者。


〖ああもう、ややこしいったらありゃしない。

 アタシはアミュラの意思。

 この結界に込められた神力だよ。

 アミュラ自身は、その辺の何処かで冬眠してるよ〗


〖然様で御座いますか!

 しかしアミュラ様には違い御座いますまい!

 サクラ! 早く祈るのだ!〗

【すっかり元気~♪】


〖その子はアタシの弟子だから祈らなくていいんだよ。

 それより修行だ。

 お前さんも弟子にしてやるから祈るより修行だよ。

 話は落ち着いてからだねぇ。

 思い出したら話しておくれよ〗


〖はい! 有り難き幸せにて!

 早速、修行をば!〗


〖はいはい気張りなよ〗

【静かなっちゃった~】


そこにラピスリが戻った。

【彩桜、帰るぞ】【ん♪】


〖嬢ちゃんも限界だ。早く帰りな〗


【は~い♪】「カーリ、また来るねっ♪」


『うん♪ ありがとイマチェリー♪』


大きく手を振り合う。

ラピスリは見えている間は取り込まずに飛んだ。



 結界から離れて術移し、保護区域へ。

恐竜を見たいだろうと彩桜を背に出し、イーラスタに会釈をして通り抜けた。

【彩桜、誰と話していた?】


【アフェアン様♪ 青生兄と俺の魂材様~♪】


【は? 有り得ぬ状況だが……彩桜ならば、ふむ】


【にゃ~んか変な納得してるぅ~】


【彩桜は不思議の塊だ】はははっ♪


【今、眠り修行してるの~♪

 起きたらお話ししてあげてねっ♪ 今ピュアリラ様♪】


【また信奉者なのか!?】

〖今ピュアリラ様と!?〗


【起きた~♪

 うん♪ 今ピュアリラ様に乗ってるの~♪】

〖なんと失礼な事を!!〗


【彩桜は義弟だ。問題無い】


〖ああっ!! 今ピュアリラ様の御声!!

 祈れサクラ!! 今直ぐ祈るのだ!!〗

【ん~~と、こぉ?】乗っといて跪拝って変~♪

〖それでよい!!〗


【彩桜、いい加減にしろ】呆れ溜め息。


【と~っても真面目で真剣なんだも~ん♪

 あ♪ サーロン♪】


【身体に戻す。気を鎮めろ】【ん♪】




 そんなこんな、どっと疲れた上に恥ずかしさも この上無い状態で瑠璃は動物病院に戻った。


「お帰り瑠璃。お疲れさま」

休憩に入っていたのでハグ。


「ふむ。此方は何事も?」


「あったよ♪ アフェアン様と話したんだ♪」


「此方もか……」ガックリ。


「やっぱり彩桜も?」治癒で包む。


「少し休ませてくれ」頷いて仮眠室へ。


「うん。ゆっくりしてね」にこにこ。







魔女と悪神の悪事がまた1つ。

弟を神力源だけでなく能力源にもして、浄魂刑にしたという神としては有り得ない極悪非道です。


暗くなりそうだった彩桜の気持ちを上げたのは魂材神アフェアン様でした。

今回のアフェアン様は目覚めたばかり。

落ち着けば大騒ぎしなくなると思います。



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