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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第37章 眩しい季節に羽ばたく手伝い
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真剣に考える若者達



 紅火バスは山間の早い夕闇が迫る中を15分程走ると、目的地に到着したらしく止まった。

「みんな降りて~♪ コッチ~♪」

「晩ご飯です♪」

彩桜とサーロンが走り、『何処なんだろう?』は、さておき皆は追った。



「あ♪」「よ♪」 「竜騎!?」「悟だ♪」

彩桜とサーロンに続いて入った祐斗と堅太が嬉しそうに駆け寄った。

「見たコトあるよ~な、ないよ~な……?」

間の少年に首を傾げる。


「あ! 高夢君♪ 広夢は?」

恭弥も到着。駆け寄った。


高夢が俯き、首を横に振った。


「乗馬の強化合宿だからな。

 中学生の初級者が高夢、俺は中級者、彩桜と白竜が上級者だ」


「乗馬も始めたんだ♪ チェイスタグは?」


「ソッチは彩桜と鍛えるんだよな♪

 だから中渡音に来るって決まったんだ」


「そうなんだ♪」

「中学生は、って他には?」


「高校生」「あら、いらっしゃい。座ってね」

お嬢様達と友達やら八郎やら。


「あ~、だよな」「そうだよね」座る座る。



 彩桜とサーロンがワゴンを押して来た。

「此処、甲斐アキノ牧場♪

 秋小路さんのなの~♪

 6日の競技会も此処なの~♪」配るの~♪


「馬……」祐斗が見上げた。


「明日ねっ♪」


「ありがと♪」


楽しい夕食が始まった。



―・―*―・―



 So-χ(ソーカイ)の練習は、爽と魁がライブハウス・フォレストの手伝いに行った時点で終了となった。

ソラは その時に彩桜と話してサーロンとして甲斐に行ったのだった。



 奏は今、響の部屋に居る。

「輝竜先生がドラマーだったなんて……」


「そうよね~♪ いつも穏やかなのにね~♪」

なかなかに激しいハードロックサウンドだが、奏のクリアボイスを際立たせる目立ち過ぎない見事なバランスの叩きっぷりだった。


「響は知っていたの?」


「ま~ね♪

 紗ちゃんの発表会の特別ゲストなのよ♪」


「誰か呼んだとか言ってたわね……そう……」


「お姉ちゃん、驚き過ぎちゃった?」


「ええ、そうなのかもね……」


これは受勲とか受賞とか、今日は話すべきではないと判断した。

「ね、紗ちゃんは2曲でしょ?

 まだ足りなくない?

 飛鳥クンと歌うとか、どう?」


「それは良いかもね」


「じゃあ3部構成にして、1部は紗ちゃんメインなフルートの部♪

 2部は輝竜先生にお任せして、3部で歌うのは?

 伴奏もお願いしちゃいましょ♪」


「そうね」ふふっ♪


「ん?」


「響の方が張り切っているから」ふふふ♪


「すっごく楽しみなのよね~♪」

「私も龍笛なら得意なのだけれど~?♪」

「じゃあ和楽器?」「いいんじゃない?♪」

「輝竜先生なら大丈夫ね♪」「そうそう♪」


「えっと、寿(よし)お婆ちゃん?

 ユーレイなのよね?」


「ソラくんの師なのだから大丈夫よ♪」


「あ……そうよね」「お姉ちゃんも龍笛ね♪」


「響も入ってよ」「もっちろん♪」



―・―*―・―



 奏と響+寿の話は、彩桜とサーロンも聞いていた。


〈響が勝手に決めてるけど、お願いしていいの?〉


〈いいよ~♪〉


〈彩桜も勝手に? お兄さん達は?〉


〈だってランちゃんの発表会なんだも~ん♪

 俺が決めていいんだも~ん♪

 ソラ兄も演奏してねっ♪〉〈ええっ!?〉



―・―*―・―



 皆とワイワイして眠り、マーズは夜中にロサンゼルスに行って野外ライブをして、翌朝遅くに邦和に戻った。



 彩桜達は遠乗りしていたとして馬で牧場に戻った。


「あ、彩桜だ♪」「サーロンも乗れるの!?」


「乗れました♪」


祐斗達は牧場スタッフに手伝ってもらって馬に乗っていた。



 障害コースではお嬢様達が練習していて、高夢は慎介の指導で初級コースに挑んでいた。

〈あれれ?〉〈あの馬……〉

〈理俱師匠だ~♪〉サーロンは苦笑。


〈ウルサイ! 彩桜だけは見るなっ!!〉


〈見る~♪〉きゃはは♪


「白竜、俺達も練習しよう」「うん!」



―◦―



 休憩に入ると、悟と竜騎は高夢とベンチに並んだ。

「乗馬、押し付けてゴメンな」

「大丈夫?」


「とっても楽しいです♪」


「そんならいい」「馬ってカワイイよね♪」


「はい♪

 ……兄ちゃんのは、ちょっとだけ心配ですけど……いなくてホッとしてます。

 お父さんとお母さんには……ちゃんと話したい、かな?

 家出しちゃったから……」


「そっか。だったら連れて来てやる」


「え?」


「忍者ナメんな♪」瞬移。


「うわ……」「あ、でも休憩終わりだって」


コースのスタート近くで慎介が手招きしている。


「後で話せばいいよ。行こう」「はい!」



 悟は本当に高夢の両親を連れて戻った。

「よく見てください。

 今、競技中なのが高夢君です」


「あんなに生き生きして……」


「向こうが輝竜教授の弟の彩桜です。

 チェイスタグでも全国優勝しました。

 馬術競技でも3連続優勝です。

 高夢君、彩桜と一緒に練習したいそうです。

 中渡音なんですけど、いいですよね?」


「もしかして輝竜教授のご実家に?」


「広いんで大丈夫です。住めます」


 コースを終えた高夢が来た。

と言うか、馬が勝手に来たらしく慌てている。


「落ち着け。話したいんだろ?」


「あ……はい!

 お父さん……お母さん……僕、中渡音に行きたい。

 東京の学校に戻りたくないのも正直あるけど、そうじゃなくて先輩達から学びたいんだ。

 学校の勉強も頑張るから、お願い!」


「行ったらいい。頑張れよ」


「うん!♪ あっ」

馬がコースに戻る。

「また後でねっ!」


「まだ始めたばかりだから馬に翻弄されてますけど、素質十分だと思います」

「って悟空が言う?」「白竜!」

「でも本当に素質あります。

 だから心配しないでください」



―・―*―・―



 そうして、家族や友達との予定やらでメンバーが入れ替わりつつ、小中学生達は甲斐アキノ牧場で過ごし、マーズは毎日 南米に(かよ)って野外ライブを(おこな)った。




 そんな日々は瞬く間で、あっという間にゴールデンウィーク終盤になった。

この日は甲斐アキノ牧場が会場になっている馬術競技会を翌日に控えた昇級テスト日だ。

今は級の確定待ち時間で、競技会出場者は割り当てられた時間だけ障害コースでの練習が許されている。


〈彩桜、今日は?〉

中障害コースでの練習を終えた悟が、既に大障害A維持が確定している彩桜の方を向いた。


〈今日明日フリューゲルの移動日♪

 明日の夜中はパリ♪〉

コースから離れた所でメグル達4人に乗馬を教えている。


〈南米は終わりなのか?〉

彩桜達の方に馬を走らせた。

高い柵があり遠回りしないといけないのだが。


〈うん♪〉


〈なんで野外ばっかで、昼過ぎ始まりで夕方までだったんだ?

 コッチの夜中から朝にかけて行く為か?〉


〈治安がね~〉


〈ソッチか。

 夜遅くに終わったら お客さんが危険だからか?〉


〈そぉなの~。

 安く設定しててもライブ行けるヒト、お金持ちって思われちゃうのぉ。

 だから改めて無料に近いライブ、メーアが考えてるの♪〉


〈スラムとかでか?〉


〈うん♪〉


(すさ)んだ心に届けようってんだな?〉


〈うん♪ だから~その前に~♪〉


〈んん?〉


〈エルサムにも行くの~♪〉〈えええっ!?〉


〈忍者、無敵なの~♪〉


〈うわ……けど、行かないとな!

 俺達しか行けないよな!〉到着。


〈うんっ♪ ルイとレオお願い~♪〉


〈おう♪〉



―・―*―・―



 白久はゴールデンウィーク中ずっと中3以上の元・不良(ワル)達を引き連れていた。

ミツケンとサカモトの建築・土木工事現場と、タキ電機の中渡音工場、来光商事の渡音港倉庫、南陽(なんよう)病院(宮東の病院)を見学させ、目標を決めるように言っていたのだ。

「入社試験を受けた者は全て合格した。

 だから明日は寮に引っ越しだ。

 中学生と高校・専門学校の受験、高卒資格試験を目指す者はウチに残す。

 部屋割りは就職者の引っ越し後な。

 さて、未定者達。前に出ろ」


落書き消し行脚中に横浜 尾張 浪花から集めた400人中、100人程が前に出た。


「どうしたい?

 目指したい何かがあるんなら、そこに向かっての道を提案してやる。

 まだ何も見えてないヤツは、ヤマトみたくバイトしながら考えてもいい。

 ただしな、お前らみたいなヤツらが、まだワンサカ待ってるんだよ。

 タダメシ食えてダラケられる場所だとは思うなよ?」


各々が真剣に考えているらしい。

その表情だけで白久は満足だったが、厳しい表情は崩せない。



 ポツポツと手が挙がる。

聞いて答えて気持ちが決まったら後ろへ。

少年少女達も悩み、答える白久も悩みながら、どうにか残りは16人になった。


「暗中模索が16人か。

 そんじゃあバイトしながら探すかぁ?」


「バイト、スサノオさんがいる、あの店がいいです」


「ありゃあカナリ特殊だぞ?

 ヤタは勉強、大丈夫かぁ?」


「えっと、どんな勉強?」


「伝統文化、邦和史と宗教は基礎(ベース)だな。

 あとは個々の道具についても必要だな」


「スサノオさんて、そんな いっぱい勉強してるんですか?」


「してるが、奥深いから未だアイツは店に出られないんだよ。

 なかなかに厳しいぞ。行くか?」

〈コイツ、欠片持ちだな〉〈行かせてやれよな〉


「とりあえず、やってみたいです」


「ん。紅火に話しといてやる」







お休みって、あっという間ですよね。

マーズにとっては南米あちこちでのライブがありましたので休みとは言えませんでしたが。

バンド練習してサーロンしてマーズするソラは、とんでもなく忙しかったと思います。


高夢君も、不良していた少年少女達も前を向いて真剣に考えています。

もちろんSo-χ(ソーカイ)メンバーも。

飛び立ってと願いつつ後押しする輝竜兄弟と悟と竜騎なのでした。



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